メタ認知と勉強
近年の教育・学習業界では「メタ認知」が重要と言われています。
メタ認知とは、自分の考えや言動を客観的に認知することです。
もう10年も前の話になりますが、サッカー元日本代表の本田圭佑さんが、セリエA(イタリアのサッカーリーグ)の強豪ACミランに移籍した時の記者会見での話。
記者「Why did you choose AC Milan?」
なんでミラン選んだの?
ケイスケ・ホンダ
「That's easy.
そんなん簡単やで。
I just ask my little Honda in my heart.
心の中のリトルホンダに聞いたんや。
Which club do you want to play, I asked.
自分どのクラブでプレーしたいん?って。
The answer, I want to play AC Milan.
答えはミランや。
That is the story when I decided.」
そんな流れで決めたで。
正にメタ認知と言えます。
皆さんも心の中に小人を飼うと良いかもしれません。
メタ認知能力は小学校高学年から発達すると言われています。
メタ認知には2つの種類があります。
「メタ認知的技能」と「メタ認知的知識」です。
メタ認知的技能は、自分の認知行動をモニタリングし、モニタリングから得られた情報から行動や作戦の改善を試みる能力です。
メタ認知的知識は、メタ認知に関わる知識のことです。
「雨の日は集中力が低下する」
「時間制限があると焦ることが多い」
「音読すると文法の理解が深まる」
など、メタ認知的技能で作戦を立てる際に、役立つ知識がメタ認知的知識です。
メタ認知能力が高い人は、行動する前に、なぜその行動をするのか、その方法が適切なのか、その行動の具体的な目的を設定します。
例えば、英単語を覚えたい時に、メタ認知能力が高い人は、書く回数を決めたり、書いた回数を数えたりしないでしょう。
覚える手段として書いているのであって、書く回数は関係ないからです。
メタ認知能力が低いと、手段と目的を履き違えます。
宿題の目的を「提出」と履き違えてしまう人は多いです。
また、メタ認知能力が低いと、感情的・突発的な行動を取りやすくなります。
そうなると自ずと人間関係でのトラブルが絶えません。
メタ認知能力が高いと、意欲的に学習し、問題解決に取り組むため、学力が向上すると言われています。
すぐに出来るメタ認知能力トレーニングとしては、PDCAサイクルが挙げられます。
PDCAサイクルは社会人であれば一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
Plan(計画)
Do(実行)
Check(評価)
Action(改善)
の頭文字でそのサイクルの順番を表しています。
計画を立て、実行し、客観的に評価し、改善し、計画を修正してまた実行する。
メタ認知能力を必要とする作業です。
自分の能力と得たい成果を考えてPDCAサイクルを回していきます。
個人的には、DCAPサイクルがおすすめです。
PDCAの順番を入れ替えたものです。
いきなり計画を立てるのは難しいものです。
僕自身、計画を立てて、その通りに出来なかった経験が山程あります。
まずは行動!
やってみてからの方が、より計画を立てやすくなると思います。
どちらにせよ、CheckとActionをしっかりと入れることが大事です。
まずは、「今日は何を勉強したのか」を振り返るだけでも、メタ認知能力を鍛えられるはずです。
メタ認知能力を向上させ、勉強の効率を上げていきましょう!
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