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自然観察を楽しみたい!【野鳥・植物 etc】

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生き物の生態や身近に見つけられる植物についてなど、自然の中の「そうだったんだ!」を紹介します。
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2022年12月の記事一覧

とある編集者の日々の観察「真冬に卵を産む翅のないハチがいる! その産卵の一部始終」【マニア向け】

木の葉っぱでたまに見かける「虫こぶ」。それはタマバチという小さなハチの仕業かも。研究者との飲み会で小耳に挟んだこのハチを実際に探して日々観察した記録。ツイッター山と溪谷社いきもの部(@yamakei_ikimono)の中の人の日々のつぶやきまとめです(加筆修正あり)。 某年12月9日 飲み会あとの山手線の中 国立科学博物館で開催されたGBIFのワークショップに飲み会だけ参加する。「最近、飲み会しか来てねーな!」と先生方に冷かされる。楽しい飲み会(今となっては遠い昔のよう……

あなたも新種を発見できる!? 『新種発見! 見つけて、調べて、名付ける方法』ってどんな本?

新種発見って何だ?  文=馬場友希 みなさんは「新種」とは何か、ご存知でしょうか? 新種と言うと、遺伝子操作や突然変異で地球上に新たに誕生した生命体を想像する人も中にはいるかもしれません。しかし、そうではありません。新種とは、新たに発見された生物種のことを指します。 この地球上には推定870万種もの生物が存在すると言われていますが、そのうち学名が付けられている種はわずか150万種。つまり、全体の約80パーセント以上の種には、まだ名前がつけられていないことになります。このよ

ブナが数年に一度、ドカンと大量の実を落とすワケ

数と運の生き残り戦略 「大量に産めば誰か残るよ」作戦は生物には普遍的なものである。  例えば、毎年毎年、大量の実を落とすブナ。だからって雑木林がブナの若木で埋め尽くされているのは見たことがないはずだ。というのも、ブナが発芽するには、いくつものハードルがあるからである。  まず、地面に落ちたブナの実は片っ端から動物に食われる。だいたいはネズミ、あとはイノシシなどだ。いや、落ちる前からゾウムシが産卵していて、殻の中で食べられていることも少なくない。あるいは腐ってしまう。その結

図鑑編集者が伝える、葉っぱから木の名前を調べる方法

先日、公園の砂場で子どもと砂遊びをしていると、フジ棚がすっかり落葉しているのを見た子どもが、 「葉っぱがなくなったねぇ」 と言って、一枚の落ち葉を手に取りました。 見ると、それはフジの葉ではなく、少し離れた木から飛んできたケヤキの落ち葉でした。 「風が運んできたんだねぇ」 と伝えると何やら目をぱちくりさせている様子(自然好き親フィルターあり)。 最近では落ち葉プールなどを設けている公園も見かけますが、子どもと一緒に落ち葉の名前を調べてみるのもおもしろいはず。というわけで、