「雨の日が好き」他(第10号・2002年6月7日発行)
--------------------------------------------------------------
---◇ 山口“悟風”智・作「おかあさんへの手紙」◇--------------
--------------------------------------------------------------
------------------------------ 第10号・2002年 6月 7日発行 ----
--------------------------------------------------------------
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
☆今週は、5年生トラック
1981年度北海道富良野市立鳥沼小5年学年通信「つながり」より
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★雨の日が好き
“私は、「雨が好き」”と書くと、何か少女趣味みたいに感じるし、今日出かけた修学旅行団の人達に叱られそう——。
でも、ビートや玉ねぎや人参や、じゃがいもには恵みの雨。“雨 雨 降れ降れ もっと降れ”と歌いたいぐらい。
雨は、金持ちにも、貧乏人にも、都会にも、田舎にも、山にも、海にも、「平等」に降るから好き。
太陽は、その光が強ければ強いほど、明るければ明るいほど、その「影を濃く暗くする」……。皆に、何にでも「平等」には照らない——。<から「キライ」とは書きませんが>
農業は、「品種改良」「土壌改良」「肥料の研究」「機械の利用」「作付の工夫」とたいへんな勉強が必要。でも何よりも大切でむずかしいのは、「農業気象学」の勉強だと私は思うのです。
“天気だけは、どうにもならねェや”といわずに、雨の日に「気象」の「お勉強」などいかがですか? それがプロというものです。
(1981年5月25日)
--------------------------------------
★81年ぶりの寒さ
81年ぶりとかの「寒さ」。80才の人にも経験のないこと——。「たいへん」なことです。「寒さ」には強い筈(はず)の牛が何百頭も死傷。“今年コソハ”の「夢」をかけた「作物」も、思ったようには育ってくれない——。
「農業」は「国」の礎(いしずえ)。何はなくとも、食べるものさえあれば、人間は生きていける。人間のあらゆる営(いとな)みは、「食べていく為へ」の営みといったらまちがいでしょうか。
科学も 文化も 芸術も スポーツも 「酒」も「カラオケ」も万才も落語も、そしてパチンコやルービックさえも、腹が減って、明日食(く)うものが「ナイ」時にはどうなるのでしょう。
お母さん、あなたは、そんな重大な、「人間の生死の鍵」を握る最高の職の「プロ」なのです。
「寒さ」にめげず、ふんばって下さいね。「タノミマス」。
(1981年6月2日)
--------------------------------------
★うんどうかい
うんどうかい
いかがでしたか。
五年生として
ほんとうに立派にできたでしょうか。
応援ありがとうございました。
雨と くもり の 日ばかり
カラッと 晴れてほしいですね。
学級の畑 ごらんになりましたか。
秋の実 とるがま丶 となるよう 祈りながら
今日 草(くさ)むしりをしました。
(1981年6月12日)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
☆来週は、6年生トラック
1982年度・富良野市立鳥沼小学校6年学年通信「つながり」より
山口“悟風”智のプロフィールは、
http://plaza.rakuten.co.jp/gofu63/profile/
をご覧下さい。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆編集後記「千鳥足」◆
地球温暖化の影響が言われて久しいですね。今年は、特に暑いようです。これを書いている2002年6月7日午後1時過ぎの段階で、私のいる大阪は31度だそうです。暑いはずです。
悟風が「★雨の日が好き」「★81年ぶりの寒さ」を書いたのは、1981年です。1900年以来の寒さだったのですね。5月末から6月、7月と言えば、「内地」(北海道弁で「本州、四国、九州」の総称)では、梅雨直前から真っただ中ですが、北海道では、ストーブをたくこともあります。おそらく、この年は、6月ごろにもストーブを使っていたのでしょう。
温暖化の影響は、北海道にも確実に及んでいると感じます。私が風連中央小の1年生か2年生だったころ、ゴールデンウィークのころまで道路に雪が残っていたことを記憶しています。中学生、高校生のころには、5月に雪があったことはありません。残っても4月初めまででした。
1981年の場合、4月、5月に雪は降らないまでも、相当の天候不順だったのでしょう。
文中にある「ルービック」と聞いて、懐かしいと思った方も多いでしょう。「ルービックキューブ」というサイコロ型のパズルで、六つの面がそれぞれ白、赤、青、緑、黄、オレンジに塗られていました。一つの面が九つのパーツに分かれており、まず1面、次に2面・・・・・・と揃えていき、6面すべてを揃えることが出来たら、友人や家族に、ちょっとした自慢が出来るものでした。
大ブームになった1980年。わが家にも1個のルービックキューブがやってきました。当時中学3年生だった私は、受験勉強の合間によくやりました。81年3月にあった高校入試の日にも、受験会場に持って行ったほどです。そのころは、6面揃えるのは時間の問題で、それだけでは面白くなかったので、全面、格子模様や十文字などを作って遊んでいました。
インターネットで調べてみましたら、攻略法を紹介するサイトがありました。登場から20年以上経って、今も人気があるというのは、息の長いおもちゃですね。
「★うんどうかい」を読んで、「もう終わったの?」と、驚いた方もいらっしゃるかもしれません。北海道の小中学校では、通常、運動会は6月で、夏休みと冬休みは25日間なのです。先ほど、NHKがテレビニュースで、大阪の高校でも今月、運動会をやるところがあると放送していましたが、たいていは10月ですよね。北海道で10月といえば、そろそろ初雪が降る季節なのです。
(発行者・山口一朗)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■発行者: 「悟風の書斎」管理人・山口一朗
yamaguchi_gofu@yahoo.co.jp
「悟風の書斎」http://www.asahi-net.or.jp/~jh2i-ymgc/gofu.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
※トップの画像は、「鳥沼公園」makieniさん撮影。
鳥沼小学校に近い公園で、この写真は「photoAC」https://www.photo-ac.com/ よりご提供いただきました。ありがとうございました。
■「おことわり」
☆明らかな間違い以外は、基本的に筆者・山口“悟風”智が書いたまま載せています。
また、先週公開した分で2002年に公開していたオリジナルのメールマガジンと同じ日付(5月31日)に追いつきましたので、今週からは、22年前と同じ日付で発行した分のみ公開していきます。(編集者・悟風のムスコ)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?