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【凸凹と歩む】凸凹次男の中学受験!受験して「よかった」3つの理由とは

「支援級や通級教室があるから、やっぱり公立中?」
「いや、ある程度融通のきく私立中?」
「中高一貫校は魅力よね」
発達障害のお子さんをお持ちの保護者の多くは、中学校選びに悩んでいるのではないでしょうか。

ASD(自閉スペクトラム症)に加え、小学校で不登校となっていた次男の進学先について、何年もかけて検討しました。その結果、彼は自ら中学受験を選ぶことに。
現在は休みながらも、希望した中学校に通っています。

中学受験をさせてよかったと言える理由や、どのように志望校を選んだのかなど、次男の中学受験の歩みをお伝えします。
これからお子さんの中学受験を検討される方のヒントになれば幸いです。

中学受験をさせてよかった3つの理由

【理由①】思春期に受験の不安を抱えずにすむ

ただでさえ、発達障害の子どもはいろいろと敏感です。思春期・反抗期に受験の不安が加わったら一体どんなことになるのか、私には想像もつきませんでした。
5歳離れた長男は、すでに中高一貫校に通っていました。高校受験をしなくてよい安心感と開放感の中で、のびのびと楽しそうに中学・高校生活を送っています。

長男を見て感じた中高一貫校の魅力には、

・先生の異動が少ない
・高校受験がない分、部活動ややりたいことに打ち込める
・6年という長い時間をともに過ごす仲間と、一生ものの友人関係を築ける

などもあります。

次男にも、6年間とにかく安心して過ごせる場所の確保が必要でした。
もしも、中学の3年間を過ごしながら、別の環境に行きたいと思ったなら変えればいい。
受験をせずに高校に進める安全カードを持てた安心感は大きいです。

【理由②】内申点を気にせずにすむ

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高校受験で避けては通れないものが、内申書です。
都道府県や高校によってさまざまなパターンがありますが、一般的には普段の出席状況や成績、部活動や生徒会などでどんな活躍をしたか、などを記した内申書が、入試の合否に大きく影響します。

お子さんを公立中に通わせている保護者に詳しく聞いてみると、次のようなことを総合的に見て「成績」、すなわち内申点が決まるのだそうです。

・授業のノートや課題(問題集やプリント)を提出したか
・提出物は指示通りにできているか
・提出期限は守れたか
・小テストの得点
・定期テストの得点
・授業中の態度 など


これは、無理だ。こだわりがつよく不登校傾向がある次男には、クリアできそうもありません。
百歩譲って、もし仮にこれをクリアしていくならば、次男の中学生活は内申点のためだけに苦労するものになることが予想されました。
多感な時期にそんな生活を強いるべき理由は、一つも思いつきませんでした。
内申を気にしなくていい中高一貫校
これで、日々の負担はぐっと減りました。

【理由③】自分にあった環境を選べる

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公立中学校でも、学区外の学校を選択することは可能です。
とはいっても、公立小学校で校長先生が変わるたびに、学校の雰囲気が大きく変わるのを見てきました。公立中学校もそうなのでは。だとしたら、今の中学校のようすを見て判断できるのでしょうか。

その点、私立中学校はスタンスがはっきりしています。途中でトップが変わることは少ない。不登校への対応もそれぞれの学校で違います。

それ以上に、学校によって大きく変わるものが ICT 環境です(ICT : Information and Communication Technology、情報通信技術)。
今、教育現場では「 ICT 教育」が進められています。
文部科学省が推進する「GIGAスクール構想」(GIGA : Global and Innovation Gateway forAll、全ての児童・生徒のための世界につながる革新的な扉)では、公立の小中学校でも児童生徒に各自1台ずつのタブレットやパソコンが渡され、学校の環境も整えられていくようでした。しかし、2020年度から順次用意されていくとはいえ、どのような授業になるのか、実際に始まってみないとわかりません。

一方、検討した私立中学校では、新型コロナウイルス感染拡大防止のための休校中にはもう、オンライン授業が導入されていました。
ほぼすべての教室にプロジェクターが設置され、先生のタブレットの画像が映し出されて、授業が進みます。生徒たちは、タブレットを使って授業に参加したり、課題を提出したり。
プログラミングや英語学習、数学などのアプリも使って、効率よく学びを進めていました。

次男の苦手なことの1つが「書く」ことです。家ではすでに通信講座でタブレットを使っていて、ノートに書く従来のスタイルよりも、タブレットの方が彼にとっては勉強しやすいことがわかっていました。

