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しゃがんだら、野道を見つけた。

1月に新年の抱負みたいなものを
noteに書いていたので
それから8ヶ月後の現在を記しておきますね。

いまは、都心の出展ではなく、
都下に小さく引っ込んで
地道に創作活動しております。

事情はいろいろ。
ひとつはっきり、歩く道を大きく変えました。
独りで何か世界を描いて展開していくことを
5月以降減らしていきました。

2023年を皮切りに
あれだけ毎日ばかみたいに描いてたのに。

描く士気が下がった、
描いてないというわけではありません。
しかし、沢山描いた先で
壁には思いきりぶち当たりました。

没頭するあまりに、
描くものが内輪内輪になっていて
自己満で構成されてる狭い世界を
作ってしまってることに気づかず

それらを作品や本などの形にして
現実に出して売りに出したあたりで
自らの限界を知りました。

コミティア当日朝に書き下ろしていたもの

5月のコミティア148では
事前にお品書きやサークル名を
noteに掲載していました。
…消しちゃったのですが。

上半期抱負のスケジュールにも記してありましたし、
実際に当日参加したので
有明の会場にも終日、ちゃんといました。
2023年参加から1年越し、2回目の出展。

当時作って載せてたお品書き

記事を消した理由は簡単。
当日の会場は大盛況だったにも関わらず

私の「まじょや」は
見事に誰の目に止まることなく素通りで
…みごとなる総スカン。

作った画集や漫画も各一冊売れただけで
(買っていただけただけでもありがたい)
大惨敗で終わりました。
手応えがまるでなく、
現場は白昼夢見てるみたいで絶望的でした。

見本誌は読んでもらうことはあったのですが
その時にやんわり言われた

「1年もあなたの中で展開してる
 内輪な世界なんてほとんど伝わらない。
 知っていた人ですら皆忘れているよ」

という、現場でのド正論がごもっともで、
完全にボキリと心が折れました。

大爆死したコミティア翌日に描いた絵

冊子はいずれも少数印刷なのが救いでしたが
売れ残った在庫を前に
途方に暮れてしまい
しばらくまともな状態ではありませんでした。

自分の天井が見えてしまった以後も
6月まで作品出展の予定は入れていて
なんとか全て完成させて、
上半期は終了しました。

しかし、限界は現実面でも。

6月、上野ZEN展に出展した2作品

今年の創作予算がすべて底をついたのです。
何かを創り完成させるたび、自分の持ち金が
ごっそりと消えていく状態だったので
身銭切るってか毎度切腹してました。

雑踏のなかでやるハラキリショー。
これがしらけてスベッて、
だいたいひとり血に地に崩れてるわけです。
犬死一歩手前です。

もうだめだ、限界、無理。
都心で活動する事は、しばらくできない。

おとなしく、住まいある都下に引っ込んで
しばらく絵から離れて
ひたすら自然のなかを歩いたり
湯船でボーっとしたりして
自分を見つめ直していました。

バカみたいに描いてきた。
描いてきたけど、なんのため。
そもそも何がしたくて、そうなったんだっけ。

以後は、いろいろ他の道がないか考えて
今回はひとりで考えるのではなく、
助けて!とはっきり外にヘルプを投げました。
その後の活動現場となる地域の寄合所で
何度も話し合いをさせていただき

