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読書のコツは継続・反復

「継続は力なり」、「反復は学問の王道」と言います。これは本当のことです。

読書においても、継続と反復が大事です。一度読んだ本は、二度三度と読めば、力がつく。なぜなら、一度読んだときに得た知識がもととなって、二度目以降の理解を助けるからです。

読書百遍意自ずから通ず

「読書百遍意自ずから通ず」という諺があります。昔、武士の家の子どもは、四書五経(儒教の賢人が書いた書物)をひたすら読んでいたそうです。

子どもがそのような書物を読んでも、文章の意味はよくわからない。しかし、子どもの頃に徹底して読み込んだ書物の意味が、大人になるにつれて実感されてくる。皆さんも、教えられたそのときは何の役に立つかわからないと思っていた学校の知識が、あとになって役にたった。そういう経験があるだろうと思います。

ショーペンハウアーの読書論

ショーペンハウアーという哲学者がいます。19世紀ドイツの人です。彼の著作で、『読書について』というものがあります。

この本に述べられている読書法で、「重要な書物はいかなるものでも、続けて二度読むべきである」ということが書かれています。二度目の読書では、内容のつながりがよく理解される。結論を知っているので、重要なポイントを理解できるというわけです。

加えて、同じ本を読むにしても、読むたびに感じ方が変わってくる。同じ時間は二度と戻ってきません。だから、読書についても同じことが言えるということです。

多読はダメか

では、同じ本ばかり読むべきで、違う本は読んではいけないのか。もちろん、多くの本を読むことが悪いと言っているのではありません。複数の本を読むことで、新たな知見が得られることもあるでしょう。

しかし、時間もお金も限りがあります。同じ本を何度も読むということは、お金を節約できます。また、上記のように内容を吸収する効率も高い。まさに一石二鳥です。

結論

ここまで、同じ本を何度も継続して読むことの大切さを述べてきました。多くの本を読むのが悪いとはいえませんが、やはり一つの本をじっくり読む経験はあったほうがよいと思います。

私自身、デカルトの『省察』という本を、大学の卒業論文に向けて、継続的に何度も読み返しました。最初は彼が何を言いたいのか、わかりませんでした。しかし、繰り返し読むにつれて、少しずつ意味が理解できるようになりました。そしてあるとき、一つの壁を乗り越えたような感じがしました。「デカルトはこう言いたかったのか!」と、それまでの疑問がいっきに氷解した瞬間でした。

加えて、『省察』を読み込んだことで、他の関連する著作の理解もしやすくなりました。このように、一つの本を読み込むことで、それに伴う相乗効果も狙うことができます。多くの本を読むことも大事ですが、一つの本を深く理解することによって軸のようなものができ、結果的に多読の助けとなるのです。

このような経験からも、読書のコツは継続と反復であると言うことができます。

読書について 他二篇 (岩波文庫) https://www.amazon.co.jp/dp/4003363221/ref=cm_sw_r_cp_api_i_toUIEbX55N9GG

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