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【読書感想文】炎魔に襲われた灯子の運命と、燠火家の陰謀に立ち向かう煌四の決意『火狩りの王 〈二〉影ノ火 (角川文庫)』

炎魔と火狩りの壮絶な戦いを描くファンタジー小説の第二巻です。灯子と煌四は、炎魔に襲われた村から別れて、それぞれの運命に向かっていきます。灯子は、自分を救った火狩りの家族を探すために首都へ。煌四は、父の死の真相を知るために燠火家に立ち向かうために火狩りの狩りへ。しかし、首都では、火狩りに反発する〈蜘蛛〉という組織が暗躍し、革命の火種をまき始めていたのでした。
 
本作の魅力は、何といっても登場人物たちの感情描写です。火狩りという特殊な力を持つ者たちが、普通の人間と同じように悩みや苦しみを抱えるのです。灯子は、火狩りの家族への恩義と自分の居場所を求める葛藤。煌四は、父の死の真実と燠火家との対立という葛藤。炉六は、火狩りとしての誇りと自分の信念という複雑な感情。これらの人物たちの心の動きは、細やかに描かれており、読んでいると自然と感情移入してしまいます。
 
総評として、この本は、火狩りと炎魔という壮大な世界観と、登場人物たちの感情の描写という二つの魅力が満載のファンタジー小説です。次々と起こる衝撃的な展開と、繊細な心理描写とで、佳境への伏線を残す本巻。私は、この本を読んで、火狩りと炎魔という世界に没入しつつ、登場人物たちの感情に共感しながら、一気に読み終えました。人間の心の奥深さに触れたい方にもおすすめです。

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