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【新型コロナ】1月の間に起こったドイツ生活の変化


1月に中国で新型コロナウイルスの感染が拡大しているというニュースを目にしてから2か月。

現在ドイツで生活しているが、学校の休校措置、夫の在宅勤務、国境管理、EU域外からの入域制限、外出制限とこれまでの人生で経験したことのないことをこの1か月で一気に経験することになった。


※感染者数は「Coronavirus: Echtzeit-Karte zeigt Zahl der Infektionen in Deutschland, Europa und weltweit」を参考にしています。

※ドイツのデュッセルドルフ在住の私が日々感じた変化を書いていますが、全ての地域・国にあてはまるわけではありません。


対岸の火事から少しずつウイルスが身近に

3月1日 119人(+51人)

3月2日 152人(+33人)

3月3日 190人(+38人)

3月4日 264人(+74人)

3月5日 402人(+138人)

3月6日 641人(+239人)

3月7日 797人(+156人)

3月8日 905人(+108人)

3月1日、ドイツ全体のコロナウイルス感染者数はまだ119人とそこまで深刻ではなかった。

ただ、一部の商品の品薄状態は確か日本よりひどかったという記憶がある。

2月末から消毒液やパスタなどの保存食の品薄状態は目立っていたが、3月頭くらいには缶詰・パン・シリアル・冷凍食品なども一時期品薄状態に。

3月4日にイタリアが6か月間に渡る緊急事態宣言を出したことで、対岸の火事から「ヨーロッパも危ないかも?」とコロナウイルスが少し近づいてきたような気持ちを持つようになる。

ただ、”まだドイツは大丈夫だろう”というという考えが頭の中にあったことは否めない。

ドイツで感染者1000超、初めての死者が出る

3月9日 1141人(+236人)

3月10日 1567人(+426人)

3月11日 1968人(+401人)

ドイツは感染者1000人を超えても死者数0をキープしていたが、いよいよドイツでも新型コロナによる死亡者が出てしまった。

死者が出たので今までよりはコロナウイルスを警戒するようになったが、それでも他の国よりは感染者数に対する死亡者の比率がかなり低いので、

コロナウイルスは私たちの生活と隣り合わせ

という意識は持てていなかったように感じる。

ただ、私は海外在住者、特にヨーロッパ在住者を多くフォローしているのでこの頃から私のTwitterのタイムラインはほぼ新型コロナ関連の話題で埋め尽くされ、自分の投稿もコロナ関連、夫との会話もほとんどがコロナ関連のことになっていった。

感染者2000人超でそろそろ深刻なドイツ、でも一般市民はまだ他人事?

3月12日 2747人(+779人)

3月12日にドイツ国内の感染者数は2000を超えてしまった。

ドイツ国内の感染者数が2000人を超えて、いよいよ深刻になるか?と思いきや・・・

一般市民の危機感はそこまで高くなく、まだ他人事というのは否めなかった。

夫は普段あまり会社の同僚と飲みにはいかないが、この日はサッカーの試合があるということで同僚数人とサッカーパブにサッカー観戦へ。

帰宅した夫に話を聞くと、3軒まわってやっと空きがあるパブを見つけたくらいどこも満員だったとのこと。

そしてやっぱりドイツ人ほぼ全員イースターは旅行入れてて「飛行機が飛ぶ限り行く」というスタンスであまり自粛ムードは感じられなかったそう。

ドイツ人に限らず、もちろん夫も私もこの時点では「飛行機が飛ぶなら旅行行きたいよね~(飛行機もホテルも色んなチケットも全部予約済で支払済だし)」と思っていた。

ドイツ国内の休校措置(一部)、そして夫の会社がとうとう在宅勤務に

3月13日 3677人(+930人)

3月14日 4587人(+910人)

3月12日にメルケル・ドイツ首相が幼稚園や学校の閉鎖も選択肢の一つと発表したことを受けて、3月14日、各州がおおむねイースター休暇明け(4月19日)まで州内の幼稚園や学校を閉鎖した。

私の住むNRW州も例外なく学校は閉鎖となった。

さらに、3月13日、朝ふつうに出社していった夫から昼前くらいに電話があった。

今いきなり社内メールが来て、今すぐ全員自宅に帰れとのこと。そして今日から期限不明で社員全員、原則在宅勤務になった。

帰ってきた夫に話を聞くと、社内でコロナウイルスの感染者が出てしまったとのこと。

社内とはいっても別部署で濃厚接触の心配はなかったが、それでも社内で感染者が出たということは、

コロナウイルスが身近に迫ってきている

ことを思い知るには十分な事柄だった。

SNS疲れ、そして隣国5か国との国境管理開始

3月15日 5815人(+1228人)

3月16日 7274人(+1459人)

