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〝観光客動態調査〟にみる由良町の観光

2006年に「観光立国推進基本法」が成立し、21世紀における重要な政策として位置づけられた観光産業。 

今回の記事では、和歌山県観光局が作成した「令和元年観光客動態調査」を元に、由良町の観光の特性を分析していきたいと思います。 


◆由良町への観光客は年間約14万人

2019年の1年間で、由良町には宿泊客数17,346人、日帰り客数122,225人の合計139,571人(前年度比82.09%)が観光で訪れました。 

これは県全体の総観光客数(約3500万人)の約4%となり、人口割合からすれば少ないといえます。(由良町の人口は県全体の約5.7%)

次に、観光客数の月別推移を見ると、4月から11月にかけて観光客が多く、冬場(12~3月)の観光客は少なくなっています。

また梅雨時期の6月と7月も落ち込みが見られますね。

次に目的別の分類では、観光施設への訪問が約半数(47%)を占めていますが、「風景・自然鑑賞」(8%)、「釣り」(8%)、「海水浴・川遊び」(4%)と、自然の中でのレジャーを目的とする人が多いことが分かります。 

春から秋(梅雨を除く)の時期が好まれるのも納得がいきますね。  

また由良町は、ビジネスホテル等に比べて旅館や民宿の割合が高いです。 

以上のことから、「春から秋にかけて、梅雨時期を避け、釣りや海水浴などを目的にやってきて、旅館や民宿でのんびり美味しい料理を味わう」という一つの観光モデルが浮かび上がってきました。


◆由良町の観光モデル

最後に、「宿泊客の発地別推計」、つまり令和元年1年間の宿泊客17,346人が、いったいどこからやってきたのかという調査項目を見てみましょう。

近畿1府4県と隣接する三重県は府県単位、それ以外はエリア単位で集計した結果、下記のとおりの結果となりました。  

なんと大阪府からの宿泊客がダントツで多く、全体の約6割を占めています。

和歌山県全体では大阪府からの宿泊客は30%に満たないくらいなので、この数字は特筆すべきものがあります。 

そして、和歌山県内からが3,894人、大きく差を開いて兵庫県、京都府と続きます。 

近畿地方以外では東海エリアが最も多いですが、三重県が0人なのは謎です。また関東や四国、九州・沖縄からも意外と来てくれているんですね。 

北陸や東北、北海道は結構少ない気がします。県全体で見てもこの3エリアは割合が低いようなので(それぞれ1.05%、0.69%、0.57%)、寒いところの人はあまり和歌山に来たがらないのかもしれません。

個人的には外国人が445人いることが不思議です。笑 


以上見てきたように、由良町は大阪府からの宿泊客がとても多く、距離的にもちょうどいいため訪れやすいのかもしれませんね。

由良町の観光の状況を知る上で、ぜひ参考にしていただければと思います。

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