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【読書感想文】古のものと呼ばれる神話の存在が現実に。人間は宇宙の恐怖に耐えられるか?『ラヴクラフト全集 4 Kindle版』

本書に収録されている短編より、「狂気の山脈にて」を紹介します。

南極大陸に探検に行ったミスカトニック大学の隊員たちは、地層の奥から驚くべき生物の化石を発見します。それは「古のもの」と呼ばれる神話の存在で、動物と植物の特徴を併せ持ち、高度に進化していました。しかし、その生物たちは死んでいなかったのです。強風によって分隊が全滅し、唯一生き残ったダイアー教授は、化石の秘密を探るために山脈の奥へと進みます。そこで彼が見たものとは……。

この話のテーマは、人間の知識の限界と、宇宙の恐怖です。ラブクラフトは、人間が知らないことや理解できないことに対する恐れと畏敬を描き出しています。古のものは、人間の想像を超えた存在であり、彼らの文明や歴史は、人間のそれとは全く異なります。人間は、自分たちが宇宙の中心であると思い込んでいますが、古の神々にしてみれば取るに足らない無力な存在です。

私は本作を読んで、古のものの文明や歴史に対して興味をそそられました。彼らはどこから来たのか?どんな目的で地球にいるのか?どんな技術や文化を持っているのか?など、知りたいことがたくさん出てきたのです。特に、ダイアー教授が山脈の奥で見たものは、衝撃的でした。

総評としては、本作は、ラブクラフトの代表作の一つであり、彼の創造したクトゥルフ神話の中でも重要な位置を占める作品と言えます。人間の知らないことや理解できないことに対する恐れと畏敬を感じたい人には特におすすめです。


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