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【読書感想文】古代エジプトからの使者、混沌をもたらす『新版ラブクラフト短編集1 Kindle版』

本書に収録されている短編より、「ニャルラトテップ」を紹介します。

ニャルラトテップはまさにクトゥルフ神話のダークホース。人間界に現れた神秘的な存在が、その不可解な力で世界をグチャグチャにする話なんです。この物語、我々の理性や知識がいかにもろいか、ズバリと見せつけてくれるんですよ。

物語は、エジプトからやってきたニャルラトホテプが、古代の秘密と変わった道具で人々を魅了し、狂気の淵に引きずり込むところからスタート。彼がいると、夜な夜な悪夢が増えて、みんながビクビクしちゃうんです。彼の影響力っていうのは、どんどん広がっていって、訪れた場所では平和が吹っ飛んで、悪夢が現実になるんですよ。

この話のクライマックスはね、ニャルラトホテプが見せる幻影や予言が、どう人々をパニックに陥れ、絶望の淵に突き落とすかってところ。彼の存在は、我々の認識の限界と、未知の宇宙の恐怖に直面した時の反応を探るんです。最後にはね、ニャルラトホテプが人々を不思議な旅に誘って、恐ろしい真実と狂気の淵に連れて行くんです。

個人的には、ラブクラフトが伝えたかったのは、我々の知識や理性がいかに脆弱か、そしてそれがどれだけ簡単に狂気に変わるかってことだと感じます。ニャルラトホテプは、彼が生み出した神々の中でも特に人間味があって、だからこそ、その物語はリアルで、深い感動を与えるんです。

というわけで、「ニャルラトテップ」は、ラブクラフトの中でも特に心に残る作品。その神秘的な雰囲気と深いテーマは、今もなお多くの人を引きつけてやまないんですよね。

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