麻雀対局動画制作マニュアル〜撮影編〜
みなさんこんにちは
僕は自身のチャンネルで麻雀対局動画を作っています。
最近は特にMリーグという麻雀のナショナルプロリーグが発足したこともあり、麻雀対局というものを映像で見る機会も徐々に増えてきています。
10月からはMリーグ2020シーズンの開幕も控えており、プロたちの熱い闘牌に期待感も高まります。
そういった対局動画を見ていると自分もこういった対局動画を作ってみたいと思う方も中にはいるかも知れませんね。僕は思いました。
しかし麻雀対局動画は、見る分には意識することは無いかと思いますが、これを実際に作ってみるとなると、非常に多くの意識すべきポイントがあります。
今回の記事では麻雀対局動画の作り方を、撮影編と編集編の2回に分けてそれぞれ紹介していきます。
まずは撮影編から紹介していきましょう。
事前準備
まずは何よりもこの事前準備というものをしっかりと行わなければいけません。
■機材の準備
カメラや三脚などの機材のチェックはしっかりと行いましょう。
1つでも忘れてしまうと、撮影に大きな影響を及ぼします。
最悪の場合、撮影ができないことになりますので、忘れないようにチェックしましょう。
この時、特に気をつけることは、
・ 充電(替えの電池、モバイルバッテリー等)
・ 記録用メディアの容量(予備のメディアを用意しておく)
・ 動作確認
・ そもそも持っていくのを忘れない
以上の4つでしょうか。
特に記録用メディアの容量は(個人的に)忘れがちになりがちなのでSDカードなどの記録メディアは多くあるに越したことはないでしょう。
撮影中に容量いっぱいになってしまったら、そこで撮影が止まってしまうので目も当てられません。
しっかり事前に確認しておきましょう。
でないと現場で慌てることになります。
■カメラと三脚は同じものを揃える
そしてカメラや三脚は可能な限り同じものを揃えるのが望ましいです。
僕の場合、カメラはiPhone7を4台使っています。
理由としては
・薄くて軽いので取り回しがしやすい
・4K撮影ができてコスパが良い
・映像を均質化する
麻雀は4人(あるいは3人)でプレイするものです。
そして将棋や囲碁のように盤面の情報が全てプレイヤーに公開されている完全情報ゲームとは異なり、一部の情報が伏せられている不完全情報ゲームです。
各プレイヤーの手牌は他3人には見えません。
ということで、対局動画においては4人(あるいは3人)の手牌を撮影するために、人数分のカメラが最低でも必要です。
さらに盤面、卓上の捨て牌などの情報を撮影したいということであれば、それ用の天井カメラが必要になります。
とにかくたくさんカメラが必要です。
この時点で麻雀対局動画撮影のハードルの高さがおわかりいただけると思います。
こういった事情を踏まえると、iPhone7がベストだと僕は判断しました。
天井カメラは撮影場所によっては設置が難しいので、設置できない場合は手牌撮影用のカメラに手牌だけでなく、捨て牌も入るように画角を調整するなどして対応するのが良いと思います。
現在自分は三人麻雀をメインに撮影しているので、その場合は空いてる席に
三脚を立てて捨て牌を撮影しています。
■会場の準備
会場となる麻雀荘さんには事前に必ず撮影の許可を取りましょう。
三脚等の機材を立てる場合、他のお客様もいらっしゃいますので、迷惑にならないようしっかりと配慮しましょう。
個室を借りられるなら個室のほうが良いと思います。
■機材の設置
スマホ等小さめのカメラで撮影をする場合は、サイドテーブルに小さい三脚を立てて撮影するのもいいでしょう。
これならば他のお客様のスペースを邪魔することもありません。
捨て牌盤面を映す場合は、少し工夫が必要になります。
当チャンネルで配信している名古屋サンマ対局においては、席が一人分空いているので、そこに三脚を立てて上から撮影しています。
三人麻雀の場合はこういう方法が取れますが4人麻雀の場合はこの方法ができません。
なので捨て牌盤面はあきらめて映さないという選択も必要でしょう。
その場合、各者手牌撮影用のカメラの画角を捨て牌も映るように調整するのが良いでしょう。
このときの画角はなるべく広角で広めにとっておけば、後の編集でフォローできます。
編集の手間を減らしたいという方は、ここの画角は全てのカメラで同じになるようしっかり調整しないといけません。
当チャンネルの対局撮影は、なるべく撮影当日の手間を減らすように、とりあえず広めの画角で撮っておいて、後の編集で調整するようにしています。
