百年後も、青い
歌川広重の「名所江戸百景」を原宿の美術館で見てきた。いまから160年前につくられたのが嘘のように、富士山の色合いや大胆な構図。濃淡なグラデーションの空がとても鮮やかだった。
超クール。
広重がしんで何百年もたつのに、浮世絵の空の青さはその発色を失うことなく美術館で輝きを放っていた。
浮世絵が現代科学で解明されると、ものすごい手間がかかっていたことがわかる。今なら「Photoshop」のツールをつかえばすぐにグラデーションができるが、江戸時代はそうもいかない。
外国人に大人気の北斎の作品「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」は7〜8枚の複数の版にわけて刷られている。一枚の浮世絵を作成するのに、ものすごい工程をかけてつくられている。
この作品には「ベロ藍」と呼ばれる人工顔料がつかわれ、目が覚めるように青い。刷り立ての浮世絵はどんな色だったのかな。長い年月をかけて風化してこんな色になったのか、とても気になった。
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