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【読書感想文】心底動物を愛するドリトル先生と動物たちの大冒険『新訳・ドリトル先生物語』

この本は、動物の言葉を話せる不思議な医者、ドリトル先生と彼の仲間の動物たちが、病気で苦しむサルたちを救うためにアフリカへ旅立つという物語です。 旅の途中で出会う様々な動物たちとの交流や、予期せぬトラブルに立ち向かう姿に、読んでいて私はワクワクしてしまいました。

本書の主要なテーマは、やはりドリトル先生と動物たちとの友情や協力でしょう。しかし、それだけじゃありません。 ドリトル先生は、動物たちの気持ちや考え方を理解し、彼らの悩みや願いを叶えるためなら、自分の生活や財産のことを一切考えずに動いてしまう人物です。このムツゴロウさんもビックリのドリトル先生の動物一直線な性格も、この物語を特徴づけているように思います。

さて、この物語は映画にもなったので、多くの人がドリトル先生を動物のお医者さんとして知っていることでしょう。しかし、私は今回改めて読んで知ったのですが、実はドリトル先生は、最初は動物ではなく人間のお医者さんだったのです。それが、人間嫌いなのか分かりませんが、どうも人間の患者よりも動物の方が気になる様子。そんなわけで、ドリトル先生のクリニックには人間の患者が減って閑古鳥が鳴くようになった代わりに、体の不調を抱えた動物患者が自分で訪れる(←ここ重要!)ようになるんですね。その結果として、ドリトル先生は人間ではなく、動物のお医者さんになってしまうんです、序盤で。

とはいえ、動物は自分でお金を払えないので、ドリトル先生はどんどん貧乏になっていき、面倒を見ていた先生の妹(常識人)もついに家を出て行ってしまいます。

そんなわけで、私は、「お金よりも、自分のやりたいことをやる!」が本書の裏のテーマだと思うんです。

というのはともかく、一方で動物たちは、先生に忠誠を誓い、様々な困難に一緒に立ち向かってくれます。まさに、桃太郎の鬼退治に追いていく犬・猿・キジそのまんまです。

そんなドリトル先生と動物たちの冒険には、船で大航海にこぎ出したり、王様に捕まったり、海賊と戦ったりと、スリリングな場面が満載です。そして、そこには常に動物たちのキャラクターが光ります。 例えば、先生の相棒であるポリネシアというオウムは、持ち前の賢しさをフル活用して、先生のピンチを何度も救います。また、先生のペットであるジップという犬は、忠実で愛情深く、先生を慕っています。このように、動物たちのキャラクターが、私にとって、本書のイチ押しポイントでもあるんです。

総評として、この本は、動物たちと人間との関係を考えさせられる名作です。 ドリトル先生の冒険は、私に夢や希望を与えてくれるし、動物たちのキャラクターは、豊かなユーモアをもたらしてくれました。動物や冒険が好きな人はぜひ、本書を読んで、動物たちと人間との友情を感じてみてくださいね。

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