見出し画像

「口に関するアンケート」の感想 みんなに読んでほしい!! 山口幕府のざっくりカルチャー①

みなさん、背筋って人知ってますか?めちゃくちゃヤバいんですね、あの人。
僕は背筋が書いた「近畿地方のある場所について」が心のストライクゾーンど真ん中に刺さりまして、心のエンパイアが握り拳を握っているところでございます。

おそらく、大森時夫のテレビ番組が好きな人にはブッ刺さります。散りばめられた情報を集めていくとメチャクチャ気持ち悪いバッドエンドが見えてくるタイプのやつです。というか大森時夫を知っている人は多分背筋も知っていますよね。MISONOを知っていて倖田來未を知らないなんて事あるわけありませんから。例えが悪いですね。大森時夫も背筋も最高です。

さて、今回は今月新刊で出た「口に関するアンケート」についてみなさんにお勧めしたいと思います。マジで最高です。
まず知って欲しいのがこの本のサイズです。ゲームボーイぐらいしかありません。いやもっと小さいですね。デカめの山田孝之カードぐらいですか。より分かりにくくなってしまいました。
とにかく本のサイズから変なんですよ。これ、普通の本じゃないよ。って知らせてくれてるような。ほら、毒持ってるカエルが自ら毒持ってるから近づくなよって普通の色じゃないように。この本も僕達に警告してくれています。読んだら終わりだぞって。

では、軽く内容に触れていきますよ。あくまでも怒られない程度に、小声で話しますからもっと近くにきてください。
基本的に内容は肝試しに行った大学生が何があったかをそれぞれの立場から話し出す。そんな内容になってます。
あーそれぞれの立場から情報を組み合わせると一つの新事実が明らかになる系ね?ハイハイもう大体読めましたっと…とお思いのアナタ。最後まで聞け。せっかくつまみまで買ってきたんだから。
それだけじゃない。そこから一捻りも二捻りもしてる。マジでビックリさせられる。そしてメチャクチャ気持ち悪い(褒め言葉)
さて、どんな話かというと、ある心霊スポットの墓地にある「呪われた木」のふもとにはオバケが出ると噂があり、真夜中にそこに肝試しで大学生の集団が遊びにいきます。一人づつそこを通って遊んでいたところ、木のふもとに女の人を見つけます。オバケじゃないです。実体です。その女の人、素手で土を掘ってるんですよ。手を真っ黒にしながら。話しかけても何も返事せず「高くしないと。高くしないと。」と話していて。その女顔をこちらに向けると明らかにおかしい。首が普通の人より異常に長いんです。驚きのあまり動けなくなっていたら、その女が無表情のまま立ち上がってこっちを見ている。その瞬間、何故か山で一斉に蝉が鳴き出す。
…みたいなね。ゾッとしませんでした?こんな短い文章で!コスパ良すぎるだろマジで。
これはある登場人物1人の話ですね。これが五人ぐらい続きます。けど、その五人の話なんだか話が合わないんですよ。
このヤバい女が出たり出なかったり。木のふもと通ったり通らなかったり。これが後々トンデモ無い形で読者に把握させられるわけですね。何故こんなことになっていて、登場人物が一人一人出来事を話しているのか。

まぁ怒られずに話せるのはこれぐらいですかね…。ぜひ読んでみてください。超短編なのにめっちゃ読み応えあります。
ところで、みなさん呪いってどんな形でも伝播するって知ってました?それが絵だろうと、文字だろうと文章だろうと。どんな形でもあなたの中に実体を伴ってやってくるんです。
さっきの話。
僕の文章を脳内で音読してませんでした?
一斉に蝉が鳴き出すって文章のところ、あなたには脳内に蝉の声が聞こえませんでしたか?
これで僕の話はおしまいです。おつかれさまでした。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?