「。」(句点)について
「。」や「、」の句読点を一切使わない風潮が、
昨今の10〜20代を中心とする若い世代から送信されてくるメールやLINE、およびSNSなどの文面で顕著にみられる──みたいなことが、インターネット上だけではなく既存メディアでも、ちょっとした話題になっています。
そう言われてみれば…つい先日──とある撮影現場で知り合った20代前半のギャル読者モデルから
ぼくのLINEに、以下のような文面が届きました。
くらめにしてマツエクしたこれからさつえいねねぇまたさ写真とって欲しい♪───O(≧∇≦)O───♪
読みやすく直訳すると、おそらく
(※メイクもしくは照明を?)暗めにしてマツエクした。これから撮影。ねねぇ! またさ、写真とって欲しい♪
…あたりが正解なんでしょう。
主語や目的語すら不在なため、相手側の意図がじつに判別しづらいメッセージではあるものの、仮に
これが仕事上でのメールなら(※仕事でやりとりする内容とは程遠いのですがw)、最低限でも
くらめにしてマツエクしてみました
これからさつえいです
ねねぇ
またさ写真とって欲しい♪
…と、改行によってどうにか整理できるんですけど、LINEとかで乱打されると、まるでちょっとした暗号のようで、我々中高年世代にとっては解読も非常に
困難となってきます。
メディアに出演していた識者の分析によると──どうやら、イマドキのヤングたちは句読点、とくに句点「。」を文末に打たれると怖い…みたいな印象があるらしく、「。」によってトメられたセンテンスに
「事務的で血が通っていない」
「なんとなく叱られているっぽい」
…ような冷淡さを感じ取ってしまうのが
理由なのだと言います。
しかし、近年の若い世代を中心とする
「文中の句読点を徹底的に排除する」
…トレンドは、
「Twitter(※現X)文化の一般化」
…にも少なからずの起因があるのでは…と、
ぼくはにらんでいます。
140文字という字数制限のなか、
「一文字でも多くの文字をブチ込んで自分の想いを
世界に向けて発信したい!」
…といった切実な願望が「、」「。」…ひいては「!」「?」さえも無駄文字と見なす発想へと至り、その結果、
「句読点=いたずらに一文字扱いで
カウントされる不要な記号」
…として、次第と邪険に扱われるようになってきて
しまったのではないでしょうか。
こうした現状を憂う年輩者が
「キミのメール、句読点がないから読みにくいよ!」
…と、仕事上の関係で注意を促すのは百歩譲ってアリかもしれませんけど、コレをプライベートのLINE
などでしたら
「ウザおやじ」
…のレッテルを貼られておしまい?
LINEとは、スピード重視のチャット的要素が強く、
しかも、そこに打たれる短文は「文章」というよりは「記号」に近く、だからこそ「文法」ではなく「ビジュアル」に比重が置かれる…のかもしれません。
実際、ぼくも自分自身…LINEの文面に「。」があれば、どこか相手を突き放した論調に感じてしまうので、(少なくとも)プライベートのLINEでは極力
句点は省くようにして、その代わりに「改行」で処理したり…おっさん呼ばわりされても(笑)赤の「!」「?」「!?」を使用したりしております。
ちなみに「、」(読点)は、ゴメス的にはさほど気にならないので、ひらがなやカタカナが続いて
読みづらい場合などは時おり挿入し、文面を整えるようにしています。
【実例】
「…とぼくはにらんでいます」
↓
「…と、ぼくはにらんでいます」
もし、我々中高年側から若者側へと積極的に歩み寄り、分け隔てない世代間交流を図りたいのならば…
これらの難読文体を違和感なく可読できるくらい
には慣れていくしかありません。
彼ら彼女らは彼ら彼女らなりに、「ねねえ」の「え」を小さくして「ねねぇ」と変換することによって「、」(読点)扱いにしたり、「笑笑」を文末に加えることで「。」(句点)扱いにしたり…と、
地味な工夫を凝らしているわけですから。
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