本来セットで麻雀を打つ時間の一部の中で協力していただいているので、あまり時間を取らないようにするためです。
他に気をつける点としては、点数表示とドラ表示牌ですね。
これが映像の中に入るようにカメラを設置しておくと、後々編集時に確認しやすいので意識しておきましょう。
この2つ、特にドラ表示牌が確認できないと、麻雀対局として成り立たなくなります。
撮影開始
■撮影時の注意点
対局開始前に全てのカメラのRECを開始します。
編集時に各素材のタイミングを合わせるために対局開始時に手を叩くなどして音のマーカーを入れておきます。
映画の撮影なんかでよくある「よーいアクション」みたいなあれです。
こうすることで音の波形や手を叩くタイミングを見て映像素材のタイミングを合わせやすくできるので、忘れずに入れておきます。
■対局時の注意点
対局中は対局者に注意しておいてほしい点がいくつかあります。
それが以下の内容です。
○ツモ番のときは上家が切ったのを確認してちょっと間を置く。(〜1秒程度)
これはカット編集をする時、前の人と動作がかぶると見づらい・編集しづらいからです。
ポン・チーのときも同様です。
○ツモって来た牌を盲牌しすぎない
自分もたまにやってしまうのですが、ツモって来た牌を盲牌しすぎてなかなか見せてくれないケース。
視る側からするとこれはけっこうタルいので、なるべくすぐに見せるようにしましょう。
放送対局だとツモって来た牌を手牌上に乗せることで何をツモって来たのかわかりやすくする場合もあります。
これだと確かに分かりやすいですが、牌がクルッと回転しやすくもなります。
こういった事象に興ざめしてしまう視聴者さんもいらっしゃいますので、取り入れる際は十分に注意して行いましょう。
○裏ドラは手牌と一緒に映るように
裏ドラはめくった後、カメラに入るよう手牌の真ん中上辺りに表ドラ表示牌と一緒に移動させましょう。
裏ドラをめくった後フレームアウトしてしまうと、後で確認できませんし、後で解説やテロップを入れる際に支障をきたします。
アガりが発生した時は、副露した牌も含め、アガリに関する情報が全て画面内に収まっている状態にしておきましょう。
できれば点棒もと言いたいところですが、時間効率もありますので点棒に関しては好き好きで。
■その他注意事項
○カメラがキチンとRECされているか時々確認する。
オペレーターとして一人卓外でカメラを確認する人がいればいいのですが、そうでない場合はカメラが回っているか局の合間にチェックするようにしましょう。
メモリーカードの容量不足や、撮影可能時間の超過、充電切れ、あるいは最初からRECボタンが押せてなかった場合など、カメラが止まってしまっているとせっかくの撮影が無駄になってしまいます。
これは本当に悲しい気持ちになってしまうので、しっかり確認するようにしましょう。
○店内BGM
YouTubeに動画を上げる予定の方は店内BGMに注意しましょう。
BGMの著作権の関係でその動画が収益化することができなくなる可能性があります。
BGMの場合はYouTubeにコンテンツIDという、その動画の広告収益がBGMの著作権者に入る仕組みがあるので、それ以上の(例えばチャンネルBANなどの)問題にはなりませんが、せっかく作った動画が収益化対象外になってしまうのも悲しいので、どうしてもBGMが入ってしまった場合は音声をカットするなどの対処をしましょう。
麻雀は打牌音や、牌と牌がこすれる音も魅力的な部分でもあるので、こうした音を活かしたい場合は麻雀荘さんにお願いしてBGMを切ってもらうか、店内BGMの流れない会場を押さえましょう。
まとめ
ということでいかがでしたでしょうか?
今回は撮影編ということで、撮影時の注意点などをまとめてみました。
ここで失敗してしまうとあとの編集で大変な思いをすることになります。
実際に撮影・編集してみるとわかるのですが、手牌の上にツモ牌を乗せるなど、映像対局においてなぜそうなっているのか? という部分が色々見えてきて面白かったです。
普段見ているMリーグなどの放送対局も、また違った視点で視ることができるので、興味を持った方は麻雀対局撮影にチャレンジしてみるのもいいと思います。
今回紹介した撮影方法はあくまでも僕のやり方ですので、これが絶対に正しい方法というわけでもありません。
他にもっといい方法もあるでしょう。
参考にできるところは参考にしてもらえると幸いです。
次回は編集編です。
お楽しみに!
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