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なんでバイオマスのレジ袋が有料なんだよ

レジ袋有料化に切れている。何を今更という声もあるだろうけれど、最初有料化された時の怒りが再度わいている。

というのも、有料化を始めた、環境省など関係省庁の論理が全く成り立っていないからだ。

その一例こそが、タイトルにもある、環境に優しいビニール製のレジ袋が有料であることだ。

今回はこのことについてつれづれ書いていく。

レジ袋有料化の理由を振り返る

環境保護から少し遠い理由付け

レジ袋有料化、身近な話題であることであり、また当時の環境大臣が国会議員の中でも有名だった小泉進次郎だったこともあり、より多くの人が話題にしていた(これまた当時話題だった日本学術会議が、この制度導入を主導したというデマも流された)。

そして、導入当初から、どのくらい環境問題改善に貢献するか疑問を抱く声があった。

すなわち、国内のプラスチックごみのうち、レジ袋が占める割合が一桁パー-セントしかないとか、そういう事実をもとにした反論である。

しかし、どうも役所はその点についても織り込み済みだったようだ。

経済産業省のページを見てみよう

上記リンクには、以下のように書かれている。

プラスチックは、非常に便利な素材です。成形しやすく、軽くて丈夫で密閉性も高いため、製品の軽量化や食品ロスの削減など、あらゆる分野で私たちの生活に貢献しています。一方で、廃棄物・資源制約、海洋プラスチックごみ問題、地球温暖化などの課題もあります。私たちは、プラスチックの過剰な使用を抑制し、賢く利用していく必要があります。

このような状況を踏まえ、令和2年7月1日より、全国でプラスチック製買物袋の有料化を行うこととなりました。これは、普段何気なくもらっているレジ袋を有料化することで、それが本当に必要かを考えていただき、私たちのライフスタイルを見直すきっかけとすることを目的としています。

経済産業省

要は、意識改革なのだ。実際に石油使用量やごみの量を減らすというよりも、まず国民がプラごみについて考えるきっかけとしての実施なのだという。

ここからひもとくと、実際にこの制度でプラごみが何パーセント減ったとか、そういう調査をする必要もなくなる。なかなか考えた物だ。

しかし、それでも今、もう一度この制度実施について、霞ヶ関ならびに永田町の皆様に考えてもらいたいことがある。

制度を無意味化した便乗値上げ

有料化の対象ではない紙袋・バイオマスプラ袋

同じく上記の経済産業省のリンクを下にスクロールすると、有料化の対象となる袋についての記載がある。

ここには、有料化の対象外である袋についてもかかれてある。
有料化の対象にならないのは、紙袋・布袋、そして、生分解性プラやバイオマスプラスチックといった、いわゆる環境にやさしいとされているプラスチックを使ったビニール袋などだ。

意識改革を国民に促すのであれば、こういった区別は必須だ。従来のレジ袋が有料で生分解性プラ製のが無料なら、多くの人は後者を選ぶ。これによって、国民全員が生分解性プラを好意的にみるようになるだろう。

しかし、実際はどうだろう。

例えば大手コンビニでレジ袋を買うとする。そのレジ袋を見てほしい。
以下のような文章が書かれている。

植物由来ポリエチレンと再生ポリエチレンから出来たレジ袋です。
石油系原料の使用削減とCO2排出抑制に貢献しています。

家にあったレジ袋

「これって環境にやさしいレジ袋ですよ」と書かれている。

となると、本来有料化の対象外のレジ袋である可能性がある。

エコなレジ袋をアピールしているのであれば、なぜ客に3円払わせるのか。

本来の有料化の基準からすると、おかしい。先ほど申したように、国民に環境の意識を持ってもらうという目的に沿えば、こういった環境配慮型のレジ袋は無料、少なくとも従来のレジ袋よりも安く販売されるべきだろう。

しかし、そうなってはない。むしろ、紙袋の方が高い場合さえある。

これでは、『袋は有料なものだ』と国民に思わせるという効果しかない。環境への意識とはどこにいったのだろうか。

もちろん、国の方針である以上、民間企業に強制することはできない。また、本来の目的が消えてしまうことなんてざらだ(ふるさと納税とか)。

しかし、役所が目的をもって始めたことが、民間企業の儲けのためだけに利用されるのは、正直どうなのかと思う。ステルス値上げの一種と言われても仕方ないのではないか。

せめて、環境大臣がひとこと言えば、環境レジ袋無料化に進むのではないか。そう思う次第だ。


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