見出し画像

河馬と巨獣:聖書をめぐる旅 4/16

4/16(土)
 ヨブ記の後半、突如神様の口から地上と海の中の獣の話が出てきます。これらが現代も生きているものなのか?それとも、恐竜のようなものなのか?言えることは、神様がこの獣のことを話して、ヨブが認識しているということです。 

ヨブ記40章

6主は嵐の中からヨブに答えて仰せになった。
7男らしく、腰に帯をせよ。
お前に尋ねる。わたしに答えてみよ。
8お前はわたしが定めたことを否定し
自分を無罪とするために
わたしを有罪とさえするのか。
25お前はレビヤタンを鉤にかけて引き上げ
その舌を縄で捕えて
屈服させることができるか。

 神様の口から「ベヘモット」「レビヤタン」という獣の名前が出てきます。リビングバイブルではベルモットのことを河馬、レビヤタンは巨獣として表記されています。
神に対抗するのなら、陸の王者河馬と海の王者巨獣を手なずけることができるのか?と。
水の中に入って目と鼻の穴を出しているイメージの河馬ですが、縄張り意識が強く、陸上の走る速度30㎞/h、かむ力1000kg、最も強力な草食動物なのだそうです。
もう一つ、レビヤタンなる巨獣は、海の大怪物で、龍、鰐などと訳されています。
神様が語ったこの2つの生き物をヨブが認識していたということは、ヨブの生活の周りにこの生き物がいたか、その時代には生きていることがみんなに知られていたのだと思います。
 ただ、ヨブに問われているのは、この獣をお前は手なずける力を持っているのか?ということです。

※レビアタン(精選版 日本国語大辞典より)
〘名〙 (leviatāo) 旧約聖書の「イザヤ書」「ヨブ記」「詩篇」などに出てくる海の大怪物。日をのろう者と呼ばれ、龍、鰐などと訳され、また、アッシリア、エジプトなどの象徴としても用いられている。リバイアサン。
※旧約全書(1888)約百記「日を詛(のろ)ふ者レビヤタンを激発(ふりおこ)すに巧なる者これを詛へ」


イザヤ書15章

3巷で、人々は粗布をまとい
屋上でも広場でも皆、泣き叫び、嘆きくずおれる。
4ヘシュボンとエルアレは助けを求めて叫び
その声はヤハツにまで聞こえる。
それゆえ、モアブの武装した勇士も悲鳴をあげ
その心はおののく。
9ディモンの水は血に染まる。
わたしが、ディモンに災いを加え
モアブの難民とアダマの生き残りの者に
獅子を送るからだ。

 アダマの生き残りの者という表現が気になりました。
アダマとは、アダムの原語で、神様が土から人間を作ったという創世記の記述を思い出したからです。
土から創られた人間は、神様に鼻から息を入れられて生きるものになりました。ただ、土から作られただけのアダマは、肉体は動いても霊がなかったということなのかもしれません。神の息が入って、神様とつながる本来の意味の人間になったとも考えられます。
アダマの生き残りの者、
という時、神様とつながっていない土くれという意味にとれます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?