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【009】朝日新聞 長居&舞洲の「現場へ」!

■転職4日目。「長居障がい者SC いちろーさま」って!

 そのメッセージが来たのは、転職4日目でした。X(旧Twitter)メッセンジャーを開くと、

長居障がい者スポーツセンター 山口一朗さま

 ご無沙汰しております。新しい職場で、ご活躍が始まりつつあると推察いたします。メールが配信不能で返ってきてしまい、こちらから失礼いたします。

 あっ! 転職のあいさつメール。自分のアドレスを書き間違えてお送りしてしまった何(百)人かのお一人だ! ご迷惑かけてすみません!(それにしても、人生の転機に自分の連絡先を間違えて書くなんて、大木こだま師匠なら「そんな奴おれへんやろ〜」ってツッこむわなあ。すんません。ここに、おりましてん! 我ながら、往生しまっせぇ〜!)

 パソコン画面に赤面してしまいながら、続くメッセージを読みました。

 さて、この7月を待っていたかのように、ご相談があります。「障害者専用スポーツ施設における専門職」の方々の活動を通して、障害者スポーツの「今」を見つめ、普及への「課題」を探る連載記事ができないかと考えています。

 おお! 取材か! えっ、連載記事! これは、ありがたい!ーーと、私は、メッセージの送り主を、きちんと確認しないまま、読んでいたことに、ここで気付きました。


 転職されていきなりの甘えたオファーで恐縮ですが、ご検討いただけましたら幸いです。
朝日新聞・中小路徹

 あ、中小路さんだ! まだ20世紀だったころ、中小路記者とは、同業他社ながら、同じ「大阪本社」で、同じスポーツを取材する部署にいました。中小路さんはサッカーの担当が長いと記憶しています。ただ、私がサッカー・Jリーグの担当だったころとは少しずれがありました。Jリーグの試合会場でないとしたら、初めてお会いしたのは、たぶん、阪神甲子園球場。高校野球取材でしょう。大阪在勤のスポーツ記者なら、ほぼ全員が駆り出されるからです。
 21世紀になる直前、私はスポーツ取材の部署から離れました。なので、中小路さんとも取材現場でお会いすることはなくなりました。
 ただ、私が東京で勤務した時、朝日新聞社が有楽町で開いたパラスポーツのシンポジウムで中小路さんがコーディネーターを務められたことがありました。取材部門の所属でもなかったので、私は「一般人」として、そのシンポを聞きに行きました。それと、スポーツを研究する大学の先生らが開くオンラインの勉強会の存在が、大きかったかもしれません。ある先生を通じて勉強会に私が呼んでもらえたことがあり、その場に中小路さんもおられたのです。こうして、再びつながったことが、今回のオファーになったのでしょう。

■一期一会からのありがたいご縁

 実際に会った瞬間と、その後の経緯を考えれば、おそらく一期一会の関係だったはずです。それが、たまたまオリパラと、その後のコロナ禍がもたらしたオンライン社会がつないでくれたといえます。「ありがたいご縁だなあ」と思いながら、私は少し慌てて、でも、ワクワクしながら、返信を書きました。

 こんばんは。山口一朗です。メールが戻ってしまったとのこと、申し訳ありませんでした。アドレスを書き間違えて(転職あいさつを)送ってしまったケースが一部あり、中小路さんで4人目のご指摘でした。大変失礼しました。にもかかわらず、今回のお申し出、ありがとうございます。

■企画タイトルは「現場へ」! 東京から取材に来てくれる!

 中小路さんとはオンラインでの打ち合わせや、メール、X(旧Twitter)のメッセージなどを通じて連絡を取り合いました。同時並行で、私は職場の社会福祉法人や、長居舞洲両スポーツセンター内で「朝日新聞の記者から取材の打診があった」と情報共有しました。朝日新聞さんの計画では、5回連載の予定で、東京都障害者スポーツ協会の「東京都障害者総合スポーツセンター 」「東京都多摩障害者スポーツセンター」からも数人を取材するとのこと。「長居と舞洲からは、計2人のパラスポーツ指導員、かつ男女1人ずつを紹介してほしい」との依頼でした。

■長居の若手男性指導員、舞洲の中堅女性指導員を取材候補に

 私たちのスポーツ指導員が所属する部署は「指導課」といいます。長居と舞洲にそれぞれあります。もちろん、館長、副館長、事務部門などとの調整も必要ですが、まずは、通常の勤務時間の中で、指導員が取材に応じられるかの調整が必要です。長居と舞洲の指導課と連絡したうえで、長居からは正職員になって1年目の井上湧介指導員、舞洲からは、中堅の七田幸子指導員がノミネートされました。井上、七田両指導員とも連絡し、取材には、私も同席することになりました。

