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B2Bにおけるカスタマーサクセス(基礎編)

こんにちは、gataです。

最近、月額定額制(サブスクリプション型)のサービスが増えたと思いませんか?
私もEvernote、Schoo、DAZNなど色々使っていますが、B2B、B2Cに関わらず多くの企業がこのサブスクリプション型のモデルに参入しています。

私が利用しているものも、初めから有料のサービスや無料からプランアップしたものもあります。

DAZN:動画の有料配信なので、初めから有料で利用
Schoo:無料版もあるが、初めから有料版を利用
Evernote:フリーミアムからの有料プランにプランアップ

その他にも様々なサブスクリプション型のサービスがあります。

例)ドン・キホーテ

千葉県のMEGAドンキに隣接してあり、月額1,000円で自遊空間を提供しています。ドンキHDのフリースペース事業で電子マネー「majica」に登録していれば利用可能です。

例)ポルシェ

購入すると高額であるポルシェもレンタルすることが出来ます。月額2,000ドル程度で気分に合わせてポルシェを選べるのは驚きですね。

このように、IT企業のサービスだけではなく、ドン・キホーテのような新事業やポルシェのような車の提供形態の変化などにより、サブスクリプションで提供する会社が急増しています。
周りを見ると、衣食住を始め、配達、健康なんでもサブスクリプション化しています。


このサブスクリプション・エコノミーで明暗を分けるのがカスタマーサクセスです。

【基礎編:こんな人にオススメ!】
▪️サブスクリプションのサービスを始めたい方
▪️カスタマーサクセスについて学びたい方
▪️B2Bの事業をされている方

上記に当てはまる方に是非読んでいただければ幸いです。

【目次】
1、カスタマーサクセスとは?
2、カスタマーサクセスで重要視される指標
3、LTV(ライフタイムバリュー)の最大化
4、基礎編のまとめ

1、カスタマーサクセスとは

言葉の通りなのですが、カスタマーサクセスとは「顧客の成功」を目的に動くことなのですが、抽象的なので、深掘りします。

よく、「カスタマーサクセス」と「カスタマーサポート」の質問を受けることがあるのですが、両者は全く違います。下の図を見てみましょう。

図1:カスタマーサクセスとカスタマーサポートの比較

まず、カスタマーサクセスの目的は「顧客を成功に導くこと」です。それに対してカスタマーサポートの目的は「お客様が困っている時に、抱えている問題を収束させること」です。
そのため、カスタマーサクセス部隊は「プロアクティブ(積極的)なアクション」をしていく必要があります。

また、「顧客の成功」は企業によって全く違うため、擦り合わせをする必要があります。成功の定義が決まっていない状態では、そもそも成功させることは不可能です。

企業によってやり方は異なると思いますが、判断できるようにKPIを設定する方がベターです。
「ゴール(こうなったら成功だね)」
「目標(ゴールに到達するためには〇〇が必要だ)」
「施策(目標達成するためには、〇〇が必要だ)」
最低限、ここら辺は詰めるべきだと思います。

ここで決めた「顧客の成功」を達成するために動くのが、カスタマーサクセス部隊になります。

2、カスタマーサクセスで重要視される指標

先ほど顧客の成功のため動くのが、カスタマーサクセス部隊という話をしましたが、とは言え導入したが利用できず解約になるケースもあります。
成功した結果、アップセルに繋げるのが一番理想的なのですが、解約が出ないようにすることも重要な役割になります。

ここは、カスタマーサクセス部隊の存在意義に繋がるのですが、
▪️どれだけ収益を上げることができたか(アップセル/クロスセル)
▪️どれだけ解約を抑えて長期間使ってもらえるか(チャーン回避)

指標としては、この2点を追っていきます。

本来であれば、NRRやACVなど大事な指標が色々あるのですが、成功してもらうことで「継続利用」と「追加発注」に繋がると考えてもらえれば大丈夫です。

【アップセル/クロスセル】
・アップセルの平均単価はいくらか
 →どのようにすれば伸びるか、エリアや業種別に違いはあるか
・アップセルのタイミングは何ヶ月目が多いか
 →このタイミング直前でどのようなフォローをすべきか
・クロスセルはできているか
 →何をやっている会社なのか顧客に伝わっているか

難しいことは考えずに、現状をしっかりと把握するところから始めることをオススメします!

