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私説 米田敦さんは見かけ以上に人脈作りが上手そうだ。 米田さんと話らしい話をしたこと…
美濃國聞書 午後二時を過ぎた。万歳はにぎやかだった。 お昼ご飯が身体に行きわたり、昼…
褥 走り出して一分もたたないとき、シートベルト未装着音が鳴りだした。 助手席を見ると…
研究室 一面の白い砂。 これが夜叉の褥、なの?。直径何メートルぐらいだろう。もっと広…
夜叉の褥 ダッシュボードに貼りつけてある六センチほどの錫杖の遊環がシャクシャクと小さく…
わたしの中の恭輔さん ペールグリーンの外壁が優しげなヴェルデ川東は築十年ほどの木造二階…
仲間たち 一昨日、五月一日。 武田孝高さんと守口圭子さんとがヴェルデ川東のわが家へやってきた。 四人で過ごすのは三回目だろうか。正月三日には武田さんと守口さんのお宅を訪問した。 お昼にMサイズのピザ二枚をデリバリー、レタスをメインに冷蔵庫の中の野菜をテキトーにサラダに盛り合わせた。 冷蔵庫をのぞいた圭子さんが手早く二品作ってくれた。 武田さんと恭輔さんは大学は違うが、プログラミングの研究仲間で今でもお互いにコードを見せあっているという。 武田さんはSEで、「サ
商人宿「万歳」から无乃郷へ それから三年後。わたしは二五歳、恭輔さんが三十三歳になる年…
无乃郷がつきまとう そして四年、わたしは無事大学を卒業して、しかも職を得ることができた…
田中恭輔さん それから七年後の五月三日、祖母が亡くなったと大叔父から連絡があった。消え…
終いにしよう 頭がキンキン痛む。 痛いの痛いの飛んでいけ、と両手で髪をかきあげ後ろへ…
天狗山と夜叉の褥 祖母はいかにもお年寄りな雰囲気を醸し出して三人に話しかけ、ついでのよ…
招かれざる訪問者 祖母は祖父とよく花札をやっていた。肩を揉む、足のマッサージ、差し入れ…
天狗山 五月はよく雨が降る。だから雨間の晴天は爽やかで清々しい。 今日はよく晴れて、青空に白い雲があちこちに浮かんでいる。いい天気だ。いい風が吹いている。 天王神社の鳥居の横に白いワンボックスカーが停まっている。「わ」ナンバー、レンタカーだ。 男二人に女二人が神社の森から出てくるのが見えた。 服装から判断すると四人とも大学生だろう。背の高い男の首に高級そうなカメラがかっている。 嫌ぁな予感がする。 わたしは天王神社の森でお参りするのをあきらめて、自