ICT環境が充実している学校でなら、発達障害があっても不登校でも、学べるのかもしれない。

この子にとって、最も学びやすい環境を選べた。
今は、そう思っています。

志望校の決め方

では、わが家ではどうやって志望校を決めたのか、その決め方を2つ紹介します。

【決め方①】いろいろな学校を見る

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長男の受験前にも、次男を連れてあちこちの中学校の文化祭を見て回りました。が、このときの次男は小学生になるかならないかという年齢。学校の雰囲気など見ているはずがありません。

そこで、次男が4年生になったぐらいから、あらためていろいろな学校の文化祭やオープンスクールに参加しました。次男には「自分がこの学校で過ごすようすを想像しながら見てね」と、学校の雰囲気や設備などを観察するよう促しておきます。

2020年度は新型コロナウイルス感染拡大防止のために、多くの学校で文化祭が一般開放されず、また、オープンスクール自体も回数が減ったり規模が縮小されたりしていたので、早めに準備を始めたのは結果的に正解でした。

いろいろな学校を見ると、比較ができます。
A中学校よりも、B中学校のほうがなんとなく好きだ。
C中学校は校舎が迷路みたいで、めまいがしそう。
D中学校は雰囲気が素敵!大学への推薦枠がある。でも、不登校対応は厳しい。
次男自身が、自分の基準で判断できるように、いろいろな学校のイベントにできるだけ参加していきました。

【決め方②】この学校に行きたい!を大切に

最終的に次男が受験を決めたのは「なんだかわからないけど、ここがいい」と感じたという中学校です。入試の過去問の傾向を見ると、ここなら次男でも対策できそうでした。
ここがいい、他は考えられないというので、それならと、他校を併願せず、専願での受験に絞ります。専願のほうが、少し成績の底上げをしてもらえるのも決め手でした。
それまで、ほとんど勉強らしい勉強をしてこなかった次男でしたが、行きたい学校を決めたあとは、すんなり受験勉強をはじめました
この学校に行きたい!という気持ちが、モチベーションを高めます。

受験に向けて親ができること

「中学受験は親の受験」ともいわれます。
受験に向けて、親に何ができるのかを考えてみましょう。

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【できること①】応援する

学校に通うのは、親ではなく、子ども自身です。
勉強するのも、子ども自身です。
親にできるのは、応援することだけ。大切なのは、その応援の仕方だと思っています。特に発達障害のお子さんの場合は、その子にあったやり方でなければ、動けないことも多いでしょう。
親にできる応援には、次のようなものがあります。


・衣食住の生活面を支える
・子どもが自分で選択できるよう、情報を伝える
・子どもが主体的に動けるよう、声をかける
 例)「何時になったら勉強する?」「今日はどこからどこまでやる?」
・その子に無理がない環境を用意する
 例)集団授業が苦手な場合、個別指導で対策する
・できなかったことではなく、できたことに注目する


お子さんが「これならできる」というやり方を取ることが、なによりの応援になると思います。

【できること②】失敗してもいいと伝える

もしも、失敗したら。そのことも考えました。
次男の場合、受験をしなければ小学校の勉強の総復習をする機会はなかったでしょう。それだけでも、進学に向けての大きな一歩となります。
そして、失敗を極度に恐れる特性がある次男にとって、公立中学校という場所が用意されている中学受験は、チャンスでもありました。
失敗してもいいよ。できるだけのことをやろう。失敗しても公立中学には小学校の友達もいるんだし。大丈夫、大丈夫」
何度か、そう伝えました。落ち着いて受験に臨むには、安心材料があったほうがよいのではないかと思います。

中学受験は自分の道を切り開く一歩

中学受験を通して、社会性に乏しい次男も、少しずつ世の中を見ていくようになりました。自分と学校、自分と人、との関係を考え始めるようになりました。
自分が自分らしくいられる場所はどこか
それを一緒に考えることができたのは、とてもよい機会でした。

実際には、中学に進んでからも次男の不登校傾向は続いており、今もまだ、不安はたくさんあります。
しかしそれでも、理解して見守ってくださる先生方と、温かい友人たちに囲まれ、「この中学校が好きだ」と言う次男を見ていると、今できる最善の選択をしたと思います。

自分で自分の道を切り開くはじめの一歩として、中学受験を考えてみるのもよいのではないでしょうか。

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