短歌89
絵に描いたような向日葵会うことのない友達として好きでいる
家庭科のドラゴンが住まう洞窟への行き方は教頭が知ってる
空欄を押しつけられた青い月ひどいことばかりしたしされたね
偽物の感傷の図式見せないで鼓動を、鼓動だけを信じて
宛先は荒野 切手は可愛いよ 妄想だけで愛せていたの
暦 暦 今夜がずっと来なければ生きてる価値もあるって言うわ
色づいてしまった影は踏めないの論理の先の海で待ってる
応答を、心にもない言葉ならそれは硬度計で分かるよ
薄青く微笑んでいて情熱を例えば炎に例えたりして
水色のセーラー服は忘れてね人差し指で互いの唾液
レプリカの涙袋を覚えてて果たせない約束なんかより
くくりつけるいつか森に紛れるように降らない星を赦せるように
みちみちの感情論の概論を一生一緒に落としてて愛
脈絡を深海に放ってしまってもあなたは抱きついていいからね
古鯨 愛した人を忘れても愛を忘れることはなかった
夜に凪ぐ窓枠越しに見つめたら心は封印を受け入れる
星空を見上げる夢をもう星の一つもない時代も見ていて
チョコレート夏の気温に溶かされて私も言えない愛を抱いて
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