山口製作所は3,000点以上の自動車部品を作っているらしい。
こんにちは!山口製作所です。
これまでに7つの記事を投稿してきましたが、自社製品については最初の投稿で少し触れただけで、詳しくお話ししておりませんでした。
そこで今回は、私たちがどんな製品を製造しているのか、改めて皆様にご紹介したいと思います!
自動車業界の階層構造について
具体的な製品の説明に入る前に、自動車業界の階層構造についてお話しします。
自動車業界には複雑なサプライチェーンが存在し、多くの企業が協力して1台の車を作り上げています。
サプライチェーンは大きく分けて、メーカー、Tier1、Tier2、Tier3…といった階層に分類されています。下の階層に位置する企業が、上の階層に部品を供給し、最終的に自動車メーカーに部品が届くという仕組みになっているのです。
私たち山口製作所は、このサプライチェーンの中でTier 2に位置しています。
ランプ周りやエンジン周りの細かい部品を製造し、Tier 1の総合部品メーカーに提供しています。
山口製作所の代表的な3品目をご紹介!
当社では約20品目の製品を製造しています。
それぞれの製品には様々なバリエーションやサイズがあり、それらを合わせた部品の総数は3,000点を超えます。
その中で、多く生産し、当社の柱となっているものが3品目あります。
今回の記事では、この3品目に絞ってご紹介させていただきます。
①ヘッドランプの照光調整ギア
まずご紹介するのは、ヘッドランプの照光調整ギアである「アジャスティングスクリュー」です。
これは、ヘッドランプを車体に取り付けた際に配光を調整する、重要な部品です。
ヘッドランプは製造時に、車両毎にすべて同じ形状で作られ、照光の向きも統一された設定で量産されます。
しかし、実際に車体に取り付けて使用する際には、タイヤの大きさの違いなどから、個々の車体の高さに応じて照光を調整する必要があります。
例えば、予想よりも車高が高い場合、ランプが車両の遠くを照らしてしまい、近くを十分に照らすことができませんよね。
そこで活躍するのが、このアジャスティングスクリューです。
ヘッドランプの裏側に取り付けられ、回転させることで照射角度を細かく調整できます。
つまり、アジャスティングスクリューは、車両に合った最適な照明を提供し、車の安全性を支える重要な役割を果たしています。
頻繁に使用されるものではありませんが、小さなこの部品のおかげで、私たちは暗い道でも安心して運転できるのです!
②ヘッドランプ用のソレノイド
2つ目にご紹介する製品は、ヘッドランプ用の「ソレノイド」と呼ばれる部品です。
ソレノイドは、電磁石の一種で、コイルに電流を流すと鉄芯が直線運動をします。
コイルと鉄芯(プランジャ)があり、コイルに電気が流れると磁力が発生し、その磁力がモノを動かすための動力として使われています。
当社のソレノイドはヘッドランプに使用されており、ハイビームとロービームの切り替え時に活躍しています。ソレノイドが発する動力により、ヘッドライトの内部で遮光板が動き、ハイビーム、ロービームを切り替えることができるのです。
ソレノイドは1つの電球に1つ付いています。
したがって、レクサスのように左右に3つずつランプが付いている車には、合計6つのソレノイドが使われているのです。私はそれを知ってから、レクサスを見かける度に、「あの車、ソレノイドが6個付いているんだな」と意識するようになってしまいました(笑)
ちなみに、ソレノイドはランプ以外にも、さまざまな場所で使用されています。
例えば、シートベルト。急ブレーキをかけたとき、シートベルトがぐっと止まりますよね。それにもソレノイドの磁力が発揮されているそうです。
ソレノイドは幅広く活躍してくれる、重要な製品なのです。
③直接燃料噴射器(DI)
3つ目は、直噴エンジン(Direct Injection Engine)、略してDIをご紹介します。
DIの説明に入る前に…
そもそも、エンジンの構造をご存知ですか?
自動車のエンジンは、燃料を燃焼させて動力を生み出します。
一般的な内燃機関のエンジンは以下のような部品で構成されています:
・シリンダー: 燃焼が行われる場所。通常、複数のシリンダーが並ぶ。
・ピストン: シリンダー内を上下に動き、燃焼の力を機械的な力に変換。
・クランクシャフト: ピストンの上下運動を回転運動に変え、車輪に動力を伝える。
・バルブ: 空気と燃料をシリンダーに取り入れ、燃焼後の排気ガスを排出。
・燃料インジェクター: 燃料をシリンダー内に噴射する装置。
エンジンは、燃料と空気をシリンダーに取り入れ、燃焼させ、その力でピストンを動かし、車を走らせるという仕組みなんです。
当社が製造するDIは、燃料を直接シリンダー内に噴射する方式のエンジンのことを指します。1990年代に誕生、量産化が始まりました。
それ以前のエンジンでは、燃料と空気を混ぜた混合気をシリンダーに送り込んでいましたが、直噴エンジンは、燃料を直接シリンダーに噴射することができます。
この方法により、以前に比べて、燃料の霧化(微細な粒子に分散すること)がより効果的になり、燃焼がより完全に行われるようになりました。
結果として、エンジンのパワーが増し、燃料消費量が減少し、燃焼効率が大幅に向上しました。
また、燃料効率が上がることで、小さい排気量のエンジンでも高出力を生み出せるようになり、エンジンのダウンサイズが可能になりました。車の軽量化にも貢献しているのです。
つまり、DIは、より経済的で環境に優しいドライブを実現し、自動車の性能向上に大きく貢献している製品なんです!
まとめ
今回は、山口製作所の代表的な製品を3種類ご紹介しましたが、当社がどのような製品を作っているのか、少しでもイメージしていただけたでしょうか?
当社の製品は小さな部品ですが、その役割はとても大きく、自動車に欠かせない存在です。
あの大きくてカッコ良い車も、こうした小さな部品の働きによって動いているのです。
そして実は!国内すべての完成車メーカーで、当社の製品が使用されています!多くの自動車を支えており、皆様の車にも当社の製品が使われている可能性が高いのです。
製造技術や使用素材については、また別の記事で詳しくご紹介する予定ですので、どうぞお楽しみに!
それでは、また次の投稿で〜