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#7:堅実経営??ドイツの二大巨頭比較。

こばんは!山田塾 塾生の粕谷です!1、2月となかなか復習できておらずnoteの更新が滞っておりました…。この期間も魅力的な講義しか開催されてませんでしたので、今度こそどんどんnote更新していきます!!

今回は2021年11月26日に実施した定例勉強会#8、ブンデスリーガのビッククラブであるバイエルンとドルトムントの経営比較です。バイエルンの1強に近いブンデスリーガで虎視眈々と首位の座を狙っているドルトムント。両者の地域特性に触れながら比較していきます。

ちなみにバイエルンとドルトムントの位置関係は東京-神戸に匹敵し、そこまで近いクラブというわけではありません。両チームの対戦を”DER KLASSIKER”と呼称し、ナショナルダービーに位置付けているそうですが、内田選手、香川選手の影響もあり、ドイツと言えば日本人はルールダービーが有名だと思います。

今回も前回のマンチェスター2クラブと同様に「稼ぐ力」「儲ける力」「安定性」「勝つ力」そして「総合力」の5つで比較していきます!

【前回のビジネス版マンチェスター・ダービーまとめはこちら】

稼ぐ力

まずは稼ぐ力ですがこちらは売上高でみていきます。

売上高の両クラブの差はなんと約300億円。ヴィッセル神戸の売上高3年分もの差がバイエルンとドルトムントにすらあるのです。またどちらもほぼ毎年売上高を伸ばしているのですが、その成長率もバイエルンの方が高く両者の差が年々開いているのが現状です。さすがブンデスリーガで独走するクラブです…

彼らの売上高内訳をみてみると

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事業収益が半分を占めるバイエルン。CLでも安定した成績を残しているため放映権収益も大きな割合を占めています。営業力・ブランド力の強さが見て取れます。一方ドルトムントは移籍金収益がかなり大きな割合を占めています。ドルトムントがブンデスリーガの上位ながら育成クラブとして成功しているのがここからわかりますね。

儲ける力

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両クラブともに費用は年々増加しているのですが、注目したいのが売上高チーム人件費率です。なんと互いに50%前後をキープしているのです!前回のプレミア2クラブは70~80%。強さと人件費に相関があるといわれるサッカーにおいてCLでも活躍する2クラブに比率が低いのには大変驚きました。「サッカークラブの予算は人件費から作る」とシントトロイデンの予算にかかわっていた飯塚さん。ドイツという国の堅実性が表れているのかもしれませんね。

事業収益が多いバイエルン、移籍金での収益が多いドルトムント、両者ともに安定的に利益を計上しているのですが、移籍金という見通しの難しい収益がメインながら一定の利益を上げているドルトムントの凄さが表れていると感じます。

安定性の比較

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両クラブとも無借金経営!前回のマンUを見てるので驚きです(笑)。流動性比率も100%越え、バイエルンに至っては197%と驚きの数字を見せています。流動性比率が高いということは出ていくマネーより入ってくるマネーの方が多いということですね。

自己資本比率も共に70%台とかなりの堅実経営!ちなみに50%を越えれば一般的な会社でも優良経営になります。山田塾長曰く「製薬会社みたいな数字」とのことです。研究開発と移籍が似ているのかもしれませんね。

また驚きなのがドルトムントは配当を出しているとのこと!!しっかり配当ポリシーも示しチームへの投資を第一としながらも、しっかりと配当も実施しているのです。

最近でもJリーグでも新たな成長戦略として株式上場をOKにしましたがここまで到達するクラブは現れるのでしょうか…

勝つ力の比較

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もう純粋な順位で見ればバイエルンの圧勝です…なんといっても9連覇中ですから。しかし勝点1当たりの人件費比率でみると効率がいいのはドルトムント。近年優勝こそできていないものの、堅実経営を実現しながら常に上位をキープしているドルトムントの凄さを改めて感じます。

総合力比較

ここまでの勝敗?はこちら!

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絶対王者のバイエルンと効率で肉薄するドルトムントというところでしょうか?バイエルン1強といわれてしまっているブンデスリーガですが、ドルトムントの努力が表れていると思います。

まとめ

個人的にとても興味深かったのが両クラブのメインスポンサー!

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ドイツ国内のライバル企業同士がそれぞれをスポンサードしており、またメインスポンサーはほとんど国内企業!これほどのクラブではかなり珍しいのではないでしょうか。

今回はドイツクラブの比較でしたが、国が違うとこんなに変わるのか!という驚きで溢れました(笑)。Jリーグがブンデスリーガのクラブライセンス制度をマネするなど制度設計がしっかりしているドイツ。そのトップの経営までもここまで堅実だとは思いませんでした。

またこの2クラブの地域特性などを比較するとより経営の難しさと特色を見ることができるのですが…そこはぜひ動画をご視聴ください!!

今回のnoteを読まれて少しでも「山田塾」が気になった方は、ぜひ以下のページから参加を検討されてはいかがでしょうか。月額980円で、月一回の当該講座だけでなく、今までの講座のアーカイブ動画や資料、コミュニティ内の熱量高いメンバーの方々とのコミュニケーション等を通して「スポーツファイナンス」を楽しく学ぶことができます。

記事に少しでも共感、興味などお持ち頂けたなら「スキ」や「フォロー」をして下さると、このnoteの執筆者としてとても嬉しいです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

(執筆:粕谷聡太)

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