最初のWS告知イラスト

「まじょやのワークショップ」という
子供向けの小さなワークショップを
7月からはじめることにしました。

1月の抱負にも記していた
「ワークショップをやりたい」は
漠然とあったのですが
はじめる取っ掛かりがわからなくて
保留にしていました。

どのみち今の自分に、活動できるお金はない。
反面、形はないけど
表現として形にする技はある程度ある。

だからもう利益とかじゃなくて
都会くんだり足運んで
独りでやるんでもなくて
都下の子供たちと一緒に 
なにかいろいろ出来たらいい。

純粋にそれだけの動機で、
工作や絵を描く枠を設けていただきました。

初回。満員御礼

5月の有明で大爆死した
「まじょや」が2ヶ月後に地元ではじめた
小さなワークショップ。

7月の初回はキーホルダー作りでしたが
実はこれ、昨年今年に
有明で大量に売れ残った
キーホルダーパーツを再利用してました。

全て解体→ゼロに戻した

そして、できたのがこちら↓

みんな幸せになったぜ

今まで、ひとり頑なに抱え込んでいた
私の変な意地だとか執念が
子供達の手によって、個々素敵な作品に
生まれ変わっていったので 
はじめて報われた気持ちになりました。

そっからは、自分の道ィ!ではなく
完全に子供たち側に道を変えました。

8月は、自由研究でも出せるよう
全4回、1日2日かけてオリジナル絵本を
みんなで台割から考えながら作ったり

1日ぶっ続けWSでした

前記事の絵本「ムジマでムージカ」は
子供たちと一緒に作った絵本です↓


9月もリクエスト多数で
マンガを描くお題に決まりました。

必ずしも表だった活動では
ありませんが
開催者の私が一番勉強になってますし
子供達も集まってくれて
継続できるありがたさを実感中です。

夏休みがまもなく終わる今
バタバタ活動を一通り終えて
いろいろ気がついたことがあります。

バカみたいに描いてきた
理由の答えが、ようやく少しわかったかも。

こんなお世辞にも洗練されてない
きったない絵を
なんで画集自腹で作ったり 
作品をわざわざ外に出していたのか。  

ただスマホやその場の鑑賞のみで
世界を終わらせたくなかったからです。
これは間違いない。
あらお美しい、まぁおきれいねと言われる
整然とした箱庭を展開するのも
多分いやだったのです。

「弓張月の舞」

鑑賞するだけじゃなくて、 
描いた絵の世界になってる作物を
酸っぱいとか苦いとか言いながら
みんなに食べてもらいかった。

そして、大人より実際の子供の方が
世界をめちゃくちゃ噛んで
食べて感想くれるんです。
感性が鋭いというのもあるけど 
育ざかりだからかな。

絵本WS中に描いてたラクガキ

絵本作ってた時に実感しましたが
子供達は私の作品だけでなく、
他の子の作品やアイデアも 
ちょいとつまんで味わいながら
あっという間に自分の味にして
形にできてしまうのです。

触発の一種なんだと思います。
現場でそれ見て感心したと同時に

今まであんなにひとりで
胃の中モヤモヤで描いていたのに
いざワークショップを始めたら

子供と沢山向き合って、
たまにふざけて、脱線しながらも
笑いながら作っている時間が過ぎると

お腹いっぱいに
なってることに気がつきました。
自分も、おそらくですが子供達も。

「三日月の舞」

現在も作品は単体で描いていますが
あまり大人に向けて展開してません。 
1月の抱負通り、今後は
子供向けに絞っていくことにしています。
ちゃんと児童向けの仕事も取れるように、
という目標も一応つけて。

ただし、私の主たる立ち位置は後ろ。
まだSNS本格解禁がされていない世代が
今後どんどん前に出られるよう
サポート側に回りたいと思っています。

自分には大輪咲かす才能はなかったけど
土起こしや肥料巻きならまだ、手伝える。
ばんばん次世代に還元し、譲っていきたい。
対価はワンコインでも、できた作品でもいい。
あれこれいろんなものを創って、
あーだこーだと楽しんで食べたい。
そしたらみんなのお腹も膨れるから。

寄合所に寄贈してる本たち(埼玉の朝霞でも販売してる)

上半期ぶちあたった壁で
思いっきりぶつけたおでこが痛くて
思わずしゃがんだら
…新しい野道が見えた。

夏の間の裏方期間に
曲がりなりにも壁は突破できたかも。
今はそう思えてます。

下半期はまだ未定。

いまはもうしばらく野道を歩いて
わちゃわちゃ畑を作っておりますね。

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