詩のlog.190608 [WIP]

全能感/電脳感

脳が,ニューロンが,ネットワークが処理している.
一が全.全が一.
どうして他人と直列接続できないのか.
言語を介す意味はあるのか.
電脳になれば,全能感と自己喪失.
世界と繋がれるだろうか.

身体が,音が,空気が,物質が.
世界が全て外側にある.
一になるか,全になるか.
全てはダイスの記述の中.

僕のドラッグの空気感.
耳に,舌に,眼球に焼きつく.
いつから摂取を始めただろう.
気づけば身体が欲している.
アァ,そうか.もう既に.
身体世界で僕は溶けた.


Pinky Fancy

ショックなカラーに,ビビッドなセンサー.
飽和が好きで,リアルを求めている.
色に感じる無重力感・閉塞感.
内側の何かを引っ張り出そうとしてくる.

あれが僕らの桃源郷.
リアルなんてない,汚れなんてない,無菌室のリアル.
時間は既にどこかへ消えた.

クロックはいつでも自分次第.
世界にはもう支配されない.
そう,僕はもう単細胞.
隣と自分で手一杯.

刺激が,エネルギーが,身体に繋がっている.
反応だけが僕の全て.
境界を失ってなお自己同定する無意味.
意識を失い,感覚が残った.


エフェクター

笑うしかない,笑えなくなる.
音がドライブして,歪んで,過ぎ去る.
鼻を掠めるその臭い.
煙草だったと初めて気づく.

空気の歪みは世界の歪み.
絶対の無いここは自分視点.
現象はない.観測はある.
自分と外の接点を模索する.

それでいいんだ.
自己肯定が始まる.
煙に巻かれて揺らめく存在.
"感"だけが漂い始めた.

自己陶酔と自我崩壊.
世界を忘れ,過去を忘れ.
今在りし此処だけをそっと抱きしめる.


環世界

回っている,環っている.
これは渦だ.
空間的にもうそれは,
中心を定着できなくなった.

分子や原子,知り得る限りのミクロ.
最小から見る現実.
どこまでも続く断続.
果てしない無限遠.
隣までもう行けなくなった.

世界がなくなり,距離が止まった.
もう一度現実に帰ってみよう.
どこにも固定できない今,此処,Now.
揺らぐしかない,僕らの存在.
またいつか,此処と彼処で.


ジャパニーズドラッグ

綺麗になった,菌は死んだ.
写真の中に生きる若者たちよ.
君たちは汚れを知らない.

感情に,現実に,
視覚に,嗅覚に,触覚に,聴覚に.
抗うことを許さぬ汚物はもうどこにもない.

だというのに,どうして.
安全地帯から毒を欲するのか.

そこで舐める毒は美味いか?
目に,耳に,流し込む薬は上等か?
感覚は,ハイになれたか?

自分の内なる世界にドグマは沸いたか.
忘れてぶっ飛んで明日になって.
そしてまた,清潔な毒を盛ろう.

日本は死んだ,日本で死んだ.
そうさ,もう.
あの深いネットの海で,その奥で,
僕らのハーレムを作ろう.
ネットに繋がれた目と耳でだけ堪能する,
色鮮やかで,溢れて,いびつな,
ドラッグドラッグドラッグを.

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