3月15日に、3月16日から適用される隣国5か国との国境管理が発表された。

これにより、これまで自由に行き来できていた隣国へ気軽に行くことができなくなった。

そして3月16日に「社会生活上の接触制限措置」としてイベント禁止・施設閉鎖などが発表され、私が住むデュッセルドルフのレストランは午後15:00までの営業になった。


さらにコロナでみんな気が立っているのか、SNSでトラブルが発生。

「ウイルスを発生させた国は発生経路・理由をきちんと明らかにして、他国に対して責任(賠償など)をとってほしい」という旨のツイートをしたところ、差別だ、ヘイトだというコメントを受けた。(実際のツイートは削除したので覚えてないが、こういう気持ちを込めてツイートしたものだった)

どう受け取るかは個々の自由だが、私は差別の意図はもちろん一切ない。発生国がどこの国だろうと私は上記のような気持ちを抱く。

それだけならよかったが、それに便乗した人から攻撃的なメンション付きツイートがいくつも届いた。

・差別だ

・鍵をかけても潜入アカがお前のツイートは横流しにしてる

・身バレしてるし旦那の会社もつきとめてる

などなど。また、TwitterだけでなくInstagramからも脅しのようなメールが送られてきた。

このような脅しともとれる絡みに、顔も名前も知らない第三者に気軽に攻撃できてしまうSNSに疲れてしまい、いったんSNSはすべて休むことにした。

3月17日、欧州委員会の提案に基づきEU域外からドイツへの入域制限が開始される

3月17日 9362人(+2088人)

3月17日に、EUへの入域制限に関する欧州委員会の提案があり、それを受けてEU域外からドイツへの入国が制限されるようになった。

この頃から街中は人通りがかなり少なくなり、一部の商品についてはまったく手に入らなくなった。

消毒グッズ、トイレットペーパー、キッチンペーパー、ハンドソープなど。

食料品は小麦粉や豚ひき肉がまったく手に入らなくなった。(合いびき肉や牛ひき肉はあるが、なぜか豚ひき肉がまったく手に入らない。)

3月18日に国境管理対象国が7か国に、空路・海路も管理されるようになる

3月18日 12329人(+2967人)

3月18日には国境管理が強化され、3月15日に発表された国境管理対象国が2か国増えた合計7か国になり、陸路だけでなく空路・海路も管理されることになった。

数日前から毎日のように新型コロナウイルス対策措置が発表され、内容が追加され、規制がどんどん厳しくなり、更には連邦制をとっているドイツでは各州で細かい対応が異なったりと、正確なリアルタイムの情報を追うのが困難になっていった。

1週間ぶりに友達とランチ、そしてそれが最後のランチになった

3月19日 15322人(+2993人)

3月20日 19850人(+4528人)

このあたりから毎日数千人単位で増えていく感染者数に若干麻痺してしまい、2000人増えても「あれ、そんなに増えてないね」みたいな感覚を感じるようになっていった。

この日は1週間ぶりに駐妻友達とランチだったが、結構人気のレストランに行ってもほぼ店内は空っぽ。

街を歩いている人もほとんど見かけず、レストランやカフェ内も席数が制限されていたりとものものしい雰囲気が伝わってくる。

コロナ、コロナ、コロナで疲弊していたときに友達と会えて少し気分が回復したが、予想はしていたけれどこの日のランチが(コロナ収束前の)最後のみんなでのランチになるなんてこの時は本気で信じてはいなかった。

日本の家族に電話してその温度差に唖然

3月21日 22366人(+2516人)

あまりにもドイツの感染者数増加の勢いが止まらないので、

お互いの親は心配してるかもだし、これからは毎週末連絡しようか

と夫と話しあって毎週電話をすることに決めた。

しかし、実際に電話してみると・・・

・明日ゴルフに行ってくる

・ふつうに仕事に出掛けてる

・今日も●●さんとランチしてきた

と、日本は(マスクなどが入手困難なことを除いて)ほぼ普段どおりの生活をしているようだった。

ドイツでは、数日前に社会生活上の接触制限措置が発表されて行動も制限されているのに、日本の家族はごく普通の日常生活を送っている。

その温度差に唖然として、「ほんとに同じ地球で生きてるのかな?」という感覚にさえ陥った。ただ、その温度差が逆に張り詰めた気持ちを癒してくれたということも事実で、なんにしても元気にしている家族と会話をしたことは気晴らしにもなった。

このまま、日本は感染爆発せず終わってほしいと切に願いたいところ・・・

3月22日、行動規制に関するガイドラインが発表される

3月22日 24875人(+2509人)

3月23日 29056人(+4181人)

3月24日 32991人(+3935人)

3月25日 37323人(+4332人)

3月26日 43211人(+5888人)

