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「人材紹介ビジネス」の価値の行方を考える上で大事なこと

もう5年も前になる。
こんなnoteを書いた。

はじめて書いたnoteにしては割と読まれたので気を良くしたのを今でも覚えている。軽くバズった。単純な私は案の定、調子に乗ったw

そして今、ひさびさにnote書いてみようと思った。だけど書いている途中に気づいた。スーパー長い。

なので、人材紹介ビジネスの価値の行方については書くことを早々に諦めた。人材ビジネスの価値については各社それぞれで考えてもらうことにして、その前提となる超絶当たり前のことを声を大にして書いていこうと思う。

もしそれぞれの価値についてディスカッションしたい!と思う経営者の方がいたら、どうぞお気軽に呼んでください。一緒に考えましょう。

ということで、人材ビジネスの今後を考える上で超絶当たり前のことを書いていきます。数字でちゃんと理解することが大事だと思う今日この頃です。

目次!

1、まだまだ増えている人材紹介業
2、人口がめちゃめちゃちゃ減っていくことを数字で把握しよう
3、おまけ① 確証バイアス、生存者バイアスに気をつけろ
4、おまけ② 人口動態(日本、世界)
5、最後に

1、まだまだ増えている人材紹介業

おいらが人材紹介ビジネスを始めたのは平成14年(2002年)、当時の事業所数は6441に対して、その20年後となる2022年の事業所数は28740。つまり約4.5倍に増えた。すげー。

下の図は厚生労働省発表のものです。一応気をつけて欲しいのは会社の数じゃなくて、事業所の数の推移です。人材紹介業は少人数で営んでいるところがほとんどなので、事業所数≒事業社数となります(もちろん多少減りますよ)。

2022年(令和4年)の段階で3万事業所まであと144社のところまで来ています。令和5年には確実に人材紹介の事業所数は3万社を超えてきそうです(データなかったから知らないけど)。


2、人口がめちゃめちゃちゃ減っていくことを数字で把握しよう

これが今回のメインテーマ。
日本の人口、特に働いている人数の推移をなんとなく知っている人がほとんどだと思うけど、ちゃんと数字として知っている人は意外と少なそうな気もしたので引用しちゃうぜ。(引用元はこちら

厚生労働省によると、、、
労働力人口とは「15歳以上の人口のうち、就業者・完全失業者の合計」を指す。生産年齢人口(15歳以上64歳以下の人口)と異なり、働く意思や能力のない者(学生、専業主婦など)が除かれているので、社会の支え手となりうる者と捉えられる。労働力人口は、戦後ほぼ一貫して増加してきたが、

まず年齢で分けた人口推移を見てみましょう。
下記でわかるのは労働人口ではなく生産年齢人口です。

リクルートワークス研究所の記事より引用

キレイな右肩下がりですねー。
上記は単なる年齢における区分、つまり生産年齢人口ってやつです。
一方、総務省の発表によると昨年2023年の就業者数は6667万人らしいです。

以降、早速調べるの面倒になってきたので大体の数字でやっていきます。

2023年の生産年齢人口が大体2020年と2025年の真ん中なので7340万人、そのうち就業者は上の総務省発表の6667万人。これは生産年齢人口の約90%となります。
つまり、生産年齢人口:就業者数=100:90っていう関係になります。

で、その比率をそのまま未来の就業者数に転用するとこうなる。

2023年の就業者数は6667万人
2025年には6453万人 (2023よりマイナス214万人)
2030年には6187万人 (2023よりマイナス480万人)
2035年には5844万人 (2023よりマイナス823万人)
2040年には5380万人 (2023よりマイナス1287万人)

15年後に1287万人とか減るんですよー!!!やばい、想像以上に多い。
世界人口80位のベルギーの人口が1200万人弱なので、国が一個消し飛ぶくらい減ります。同じく九州地区の人口が約1300万人なので、九州に住んでいる人が全員いなくなるレベルです。わぉ!

