『仮銘 春霞』の截香を進めています♪

春霞⑤

新しい年を迎え、皆さまには益々ご健康にてご活躍のこととお慶び申し上げます。

香雅堂では5日から通常通り(新型コロナ禍での)活動を開始し、今月の推奨香木に選んだ『仮銘 春霞』の截香・発送も、徐々に進めています。
さっそくご感想が届いていますので、一部を抜粋して紹介させて戴きます。

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本日、伽羅「春霞」が無事に届きました。
今、聞かせて頂きました。
緑油伽羅のものすごく若々しい香りで鼻腔に刺さるかのような
ミントのような爽やかな苦に時々鹹の味を感じさせられ、
新春の言祝にふさわしい華やかな香りでした。
僕はこの手の伽羅が大好きで、大変気に入りました。
香りに「こり咲く梅」のような熟した香りもなく、
「月待つ空」のような濃厚さはないのですが、「春霞」は
この爽やかさこそが最大の魅力で武器すらにも感じました。
十数年前、山田さんに古の新伽羅には
伽羅にはない華があると教えて頂きましたが、
この香りが全てではないですが、
古の新伽羅の一例のお手本を教えて頂いたように思いました。
とても魅力的な伽羅でした。
新春の和歌が証歌の「いづる日」、
言祝の「こり咲く梅」、「春霞」を鑑賞香に組み合わせたら、
伽羅の醍醐味が味わえそうな気がしました。
「春霞」と、寸門多羅の「菊の露」を合わせて鑑賞香に組み合わせたら
面白いかもとも思いました。

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昨年の投稿でも触れましたが、『仮銘 春霞』は「顔」に似合わぬ濃い中身を隠し持つ、つまり外見からは想像できないくらい高密度に樹脂化を遂げた、極めて珍しいタイプの伽羅です。
(しかも重量は外見の通り非常に軽く、その結果、同じ重量でも嵩が高く、
お徳感も満点です)

香気の特長は、あたかも『源氏物語』梅枝の帖で明石の姫君の入内に持たせる薫物を選ぶために試聞きを行なった際に紫の上の梅花を「はなやかに今めかしう、すこしはやき心しつらひを添へて、めづらしき薫り加はれり」と評した感覚と通ずるものがあるように思えます。

立ち始めから火末まで長い時間に亘って堪能して戴ける『仮銘 春霞』を、どうぞお愉しみ下さいませ。

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