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仲間を「救助」する鳥:追跡装置を取り除くカササギフエガラス

カササギフエガラス(鵲笛鴉、学名:Gymnorhina tibicen)は、オーストラリア、ニューギニア島南部に分布するスズメ目フエガラス科の鳥です。カササギ(Magpie)と外観は似ていますが違ったものです。しかし、現地では“マグパイ”(Magpie)と呼ばれています。ユーカリ林や川近くに生息していますが、都市でもしばしば見られる鳥です。2-12の個体で生活していることが多く、下のビデオにあるように、仲間と遊ぶ姿がよく観察されるそうです。

カササギフエガラスに、鳥を追跡するための1グラム以下のGPS装置を取り付けると、お互いに追跡装置を取り除くのを手伝う行動が見られたことが報告されました。鳥類の「救助」行動の2例目ではないか、ということです。

元論文

近年の追跡技術の進歩により、全地球測位システム(GPS)などの機器を様々な鳥類に使用することができるようになっています。カササギフエガラスに、GPS追跡装置を装着してみました。その強度と耐久性は実証されてきていますが、追跡装置
は装着後数分から数時間で除去されてしまいました。

1羽が別の鳥の追跡装置を折って、取り外してしまうことが観察されました。この行動には、協力と問題解決の両方を必要とします。この結果は、特に社会性の高い鳥の種について追跡調査を計画する際に考慮されるべきものです。

なお、セイシェルヤブセンウオSeychelles warbler (Acrocephalus sechellensis)という鳥では、他の個体に粘着性の種子が付いた時、それを「救助」することが報告されていました。

https://www.the-scientist.com/news-opinion/altruism-in-birds-magpies-have-outwitted-scientists-by-helping-each-other-remove-tracking-devices-69723


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