3月22日にメルケル・ドイツ首相は新型コロナウイルスの更なる拡散を防止するために、連邦政府と各州政府の間で合意した新たなガイドラインを発表した。

これにより、飲食店は全店閉鎖(配達サービスやテイクアウトは可能)、(家族以外での)3人以上での外出禁止など、外出禁止前の一番厳しい外出制限がされることになった。

(”一番厳しい”と書いたのは、個人的に今の外出制限の後より厳しい制限を課す=外出禁止になるだろうと思っているため)


私が外出するのは週に2回、スーパーとドラッグストアに行くときだけ。

なるべく開店直後や朝早い時間帯を狙って行っている。(人が少ないかなという予想のうえで)

スーパーもドラッグストアも入場制限を行っていて、20人、30人と並んでいることも。

一度トイレットペーパーがほしくてドラッグストアの開店時間目掛けて行ったところ、開店10分前から既に人が並んでいて、開店時間までに30~40人の長蛇の列が。

5番目くらいに並んでいたので開店と同時に入れたが、結局トイレットペーパーは入荷されていないのか一つも売られていなかった。

と同時に、同じように開店前から並んでいた人はほとんどがトイレットペーパーを求めていたようで、トイレットペーパーがないことを知って手ぶらでお店を出ていく人も多かった。

1か月あれば感染者数は100人→45000人に増加し、人の生活はここまで変わる

3月27日 46580(ドイツ時間15:00現在)

この1か月、1~2か月前までは想像もしなかったことが身の回りで起こっている。

1月に「新型コロナウイルスが中国で流行っているらしい」とニュースを見たときは、まさかその2か月後にドイツで行動制限がされて週に2回のスーパー以外ほぼ外出できなくなるなんて想像もしていなかった。

3月1日に119人だった感染者は3月9日に1000人を超え、その9日後の3月18日には10000人を超え、その9日後の27日には45000人を超えている。

3月15日、16日に国境管理が発表されてから1週間後には外出制限で気軽に外出できなくなり、週2回スーパーとドラッグストアに行って必需品を買うだけの生活になっている。


既に計画を立て、予約も支払いも済んでいる旅行の予定がどんどんダメになっていく。

折角できた友達とも一切会えなくなってしまった。

気軽に日本に帰って家族や友達に会うこともできない。

一度日本に帰ったが最後、ドイツに戻れなくなる可能性があり夫を一人にしてしまう可能性がある。

家族や友達がコロナウイルスに感染したとしてもすぐに日本に帰れるかも分からない。

帰ったとしても会えるのかもわからない。


留学やワーホリ、駐在の予定がいきなりなくなった人もいる。

留学中、ワーホリ中、駐在中だったのにいきなり帰国を余儀なくされた人もいる。

会社の命令、子供のこと、妊娠中などの理由で離ればなれになってしまった家族もある。

半年、1年前から計画していた結婚式などの一大イベントを泣く泣くキャンセルした人もいる。

ここまで世界中の人の人生が1~2か月で変わってしまう瞬間を見たことがある人はいないのではないか。


私はドイツで生活しているのでここでは「ドイツで生活していて感じた1か月の変化」を書いているが、このような急激な日常の変化は世界各国で起こっている。

そして限定的な生活を送っている全ての人が、新型コロナウイルスがニュースになった2か月前はこんなことになるなんて予想もしていなかったのではないだろうか。

私はこの1か月で「1か月、むしろ1~2週間あれば普段の平和な日常は影も形もなくなってしまうことがある」ということを生まれて初めて知ることになった。


国、地域差もあるが私の住むドイツのNRW州は特定の商品は品薄が続いているものの、お肉も魚も野菜もパンもチーズも牛乳もお菓子も今のところは問題なく手にいれることができてる。

外出制限はされているが、スーパーやドラッグストアへの買い出しは認められているし、個人の散歩などは禁止されていない。(とはいっても不安なのでなるべく週回の買い物以外、散歩もしないようにしているが)

今の状況をなんとか乗り越えようと、気分をあげていこうと、自分でできることは色々試しているので病んでしまっているわけでもない。

とても辛い状況だが、1日3食きちんとご飯をお腹いっぱい食べられて、自分も夫も元気で日本の家族や友達、ドイツでできた友達、SNSで知り合った人たちなど自分の周りの人はみんな元気で過ごせている。

なにより医療従事者や物流関係の人、スーパーやドラッグストアの店員さんなど感染リスクを覚悟の上で人のために必死に働いてくれている人がいて、そのおかげで行動は制限されているものの急な命の不安には陥っていない。

辛い状況だけど、最悪ではないので、このまま終息まで乗り越えていきたいと思う。


【私が外出制限下で工夫していること(ブログ記事に飛びます)】

コロナウイルス感染拡大で夫が自宅勤務!子なし主婦ができる気遣い

自宅で働く夫ができる妻への気遣い|コロナウイルス感染拡大を受けたテレワーク

【新型コロナ】ドイツ在住駐在妻が鬱(うつ)にならないためにやっていること

外出制限で暇すぎる!引きこもり駐在妻が家でできること|新型コロナ


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