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【読書感想文】人類を超える知能を持つ悪魔との対決、怪物園での衝撃の結末!『ギルドレ(2) 世界最弱の救世主』

人類の危機を救った後、記憶を失ってしまったカイル。彼は、自分が救世主だったことも、エネミーズという謎の敵との戦いも忘れていた。そんな彼のもとに、機械の手足を持つ少女・ニィナが現れる。彼女は、カイルを「有罪の子供」という特殊部隊にスカウトする。カイルは、ニィナとともに部隊に入り、自分の能力を取り戻そうとするが、彼の能力は「最弱」と呼ばれるものだった。やがて、カイルたちは、新たな敵・透明人間と対峙することになる。彼らは、人間を超えた知性を持つ悪魔と、恐ろしい秘密を隠した研究施設に挑む。
 
本書は、記憶と正義という二つのテーマを軸にして、壮大な物語が展開されます。カイルは記憶喪失となったことで、自分が救世主だったことを忘れてしまいます。しかし、彼は「有罪の子供」という罪を背負った少年少女たちと出会い、彼らと共にエネミーズと戦うことになります。彼は自分の能力が「最弱」だと感じて、自分の存在意義に悩みます。しかし、彼はその能力を使って、仲間や人類を守るために奮闘します。彼は記憶を失っても、正義を貫く心を失わないのです。一方、エネミーズは人類に対して恨みを抱いており、人類を滅ぼすために暗躍します。彼らは人類の記憶を操作したり、人類を超える知能を持つ悪魔を作り出したりします。彼らは正義とは何か、人類とは何か、という問いに対して、自分たちの答えを見つけようとします。記憶と正義という二つのテーマが交錯して、スリリングな展開を生み出しています。
 
作者の朝霧カフカさんは、独自の世界観とキャラクターを魅力的に描くことで知られていますが、この本でもその才能を発揮しています。特に、カイルとニィナの関係は、読んでいて胸がキュンとするほどで、記憶を失っても、ニィナに対して特別な感情を抱いているのが伝わってきます。ニィナは、カイルを部隊に誘ったのは、彼の能力を利用するためだけではなく、彼に惹かれていたからだということが、後半で明らかになるんですね。
 
この本は、アクションとロマンスのバランスが絶妙な作品で、カイルとニィナの関係は、読んでいて心が揺さぶられるものでした。エネミーズとの戦いは、読んでいて息が詰まるほどスリリングでした。そして、カイルの過去と未来に関わる秘密は、読んでいて衝撃を受けました。この本は、私にとって、忘れられない読書体験となりました。


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