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#9 映画『AWAKE』キャスト回想録3 〜『AWAKE』を彩るキャスト編〜

このnoteは12月25日全国公開の映画『AWAKE』の監督・脚本をした山田篤宏が「このキャスト編終わっちゃったら公開までネタ持つかなー」と思いながら書いています

さて!今回数が多いのでいきなり本題から行きます。前々回吉沢くん、前回若葉くん、ときまして今回はそのお二人以外の魅力的な『AWAKE』のキャスト陣の話をします。中には少しのシーンのご出演の方もいますが、この方を是非観て欲しい!ってところを総まとめします。『AWAKE』キャスト多いですからね。やろうと思えば延々とキャスト編できちゃいますからね。

で、これはこのnote全般に言えることなんですが、なるべく「ネタバレ」をしないように書いてはいるんですが、「ネタバレ」の範囲も人それぞれだと思うんで、もし「全く前情報を入れないで観るのが好き」みたいな方は、特に今回の記事は是非ご鑑賞後にお読みいただきたいです。「予告とあらすじくらいは観るよー」って方は全然OKなハズです。

では、参ります。





落合モトキさん

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英一の先輩であり、彼にプログラミングを教える、映画脚本的な専門用語で言うと”メンター”を担ってもらいました。結果、英一と陸の二人分を合わせてもそれをはるかに凌駕する台詞量に。キャスティングの経緯としては、特番版の「おっさんずラブ」のお芝居を観てひっくり返りまして、「キミに決めた!」って感じでお願いしました。

そもそものモデルはもう名前も覚えていない、僕の大学時代のサークルにいた謎の先輩、転じてみんなの心の中にいるサークルのあの先輩なんですが、バッチリ体現してくれたのではないかと。しかし、ああいう先輩ってなんぼなんでも当時行ってて25歳とかなはずなんですけど、未だに自分がもはやそれより遥か年上であるってことが信じらんないです。


寛 一 郎さん

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英一と陸の奨励会同期で、退会後新聞記者になるというキャラクター。寛一郎くんの何がすごいってめっちゃ「映画」ってことです。カメラ構えて、そこに座ってもらうともうなんかそれだけで「映画」。終盤の、書いた中でも最も好きなシーンの一つも彼に演じてもらってます。

ところで自分、キャラクター名を考えるのが本当に苦手でして、落合くんが演じたキャラクターは磯野という名前で、これは昔知り合いでそういう名前の方がいまして、ふと思い出してそこから拝借したんですが、この寛一郎くんのキャラを書いたときにこれまた何の気なしに以前の職場の先輩の名字の「中島」を使ったところ、台本刷り上がってから磯野と中島になっているということに驚愕。


馬場ふみかさん

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本作の数少ない女性キャストの一人で、英一サイドの人物です(細かな設定は公式では一部出しちゃってますが、知らない方がより面白いかなーと思い)。第六回で書いた通り、吉沢研究時期に「恋する香港」というドラマで共演してるところを観て、これまた演技力が凄まじく是非出て欲しいなーと思ってたら願いが叶いました。個人的には非常に掴み取りづらい役だったと思ってるんですが、見事に引き寄せてもらいまして、大変、大変助かりました。英一と並んで座るシーンがあるんですが、あと数センチずれても成立しないよそれ!ってくらい座り位置が完璧。


森矢カンナさん

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主要登場人物の中では最初にしてようやく出てくる女性キャラです。登場シーンを数でいうとかなり限定的なんですが、撮影でも劇中でも圧倒的な存在感と残り香(比喩的な意味で)を示して去っていかれまして、ホントにカッコいいと思います。撮影スケジュールの都合上、千葉で公園のシーンを撮影しましたが、うっかり「代々木公園的なイメージで」と言ってしまい、じゃあ代々木公園でいいじゃん、と突っ込まれました。


中村まことさん

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父親役、を考えるときというのは、そのベースになる子供役の年代から数えておかしくない年代の役者さん、かつ赤の他人ではあるものの、それなりに面影が似ているというか、親子であることのある程度の納得感が出るような方、ということを考えたりします。中村さんはマブダチの村山和也くんが撮った『堕ちる』という短編映画でお姿を拝見してまして、安心してお任せできると思ってお願いしました。ご本人は吉沢くんの父親役ということで間接的にイケメンと言われてるのは明白ですので、喜んでくれてたのでは、と思ってます。


梅谷祐成くん

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英一の子供時代を演じるのが梅ちゃんこと梅谷祐成(ひろなり)くんです。彼は撮影の今井さんが別の仕事で知り合いまして、その時のすごい演技力と、かつ目元が吉沢くんに似ていると興奮気味に連絡をくれ、子役オーディションにお呼びしたんですが、満場一致で即決でした。初号を観た吉沢くんもしきりに「自分に似てる」と言っていた記憶が。前後して撮影していた吉沢くんの出演シーンを見て自分のお芝居にも取り入れたりと、子役というかもう一人の役者でしたね。


細谷宥豪くん

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陸の子供時代を演じてくれたのが細谷宥豪(ゆうごう)くんです。爽やかな風貌が梅ちゃんと好対照だったんではないかと思います。ホントに将棋が強くて、アマ3〜4段あるとのことでした。撮影中に何度か挑戦しましたが、全然勝てなかったです…。


若林元太さん

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英一が通う大学の将棋サークルの一員です。彼に限らず、将棋サークルの面々は非常に“いい味”を出してくれたんですが、その代表格ということでめっちゃ観てほしい役者さんです。どことなくトッポい(死語?)感じとか、負けたときの悔しそうな感じとか、そういう一つ一つがホントに大学生っぽかったなーと思います。英一vs将棋サークル戦は撮っててすごい楽しかったシーンの一つです。


上島信彦さん

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陸の先輩である佐藤棋士を演じて頂いています。棋士っぽさがあるかどうかって服装が統一されちゃうってのもあってこれはこれで中々人を選ぶんですが、「いそう」感が素晴らしいです。本来1シーンのご出演の予定だったんですが、陸関連のシーンを追加したこともあって、幾つかの飛び入りのシーンもご出演いただきまして、彼を陰から見守る大切な役目を担ってもらっています。


佐藤蛍さん

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電王戦対局でニコファーレの大盤解説をする女流棋士役を演じていただいた役者さんです。ここでの大盤解説の4名の再現度は、将棋中継を見続けていた僕からしたら「完璧」であり「それにしか見えない」なんですが、将棋中継を知らない方にはそれが伝わらないのがもどかしく、大声で言っときます。特に佐藤さんの「角道を止める」解説の時に大盤にそっと手を示して角筋を表す仕草はホントすごいです!ちょうマニアックですけども!


以上、駆け足で紹介しましたが、英一と陸以外の「このキャストを観てくれ!」でした。しつこいですが『AWAKE』めっちゃ登場人物多いですからね。まだまだいけちゃいますが際限なくなるのでこのあたりで一旦止めておきます。

そしてネタ切れを恐がりつつも次回はキャスト編の最終回、番外編としてここにはあえて書かなかったあるキャストの話を書きます。