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『今、おまえたちはわたしの民だ』と言おう:聖書をめぐる旅 7/11

7/11(月)  
 預言者ホセアが神様から指示されたことは、姦淫の女と結婚せよ、でした。預言者とは、言葉を伝えるだけでなく、その生き方を通して神様の御心を現す者ですが、夫となったホセアの悲しさを感じます。


ホセア書1章

2最初に告げられたのはこうです。「遊女と結婚せよ。その女から生まれる子どものうちには、ほかの男が父親である子もいる。そのことは、わたしの民がわたしに対して不誠実であることを表している。彼らは他の神々を礼拝し、わたしを無視して、堂々と姦淫をしている。」
彼女はみごもり、男の子を産みました。 4-5すると、主は言いました。「その子をイズレエルと名づけよ。わたしはイズレエルの谷で、エフーが犯した殺人(Ⅱ列王10・11参照)に報復するため、エフー王家を罰しようとしている。
今度は女の子です。そして神はホセアに言いました。「その子をロ・ルハマ(『もうあわれみをかけない』の意)と名づけよ。
今度は男の子を産みました。 9そして神は言いました。「その子をロ・アミ(『わたしのものではない』の意)と名づけよ。
10それでも、イスラエルが栄え、大きな民となる時がくる。その日には、彼らは海辺の砂のように数えきれないほどの数となる。その時わたしは彼らに、『あなたたちはわたしの民ではない』と言わずに、『あなたたちはわたしの息子、生ける神の子どもだ』と言おう。

ホセア書2章

1「イズレエルよ、あなたの弟と妹の名を改めよ。
弟をアミ(『今、あなたはわたしのもの』の意)、
妹をルハマ(『あわれみを受けた』の意)と呼ぶのだ。
2あなたたちの母親を責めよ。
彼女はほかの男の妻になったからだ。
わたしはもう彼女の夫ではない。
姦淫をやめ、ほかの男たちに身を任せないよう、
彼女に懇願するがいい。
13彼女が自分の偶像バアルのために香をたき、
耳輪や宝石を身につけ、
わたしを捨てて、恋人たちを探し求めて行ったこと、
こうしたすべてのことのために、
わたしは彼女に仕返しをする。」
主がこう言うのです。
21-22その日、雨を降らせてほしいという
天の叫びに答えて、わたしは雨雲を呼ぼう。
すると地は、穀物やぶどうやオリーブの木の
求めに応じて、水分と露を供給する。
全地から、
『神が種をまいてくださる』(イズレエル)
という大合唱が起こる。
神がすべてを与えるのだ。
23その時わたしはイスラエル人という種をまき、
自分自身のためにそれを育てる。
『あわれみをかけられなかった』者たちをあわれみ、
『わたしの民ではない』者たちに、
『今、おまえたちはわたしの民だ』と言おう。
すると彼らは、『あなたこそ私たちの神です』
と答える。」

 ホセアという名前は「主は救い」という意味があるそうです。彼が遣わされたのは北イスラエル、時代は南ユダにイザヤが遣わされた時期になります。
彼の特徴は、なんといっても姦淫の女を妻にしなさいという結婚の命令です。姦淫することがわかっていて結婚し、生まれてきた子どもも自分の子どもでないというのは、人間的に耐えられるでしょうか?
彼が子どもたちにつけた名前はイズレエル(種を蒔く、散らされる)、ロ・ルハマ(『もうあわれみをかけない』の意)、ロ・アミ(『わたしのものではない』の意)。既に、名前から不貞の子であることがわかります。
何故、神様はホセアにこのような女との結婚を勧めたのか?
 私は、「未来完了形」という言葉を思い出しました。
神様は、この夫ではない者と姦淫を繰り返す女の回復を望んでいます。また、不貞の故に生まれた子どもの回復をも望んでいます。彼らには、そうなる前に、新しい名前を与えています。
 弟をアミ(『今、あなたはわたしのもの』の意)、
 妹をルハマ(『あわれみを受けた』の意)と呼ぶのだ。
また、次のように宣言しています。
 『あわれみをかけられなかった』者たちをあわれみ、
 『わたしの民ではない』者たちに、
 『今、おまえたちはわたしの民だ』と言おう。
 ホセアの妻ゴメルが象徴しているのは、神の元を去り偶像崇拝をしているイスラエル民族をさしています。夫である神様を捨てて、偶像のもとに走る姿は、姦淫の妻と同じです。そして、神様は裁かれる神であり、救われる神様であることがわかります。
 荒れ野で、再びゴメルを受け止めます。
 神様の方法は、先に名前を与えること、また先に結末を宣言することにあるように思いました。インマヌエルと宣言することは、最終的に神の元に人間が立ち返り、神様と共に歩む人間の姿をあらわしているのかもしれません。いずれにしても、この話を読んで同情するのは、ホセアであり、彼と同じ立場にある方が神様であることを、改めて思わされました。


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