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【読書感想文】神族と人間の対立と和解。壮大な冒険の果てに待つ結末とは?『火狩りの王 〈四〉星ノ火 (角川文庫)』

この本は、主人公・灯子が自分の願いを叶えるために旅をする物語ですが、その旅路には、仲間や敵との出会い、冒険や試練、そして千年彗星〈揺るる火〉と伝説の「火狩りの王」の影響が待ち受けています。灯子の運命と世界の未来が大きく変わっていく過程を、目が離せないほどのスピード感と感情移入で描いています。

私が思う本書のテーマは、「願いと選択と責任」です。物語の中で、灯子や仲間たちは、それぞれの願いを叶えるために、様々な選択を迫られます。しかし、その選択には、必ず代償や責任が伴います。灯子は、自分の願いと世界の平和の間で苦悩し、煌四は、妹の緋名子を救うことと神族の王としての役割の間で葛藤します。そして、明楽は、灯子を守ることと自分の正義の間で決断します。彼らは、自分の選択に責任を持ち、その結果に対して、悔いや後悔を抱きながらも、前に進んでいきます。この本は、願いと選択と責任の関係を、深く掘り下げて、私に考えさせてくれました。

シリーズの最終巻ということで、期待と不安が入り混じっていましたが、私の期待を裏切らないどころか、上回ってくれました。物語の展開は、予想もしないほどの衝撃と感動があり、登場人物たちの運命に、涙したり笑ったりしました。特に、灯子と煌四の関係は、とても素敵でした。彼らの最後のシーンは、私の心に深く刻まれました。この本は、私にとって、忘れられない一冊になりました。

この本は、王道の冒険ファンタジーとして、見事な出来栄えです。スリリングで感動的な展開、魅力的で鮮やかな登場人物、深く考えさせられるテーマ、簡潔でわかりやすい文体、すべてが素晴らしかったです。

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