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【読書感想文】ユーモアと皮肉で描く、社会の矛盾『ハックルベリー・フィンの冒険(下) (光文社古典新訳文庫) Kindle版』

ミシシッピ川を舞台にした主人公ハックと逃亡奴隷ジムの冒険を描いた物語。本書は、少年の冒険話を超え、19世紀のアメリカ社会における人種差別や社会的不平等といった問題にも深く切り込んでいます。

上巻に続き下巻では、ハックが法律違反を知りつつも、良心に従いジムを助ける決断をします。この場面は、ハックの人間性の深さと成長を感じさせる重要な瞬間です。他にも、純真なハックが抱える疑問や葛藤、当時の社会規範に反しながらも絆を深め合う二人の生きざまなど、本書の見どころはたくさんあります。

この物語を読み終えた時、私は、時代を超えた洞察力でユーモアを交えながら社会の矛盾を指摘する、トウェインの慧眼に感動しました。彼の作品が時を超えて影響を与え続け、世界中で読み継がれる理由にもうなづけます。

総じて、本作は、人間の尊厳と自由のメッセージを秘めた傑作と言えます。

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