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山田塾スピンオフ#4:コロナ禍でも過去最高利益を出した宇都宮ブレックスの経営管理手法とは

山田塾教頭の福田です。
すっかり冷え込んできましたが、皆さんお元気ですか?
師走は色々と大変なこと盛りだくさんですが、コタツにおでんでホッコリみたいな時間も作りたいものですね!


さて、2年目も終盤を迎えたコロナ禍。
感染者数を見る限りでは希望の光で一杯ですが、プロスポーツ界の決算発表には傷の深さがクッキリと現れています。。。

例えば、これらのニュース。

 ・広島東洋カープ46年ぶり赤字
 ・Jクラブでは6割が赤字、2割が債務超過
 ・福岡ソフトバンクホークスも売上が前年比約100億円減少

まあ、前年度の状態が数値化されたものなので仕方ないとも言えるのですが、こんなニュースも出ると深刻さを改めて認識させられますよね。

そんな中、なんと過去最高の売上高と利益を記録したのがBリーグの宇都宮ブレックス

B1の強豪であり、しかも長く満員のアリーナを創り続けてきたクラブです。
厳しい入場制限も有り、そんなクラブほど苦しい状況に追い込まれているケースも多く見られる中で、なぜブレックスはこの状況を作れたのでしょうか?

今回の山田塾スピンオフ講義、代表取締役の藤本光正さんをゲストにお招きし、この点にド直球で切り込ませてもらいました!

↓↓【藤本さんはこんな方】↓↓

1.ブレックスの売上推移

まず、ブレックスの売上推移を見てみましょう。約5億円だった2011−12シーズンの売上は、2020−21シーズンには3倍弱にまで成長していることが読み取れます。ここには「自助努力によるもの」「環境によるもの」の2つがあると藤本社長は振り返ります。

前者は、地域貢献活動(2018年は年間346回!)、エンタテインメント性向上への継続的投資(身の丈にあった金額+α)によってファンの方々の期待を少しずつ超える努力を継続してきたこと、後者は2016−17のBリーグ発足によって社会全体のバスケに対する興味関心が飛躍的に向上したことが指摘されていました。

特に後者に関しては、
「この大きな波に乗ることが重要だと判断し、Bリーグ初年度に大きく攻めようと、選手とエンタメ性向上に積極投資しました。結果、初年度優勝も果たすことができ、そのブランド力をその後の経営に繋げてきました」
と藤本社長。未来を見据え、「身の丈を伸ばす」ための手もしっかりと継続している点は印象深かったです。

山田塾スピンオフ#4 マネジメント目線で戦える組織の作り方 コロナ禍でも過去最高利益を出した宇都宮ブレックスの経営管理手法とは?-5

2.ブレックスの2021年6月期決算

次に過去最高を記録した2021年6月期の数字を見てみましょう。
売上高14億800万円(前期12億1,100万円)、税引前当期純利益3,700万円(前期△1億4,400万円)でした。コロナ禍2年目、しかも入場制限がかかる中で2億円弱も売上を伸ばしたことが特徴の一つです。

山田塾スピンオフ#4 マネジメント目線で戦える組織の作り方 コロナ禍でも過去最高利益を出した宇都宮ブレックスの経営管理手法とは?

上の図にある通り、前期と数字を比較しても下回ったのは「肖像」のみ。それ以外は同額であったファンクラブ収入を除いた5つの科目で前期超えを果たしています。

その要因は次の5点です。

・東地区優勝、チャンピオンシップ(CS)準優勝に伴う賞金
・CSのホーム開催権を獲得できたことによる収益機会増
・新規スポンサー獲得と既存スポンサー増額
・オンラインでのグッズ販売強化
・リーグからのコロナ特別支援金や国からのコロナ助成金

チームの成績とCSホーム開催権は言わずもがな、それ以外の3つに関してはこれまでの地道な関係づくりと思い切ったテクノロジーの導入が実を結んだことによるとのこと。

ちなみに、Jクラブの育成普及部に所属していた私からすれば、コロナ禍でスクール収入を伸ばした点は驚きの一言です。いやはや、現場のコーチの皆さんが必死にオンラインでも満足してもらえる内容を考え、実行した結果なのでしょう。

3.コロナ禍での売上増加、その仕組みとは?

このような成果を出した秘訣はどこにあるのか?

気になりますよね?聞きたいですよね〜〜!!






詳細は山田塾にご入会下さい(笑)

月額980円で当日の資料を含めて映像アーカイブもご確認頂けます。
いや、これは本当に貴重だと思いますよ。

「釣りかいッ!!!!!」

「ふざけんなよ!!!!!!」

という皆さんの心の声、届いてますよ。
なので、ちょっとだけその要素をお教えしましょう!

ポイントは、

・徹底した部署別採算性に基づくコスト管理
・過去の収支データと現在の進捗を加味した迅速な対応
・社員の生産性アップへの投資や組織力(実行力)強化

この3点です。

最初の2つは一般企業でも徹底されているところが多いので想像に固くないと思います。しかし、最後の1つはスポーツビジネス業界の現状においては非常に特徴的なものです。しかも、今流行りのDX化をそのための手段と位置づけている点からは学ぶべきものが多くあると感じました。

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4.言うは易し行うは難し

以上、ざっくりと山田塾でのスピンオフをまとめました。
聞いていた当日も、そしてこのnoteを書きながらも感じたことがあります。

それは
「これってビジネスではアタリ前のことだよね!」
ということ。

きっとお読みいただいている皆さんも同じ感想を抱かれた方が多いのではないでしょうか?

ただね、
「このアタリ前を地道に、実直に、継続的に、全社的に実施できてるか?」
って聞かれたら皆さん如何でしょうか??

かくいう私自身、耳が痛いです(苦笑)

そう、スポーツビジネスというボラティリティの塊みたいな業界においても、原理原則の遂行、凡事徹底って大事なんですよね。
それを先頭に立って実施するリーダーの存在、会社の仕組み、そして積み重ねという財務諸表には載らない「オフ・バランス」の重要性を驚きとともに痛感させられた学びの場でした。

改めまして、藤本社長にお礼申し上げます。ありがとうございました!!

【予告】

次回の定例勉強会は遂にライバルクラブ比較の最終回。
『ビジネス版クラシコ』と題してレアルとバルサの比較を行います!

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山田塾定例勉強会#8:2021年12月17日(金)21時〜
『財務三表からみるライバルクラブ経営戦略比較:バルサvsレアル』

そしてそして、2021年の最後にとんでもなく旬なスピンオフの開催が決定しました!!!!!!
FC東京の主要株主となったミクシィのスポーツ事業戦略について切り込みます。

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山田塾スピンオフ#5:2021年12月27日(月)21時〜
『千葉ジェッツの経営とミクシィのスポーツ事業戦略』

今回のnoteを読まれて少しでも「山田塾」が気になった方は、ぜひ入会をご検討ください!月額980円で、月一回の当該講座だけでなく、今までの講座のアーカイブ動画や資料、コミュニティ内の熱量高いメンバーの方々とのコミュニケーション等を通して「スポーツファイナンス」を楽しく学ぶことができます。

記事に少しでも共感、興味などお持ち頂けたなら「スキ」や「フォロー」をして下さると嬉しいです!
最後まで読んでいただきありがとうございました!!!
(執筆:福田拓哉)


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