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第54話 災害は他人事と思うなかれ「CANヌードル」
さて今日は変わったラーメンを食べてみたい。
カップめんではなく、缶入りのめんである。そう、非常食のラーメンだ。
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この商品を製造販売している光工業株式会社さんは昭和初期から缶や缶詰などの食品をつくっている広島県の企業だ。「救食シリーズ」として非常食品が発売されている。数種の雑炊とラーメンのラインナップだ。
通常の即席ラーメンの保存期間は6か月と言われるが、この「CANヌードル」は3年の長期保存が可能であることが特長だ。
以前、自治会行事で災害に関する研修があり、その際にいただいたものだ。ちなみに一般販売もされているらしいが店頭では見たことがない。
アマゾンの商品説明欄には中身よりも缶についてのアピールポイントがしっかりと書かれている。この辺はさすが製缶メーカーのプライドを感じることができる。
強度のある缶が、緊急時に中身を守ります。
お湯を入れても缶が持てる二重構造(特許取得)で熱くありません。
小さなお子様からご高齢の方まで、フタをとった後の胴体で手を切らない安全設計です。
スープを飲む時に缶に口をつけても熱くありません。
僕はカップ麺を買っては戸棚にしまい込むという習性を持っているが、実はこれ、防災上大切なことなのである。保存のきく食料をストックしておいて、古いものから順に消費して新たなストックを足していくことをローリングストックという。
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さてさて、防災上の重要性はよく理解したつもりではあるが、肝心な味はどうであろうか。それではさっそく食べてみよう。
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まずはプラスチックのフタをあけ、プルトップをあける。もちろん小袋などはなく、そのままお湯を入れて3分待つという、タテ型のカップめんと同じ感じだ。
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缶の内側には波型プラスチックの内筒が一体化しており、熱々の湯を注いでも熱が缶に伝わってこず、手に持って食べることが可能だ。
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まずはスープを一口。熱いのではないかと恐る恐る口をつけるが、その心配は全くなかった。日清のカップヌードル風のしょうゆスープだ。味はそれよりも少し薄めで優しい味がする。
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麺はカップヌードルよりも丸く細めだ。その割に口当たりの存在感はしっかりとしている。具はエビ、たまご、しいたけ、チャーシュー、ネギでまずまず量もあるのがうれしい。麺のボリュームも85gと少し多めで食べごたえはある。
これと言って強い個性はないが、万人が安心して食べられる安心の味だと思う。
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実際に被災して避難所などを使うといった経験はないのだが、そこでの生活は大変であることはよく見聞きする。そのような場でこのようなあたたかく、ボリュームのある非常食はさぞや安堵のひと時を与えてくれるものであろう。
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被災という非日常で不安な環境で、最も安心感を与えてくれるのは「食」であろう。それにボリュームがあり、且つ具材の多さはきっと多くの被災者の心を救ってくれるに違いない。
そんな被災者への心遣いを感じた商品だ。災害。他人事と思わずにきちんと備えておこう。
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