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縁切り神社に行った話

京都の安井金比羅神社は、いわゆる縁切り神社としてられている。ここに行ってきた。

僕自身は神仏を深く信じている訳ではない。年始にお参りするとしても、地元の神社に、三が日を過ぎて人がいなくなってから参る。おそらく信心深さでいえば、日本人の平均かそれ以下だと思う。

そんな自分が神社に行き、縁切りをお願いした。それほどメンタルが追われていたのだ。

無能の自分に限界が来た

職場で、全く相性の良くない人(以下、Tと書く)がいる。Tは大ベテランであり、この仕事に関して非常に経験豊富だ。そしてキレやすい。今年度異動してきたバキバキ新人の自分には特に厳しかった。

とはいえ、Tが悪いわけではない。原因のほぼすべては僕自身にある。客観的に見て、わからないことがあっても質問をしない、真剣に仕事をしない僕が100悪い。

ただ、周りに対してすぐ怒るTに質問するには少し勇気が要った。「質問があるのですが」と尋ねても「ああ?」と不機嫌な返答が来る。結果、なかなか質問できず、勝手に間違った判断をして怒られる。

そんなTとはなるべくコミュニケーションを取りたくない。だから質問しなくなる。その結果、また怒られる。

その結果、僕には適応障害のような症状が現れ始めた。Tと仕事をする時、声が出なくなり、数字が認識出来なくなり、思考が停止する。こんな状態でまともに仕事ができるわけがない。

いくら僕が社会不適合者であり、社会人としてふさわしい行動をしていないとしても、さすがにヤバイと思った。この状態をあと最低でも半年続けないといけない。いつか自死を選んでもおかしくないと思った。

思考が十分に整理されていない状態ではあったが、とにかく、効果がすごいと噂の縁切り神社に行ってきた。

安井金比羅宮

安井金比羅宮は、大阪から阪急特急で1時間少し、終点・京都河原町駅を出て10分ほど歩いたところにある。

10年来の京都だった。大阪南部(泉州)に住む身として、京都はわざわざ行く場所ではなかった。泉州から難波や梅田までが遠いから、京都や神戸はわざわざ向かう場所ではないのだ。

そんな京都の四条通。「京都」と形容するほかなかった。平日の昼だったが、そこそこ人であふれかえっており、歴史ありそうな建造物の中でかき氷が売られている。整備されたカオスがそこにはあり、平日の昼にしてはこみごみしていた。

四条通から脇に。映画で見るような「京都」。人力車に乗った外国人観光客を何人か見た。

グーグルマップを頼りに神社に近づく。突如、人気が消えた。ある道を境にして、急にしんとしだした。目の前に、目的地があった。

鳥居に一礼し、境内に入る。外には誰もいなかったのに、中には何十人もいた。お参りをして、形代と呼ばれる紙に願いを書く。「職場のTと縁を切りたい」。境内にある碑に貼り付けた(本来は碑をくぐった後に貼り付けるそうだが、くぐらなくても効果は同じだそう。人目もあったため、結局くぐらなかった)。

形代を貼り付けたあとは、そそくさと神社をあとにした。まわりが家族連れと若い女性だらけで、男一人で来たのが少し気まずかった。後から思うと、お守りとか買っておくべきだったかもしれない。

今後、Tとの縁が切れるのかどうかは解らない。ある意味で自己満足でしかないかもしれないが、それでもこの安井金比羅宮の力に賭けている。

もし今後進展があれば、追記していく。

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