【チャーン回避(解約率を下げて長期的に使ってもらう)】
・顧客の健康状態の把握(ヘルススコア)
・カスタマーチャーンレートとレベニューチャーンレートの増減
・解約顧客の分析→期間別 or フェーズ別フォロー

チャーンに関しても、まずは既存顧客の把握と解約顧客の分析から始めましょう!企業のフェーズによって何を計測した方が良いか変わりますが、ある程度顧客がついてきて軌道に乗っている場合はレベニューチャーンレートを数年分出してみるところからスタートしても良いと思います。

※基礎編ということで今回は細かい説明は割愛します

追うべきKPIは企業によって違うためこういうことをやるんだくらいで問題ありません。私がお伝えしたいのは、サブスクリプション型の事業を行う(収益をあげる)上で重要なことは「アップセル/クロスセス」「継続利用してもらう」ことなので、ここだけしっかりと認識してください。

解約するような既存顧客はすでに利用していないケースが多いので、そもそもカスタマーサポートチームには電話がきません。なので、カスタマーサクセス部隊が戦略的にチャーン回避を目的とした施策をうっていかなければならないということですね。

3、LTV(ライフタイムバリュー)の最大化

図1の表に戻りますが、カスタマーサクセスとカスタマーサポートの最大の違いは、「プロフィットセンター」「コストセンター」かという部分です。

要は、カスタマーサクセス部隊は、アップセルで発注をもらい、解約を下げることで、収益を増加させる必要があるのです。

A:「カスタマーサクセスを実施した結果、顧客が大成功し、追加発注がもらえた」
B:「サポートして、問題解決できたし、お客さんが喜んでくれた!」

ここまで読んでくださった方はもうお分かりだと思いますが、このAとBの違いが両者の役割の違いです。

では、プロフィットセンターとして収益を増加させるためにはどのような考えの元計画を練るのが良いのでしょうか。施策を立てる上で必ず理解しておかなければならないことがあります。

それが、LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)です。

【LTVとは】
自社商品・サービスに対してロイヤルティの高い顧客(愛用者)になってもらえれば、長期にわたってのリピート購入が期待できる。 ライフタイム・バリューとは、このように顧客が現在から将来において企業にもたらすであろう利益から割り出される現在価値のことを言う。

カスタマーサクセスに取り組み始めて勘違いされる方も多いのではないかと思いますが、全ての顧客を同じように満足させて、成功させるというのは至難の技です。

営業を雇う時は販管費含め、投資した以上の利益が見込めるかを判断するかと思いますが、カスタマーサクセス部隊も人数を増やしただけ収益が伸びなければ基本的には赤字ですよね。
※顧客満足度向上による二次収益の話や中長期的な解約防止もありますが

そこで大事なのは、LTVの高い顧客とLTVが低い顧客のサポート方法を変えなければならないということです。
顧客によってサポート方法を変えるというのは当然のことなのですが、サブスクリプション型のサービスの場合、出来るだけ長く使ってくれて、追加発注も見込めそうな顧客をLTVの高い顧客(ポテンシャルが高い顧客)と定義し、ハイタッチ、ロータッチと言われるサポート方法を取るのが良いでしょう。
逆にLTVの低い顧客に関してはテックタッチと言われるサポートをしていくことが多いです。

もちろん、事例やお客様の声、二次収益をもたらしてくれるという部分も考慮していくと、全てをポテンシャルだけで分けるのは違うのですが、そこは各社分けていくのが良いのでケースバイケースで。

本来であれば、それぞれのサポート方法やその時に使った方が良いツール(オンラインで商談できるシステムやチャットツールなど)も紹介したいのですが、今回は基礎編ということでここでは記載しません。

※2020年(予定)の5Gの登場により、ビデオ会議は劇的に進化するらしいので、今から確実に取り組んでおいた方が良いですね!

4、基礎編のまとめ

1、カスタマーサクセスとは?
2、カスタマーサクセスで重要視される指標
3、LTV(ライフタイムバリュー)の最大化

今回は3つのことについて書かせていただきました。

▪️サブスクリプション型のモデルが増えている
▪️カスタマーサクセス ≠ カスタマーサポート
▪️いかにLTVを上げるかが大事(継続と追加発注)

具体的な話はあまり出していないのですが、概要だけご理解いただければ良いかと思っています。

次回は(ニーズがあれば)、導入して使えるようになり、アップセルしてくれるまでの「フェーズ別のフォロー」について書こうと思います。実際に現場として動いてみてどうだったか、とかも書ければ良いかなと思いますので、フォローしてもらえると嬉しいです!

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