朝日新聞の中小路記者(右手前)の取材を受ける七田指導員(左奥)=大阪市舞洲障がい者SCで

■きっと、同席しなくても、大丈夫だったなあ。

 取材に同席していて思ったのは、「さすが、スポーツ指導員だな」ということです。井上、七田両指導員とも、日常的に多くの利用者の方々と接しています。話すのがたいへん上手で、中小路記者の質問に対してポイントを的確に突いた回答を続けているのです。スポーツを指導する際、指導員は常に対話を大切にしています。今やろうとしている運動の狙いや効果を伝えたり、動きを改善し、上達させるために必要なことを考えて話したり。利用者さんには、お年寄りもいれば、小さな子もいます。話すのが得意な人もいますが、苦手な人もいます。その人たちそれぞれに、自分の言葉で、相手が理解しやすい方法で、話したり、動きを見せたりするのが、スポーツ指導員にとって、仕事の大きな部分でもあります。中小路さんから「長居、舞洲から1人ずつ」との要望があり、両スポーツセンターの指導課から推薦を受けただけはあります。 
 元新聞記者だからという理由で取材同席した私でしたが、いなくても全く問題なかったと感じました。むしろ、「ここにいない方が、二人とも自由に話せて、良かったのかも」とも思っていました。

七田幸子指導員=大阪市舞洲障がい者スポーツセンターで

■記事は、朝日新聞夕刊に11月27日から5日連続で掲載

 5回連載の記事は、2023年11月27日(月)から朝日新聞夕刊で掲載されました。大きく分けて、東京都内の障がい者スポーツセンターが3回、大阪市の長居、舞洲両SCで計2回の掲載でしたが、東京の回で紹介された1人が、かつて舞洲で指導していたことのある指導員でした。その記事を読んだ舞洲の指導員からは「Y指導員だ。舞洲にいたんですよ」と声が上がりました。
 記事の内容は、パラスポーツ指導員の仕事を丁寧に追って書いてくださっていました。専門家にも取材していただき、スポーツ指導や支援、利用者の方々の障がいに対する知識や対処の経験など、パラスポーツ指導員の守備範囲がたいへん広いことを書いてくださいました。加えて、全国の現場で人員不足に悩んでいることなど、直面している課題にも、しっかりと言及していただきました。たいへんありがたい連載記事でした。

井上湧介指導員=大阪市長居障がい者スポーツセンターで

■記事は、下のリンクからお読みください!

 「そんなにいい記事なら、ここで読ませてよ!」というリクエストがあるかもしれません。しかし、私たちには、それは、できません。新聞記事は、全て新聞社に著作権があります。私が新聞社に勤めていた時に書いた記事も、著作権は私が当時所属していた会社にあります。詳しくは、「新聞著作権に関する日本新聞協会編集委員会の見解」お読みいただきたいと思います。新聞記事を写真に撮って、SNS等に載せているものを時々見ますが、その記事を掲載した新聞社が載せているケース以外は、全て新聞社の著作権を侵害することになります。なので、このnoteでは、今回の連載記事へのリンクを張るだけにしておきます。リンクは、この投稿の最下部に載せてあります。

■長居、舞洲では、常勤の臨時職員を募集中!

 中小路記者ご執筆の記事にも書いてあるのですが、重い障害のある方も、スポーツを楽しむことはできます。ただ、その人員の整備が十分ではないのも事実です。
 その状況を改善するためにも、長居、舞洲の両SCは、常勤の臨時職員を今、募集中です。
ご興味のある方は、ぜひ、下のリンクをクリックしてください!!
長居障がい者スポーツセンター 令和6年度 スポーツ指導補助員募集
舞洲障がい者スポーツセンター 令和6年度 スポーツ指導補助員募集


■朝日新聞「現場へ」掲載記事(※これらは有料記事です)

第1回 東京パラのレガシー「普及」 その入り口を支えるパラスポーツ指導員

第2回 日常にない刺激をここで 重度障害者を支えるパラスポーツ指導員

第3回 パラスポーツ指導員はスーパーな存在!障害特性見極め、競技アシスト(※井上、七田両指導員の登場回)

第4回 来たれ!パラスポーツの審判、ボランティア 支える側だって楽しめる

第5回 高い専門スキル、もっと高い社会的評価を パラスポーツ指導員の現状(※七田指導員の登場回)

■【参考資料】以下は、毎日新聞ウェブサイトより。いずれも、いちろーの執筆した記事ですが、著作権は毎日新聞社にあり、どちらも有料記事です。

毎日フォーラム・パラスポーツ「障がい者スポーツ指導者資格」(2019/10/10)

障がい者スポーツ 中級指導員養成講習会を受講 貴重な4日間の体験(2015/12/3)