ちなみにここから先は単純な数字遊びです。
2022年の人材紹介サービスを営む事業所数(28740事業所)を最大値に、人口推移の割合をもとに比例させてみるとこうなる。

2022年は28740事業所
2025年には27817事業所 (2022よりマイナス923事業所)
2030年には26670事業所 (2022よりマイナス2070事業所)
2035年には25192事業所 (2022よりマイナス3548事業所)
2040年には23192事業所 (2022よりマイナス5548事業所)

わー!
あくまで数字遊びなので、といいたいところですが、さすがにゲロ吐きそうな数字ですね。。。これにAIの発展とかが加わると、未来は明るい訳ないよねっていうのが大方の見立てというか、僕の見立てです。ここまで最低シナリオを描いておけばあとは戦争とか天災とか起こらない限りはさらなる下振れすることはないと思うのです。

おまけ① 確証バイアス、生存者バイアスに気をつけろ

Wikipedia先生によるとそれぞれの意味はこんな感じです。

確証バイアス(かくしょうバイアス、英: confirmation bias)とは、認知心理学や社会心理学における用語で、仮説や信念を検証する際にそれを支持する情報ばかりを集め、反証する情報を無視または集めようとしない傾向のこと。認知バイアスの一種。
生存者バイアス(せいぞんしゃバイアス、英語: survivorship bias、survival bias)または生存バイアス(せいぞんバイアス)とは、何らかの選択過程を通過した人・物・事のみを基準として判断を行い、その結果には該当しない人・物・事が見えなくなることである。選択バイアスの一種である。

なんでこんなことを書くのかっていうと、、、
現在、日経平均はめちゃめちゃ高い。日系大手企業の業績もすこぶるいい。企業の採用もまあまあ多い。人材紹介事業は好調!景気が良い!今後も安泰!って脳内はなっている人は少なくないはず。
だけど、目の前にある約束された未来の数字をしっかり見ると、未来は確実に明るくはないことに気づく。だって人口減るんだもん。

人はいつだって「自分(達)は大丈夫だ」って思いたがる。最悪な事態はあくまで最悪な時だけなわけで、まさか自分に降りかかってくるとは思っていない。
ってのはダメよ、特に経営者の人は。最近ちゃんと理解していない人が何人かいたので小さめな警笛を鳴らしてみました。

4、おまけ② 人口動態(日本、世界)

こちらは図を貼りつつ、少しだけコメントを書く程度に。
図はあえてコメントが書いてあるやつをピックアップしました。
ネタ元は世界はこちら、日本はこちらです。


読売新聞オンラインより

世界人口はとりあえず向こう30年くらいは増加傾向。
2064年に高止まるかとうかは謎ですが、どうやら現在の約81億人から100億、つまりはプラスの20億人程度まではいく模様。

一般財団法人国土技術研究センター

一方、日本の人口動態はを見る感じだと、今から30年先の2055年ごろにはなんと1億人を切る、すなわち現在よりマイナス3000万人になる模様。
青色の生産年齢人口が全体に占める割合も目に見えて減ってますね。

超絶短絡的な考え方ですが、向こう20年くらいを考える上では日本の人口は減り続ける、世界の人口は増え続けるってのがビジネスを考える上では重要なんでしょうね。

あと、これも一応貼っておくね。22歳人口の推移。
何が言いたいのかっていうと、新卒学生の数は母数が22歳人口です。なのでその母数の推移を一応知っておきましょうっていう話。

大学全入時代でもあるし、助成金や補助金の関係もあるので、人口推移と大学生の数が比例するとはそこまで思えないんだけど、母数は確実に減っていくことが伺えます。
元ネタはこちら


5、最後に

「孫子」にこんな言葉があります。

「将、吾が計を聴きて之を用うれば、必ず勝たん」

頭いい風に書いてみたのですが、言いたいことは「悲観的に考え、楽観的に行動しよー」っていうことです。どこかで聞いたことあるやつね。
ちなみに上の孫子の言っていることは、万全な準備をしておけば、心配しなくても勝てるよーっていう意味のようです。

日本の人口が減り続ける
世界の人口は増えている
AIを主とした代替品および新たなプレイヤーの脅威
人材サービス提供者なのか事業者なのか
何に困っていて、何が価値なのか

いろんなことを考える上で、動かない前提を理解することが一番大事だと思うのです。そのために今回は主に人口動態について書いてみましたー。そんなの当たり前じゃん!っていう人はごめんなさい。

またね。


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