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歌いたいのさ

コロナになってから私の日常は大きく変わってしまった。
どう変わったのか?

カラオケに行っていない、3年近く行っていない、大きな声で歌っていない。

歌いたい。

コロナになってからテレワークとなり、出勤することも無くなった私は運動不足まっしぐらで、2年以上経って、あ!やばい、歩かなきゃ!と突然気づいた。

それに結構おばさんだし、このままだと太って足腰やばくなって不健康になるんじゃないかって怖くなったので毎朝、歩くことにした。

歩くことに飽きてきた頃、朝なので人も少ないしマスクしてるし歌ってみようかなって気持ちになった。後ろにも前にも人がいないことを確認、選曲はパッと思い浮かんだTHE  BOOMの『星のラブレター』。

私が若若々かりし頃、大好きだった歌なので歌詞もメロディーもバッチリなわけで、もうこの歌しかないぞって感じでまあまあ大きな声で歌ってみた。

これが思った以上に気持ちがいい。何なんだ、この開放感は…最高じゃん?

チラッと後ろを確認しつつ、「110メートルあたりに人がいるがまあ安全圏」と、また大きな声で歌ってみる。
ちなみにこの歌はサビのいいところで裏声になる箇所がある。

私と言えば裏声だよねってくらい得意中の得意だったはずなのに…裏声のところでえげつないほどきったない声が発せられた。
裏声の出なさ加減にびっくりして、もう1回挑戦するもまた、きったない声が出てくる始末。

全言葉に濁点2乗がついてるというか、お酒はあまり飲まないけど酒灼けみたいな感じになってしまい「こんなはずじゃない!」って思い、再度同じ箇所を歌うんだけど、またもやきったない声。

歌詞は「愛してます、好きにしてよ」の「好きにしてよ」の部分が裏声で、「好きにしてよ」だけを歌い直せばいいんだけど「愛してます」という助走をつけ加えて「好きにしてよ」を歌いたい。
なので「愛してます、好きにしてよ」を何度も空を見ながら歌い続けていた。

裏声が出ないことが本当に信じられなくて、耳鼻咽喉科に行って原因を解明しなければと思いながらもう1回、もう1回って何度も歌い直していたら、私をスーっと抜かしていく女性が。

おそらく110メートル後ろを歩いていた人だと思う。
私としたことが歌に集中しすぎて歩きに集中できていなかったようだ。
おばさんが空を見上げながら「愛してます、好きにしてよ」って…すっごい恥ずかしいし穴があったら入りたい。

そろそろカラオケに行こうかな。

どうでもいいけど原因はおそらく逆流性食道炎からなる喉の腫れだと診断された。

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