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失う前に、後悔する前に。

レイラちゃんのお店

この写真は二度と撮れない。1度しか行けなかったが好きな空間だった。

タイル

川越の民家の裏、隠れ家みたいな入口。
ドアに貼り付けられた小さなタイル。

その外観

川越で出会った同い年、レイラちゃんのお店は温かくて、彼女の作品が微笑んでいて、それはあまりにも優しい世界。

育った旅館には似つかないのに、不思議と帰ってきた感覚がした。

それはきっと、哀愁ある木造と彼女のキャラクターが起こした錯覚。

可愛い人形さん
いろんな姿の食器たち


同い年のレイラちゃんは、川越のラッパーさんの繋がりで出会った。1度撮影させてもらったことがあり、その日Instagramを交換してから、しばらく彼女の活動を追っていた。

投稿している映画や音楽などの視聴コンテンツもだが、オリジナルのハンドメイド作品や被写体などの主体的な活動も行っていた。そして、カフェを営んでいることを知り、足を運びたくなった。

2階の風景
2階の風景

実際に訪れると、自分の心が震える世界観が在った。


大好きな青葉市子さんのレコード、山口は満足だった。

アダンの風のレコード

昼食は彼女の手作りメニュー。これもどこか懐かしい味。

レイラちゃんの手作り料理


この場を堪能し、仕事をして帰宅した。また、ゆっくり訪れよう。呑気に群馬に戻った。


しかし、二度と訪れることはできなかった。

隣の飲食店の火が移り、燃えてしまったらしい。

行けない場所になってしまった。

火事なんて予想もできなかった。いや、できるはずがない。

事故も病も災害も別れも、死も。それは突然やってくるのだ。燃えたレイラちゃんのお店。私の手元に残ったのは、少しの記憶と写真たち。

アクセサリー達はどうなってしまったのだろう。その行方は分からないけれど、美しいと思った彼女の作品を写したのは正解だった。

SOUMATOUのきっかけでもあるが、目の前の日常ですら突然失えば必ず後悔する。誰でも撮影できる現代、別れが来る前に思い出を記録しないか。


後悔する前、戻れなくない前に、大切なものを撮りつづけて欲しい。

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