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一番の宝物について語る。


アニメAngel Beats!で流れる『一番の宝物』が大好きだ。何度聴いても、切なくて、辛くて、どうしようもない感情になる。

特に好きなのはYui ver.なので、ユイの歌唱パート担当であるLISAさんが歌っている。

Yui final ver.は、歌い出しから、作中で流れる10話を思わせる内容となっている。

顔を合わしたら喧嘩してばかり
それもいい思い出だった

きみが教えてくれたんだ もう恐くない
どんな不自由でも幸せは掴める だから

一番の宝物 (Yui ver.)


日向の言葉で満足して消滅したユイ。現実の世界の彼女は、身体が不自由で病室で暮らす日々だが、それでも日向は「結婚してやんよ」と伝えた。

ひとりでもゆくよ 例え辛くても
きみと見た夢は 必ず持ってくよ
きみとがよかった ほかの誰でもない
でも目覚めた朝 きみは居ないんだ

一番の宝物 (Yui ver.)

歌詞から分かるのは、ユイが"きみと見た夢(2人で過ごす人生)"を必ず現実世界へ持っていくと決意する。

でも、目覚めた朝。悲しいことに日向は居ない。

最終話で、音無と立華が転生したような描写があったよう、消滅した後もきちんと現実世界に戻れる。しかし、日向は居なかった。

ひとりでもゆくよ 死にたくなっても
声が聞こえるよ 死んではいけないと
例え辛くても 寂しさに泣いても
心の奥には 温もりを感じるよ

一番の宝物 (Yui ver.)

どんなに辛くて、死にたくなっても、「死んではいけない」と声が聞こえ、温もりを感じる。

会えなくてとも日向の声が、心が落ちたユイを救っているのが分かる。

巡って流れて 時は移ろいだ
もう何があったか 思い出せないけど
目を閉じてみれば 誰かの笑い声
なぜかそれが今一番の宝物

一番の宝物 (Yui ver.)

この曲の最後の歌詞です。

時は移ろい、当時の記憶はもう思い出せない。

それでも、目を閉じたら誰かの笑い声がする。それがユイにとっての一番の宝物。

歌詞だけでは、退院したのか何も分かりませんが、日向と再会はできていなそうだ。


少し戻って、この下は現実世界で目覚め「きみは居ないんだね」と日向が居ないことを受け入れた後の歌詞。

ずっと遊んでれる そんな気がしてた
気がしていただけ わかってる
生まれてきたこともう後悔はしない
祭りの後みたい 寂しいけどそろそろ行こう

どこまでもゆくよ ここで知ったこと
幸せという夢を叶えてみせるよ
きみと離れても どんなに遠くなっても
新しい朝に あたしは生きるよ

一番の宝物 (Yui ver.)


"きみと離れても”"新しい朝に生きる"というフレーズから、彼女は日向と二度と会えないかもしれないという現実を、しっかりと受け入れたのかもしれない。

Angel Beats!の外伝で分かるが、あの世界の高校生は同じ時代から来た者たちではない。立華と音無は偶然にも同じだったが、中には椎名のように遥か昔に生きていた人物もいる。

多くの視聴者が受け入れたくない現実だが、日向とユイが、同じ時代に、近い年齢で生きていない可能性だってある。

仮に、日向とユイが絶対に会えない状態だった時、日向を待ち続けることが彼女の本当の幸せなのか?

私は時が経ち、気持ちの整理が付いたならば、過去に囚われないで前を向くことが彼女の幸せなのだと思う。

『ずっと遊んでれる そんな気がしてた
気がしていただけ わかってる』
『祭りの後みたい寂しいけどそろそろ行こう』
『どこまでもゆくよ ここで知ったこと
幸せという夢を叶えてみせるよ』


この歌詞はらユイが自ら判断し前に進んでいる。

それは、日向を待つことをやめ、歩みだしたのか。
退院し、自らの足で歩みだしたのか。

それは分からないが、人生を前向きに生きていることは描写されている。

最後の歌詞で分かるのは、二度と会えなくても、思い出も忘れてしまっても、彼女の中で日向は生き続けることだ。

目を閉じだ時に、聞こえてくる笑い声。

人生に救いを、希望を、歩みだすまで「死んではいけないと」声をかけつづけてくれた人物の声。

いつまでも、それが彼女にとっての1番の宝物なのだ。

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