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これからDTMを始める人に〜イマドキの作曲家の始め方

 音楽関係者や作曲家たち、つまり僕の周りでは、みんなDAW(ダウ)という言葉を使い、「昔はDTMって言ってたよね」という感じなのですが、世の中的にはまだ「DTMで音楽を創る」という言い方のほうが多数派のようです。そのことに特に意味はないのですが、音楽関係者とアマチュアクリエイターの情報格差みたいなものを感じました。DTMはDeskTopMusic、パソコンで作られた音楽ないし音楽を創ることを意味していて、DAW、Dagital Audio Stationは音楽制作のためのソフトの総称です。厳密に言うとDTMするためにDAW使うということになりますね。
 僕は、テープを使ってレコーディングをしていた時代から音楽業界で仕事をしていましたから、ハードディスクでレコーディングができ、音楽が創れるようになったプロセスを見届けていることになります。あれよあれよという間に、価格は下がり、クオリティは上がり、必要なスペースが小さくなりました。レコーディングエンジニアとアシスタントエンジニアが居て、数十畳以上のスペースで、数千万円の設備投資をしないとできなかったことが、10万円台のPCと数十万円の音源と数万円の機材で、ほとんど遜色のない作品が作れるようになりました。まさにデジタル化による「民主化」でセンスと個性が大切で誰でも音楽が創れるようになったのは素晴らしいことだなあと素直に思います。

 さて、これからDTMを始めようと思っている人にアドバイスしておきたいポイントをまとめます。

1)無料ソフトで始めてみる
2)質問できる友人知人と同じDAW環境から始める
3)予算は30万円を目安に考える、但しすぐにはお金を使わない
4)目標を決める

1)無料ソフトではじめてみる
 本当に良い時代と思うのですが、DTMでの作曲がどのくらいやりたいか、ちょっと試すことは無料でできます。Macの人には、Garage Bandという無料アプリが付いているはずです。スマホ操作が慣れている人だったら、iOSのGarageBandでもかなりのことができます。以前、タワーレコードの講座でスマホで一曲作るという講座を企画して、「DAW女シンガーソングライター」として活動する小南千明ちゃんに講師を頼んでやりましたが、かなりのことができました。Windowsの人も、無料版のアプリで試すのが良いと思います。CuBaseやStudioOneなどが一般的ですね。

2)友人知人の同じ環境から始める
 身の回りに居る質問のしやすい人でDTMやっている人を探しましょう。その人と同じソフトにするのが楽で良いです。最初はなんだかわからないので、全く同じにするというは良い作戦です。

3)30万円を目安に「投資」を検討
 新たにPCを買うかどうかで違ってきますが、最初はmax30万円の予算で十分のはずです。動画編集とかゲーマーとかではなければ、普段使いと音楽用は一台で兼用できる時代のようです。あとはオーディオインターフェースとDAWソフトとマイクのセットが必要になります(言葉がわからない人は詳しい人に聞いてください)デジタル音源は最初の買物に入れるとモチベーションが上げやすいかなと思います。あとは、モニター環境としてヘッドフォンとスピーカーをどうするかも検討ポイントですね。無料で始めてみて、本気でやる気持ちになったら、10〜30万円の買物をすることになるでしょう。

4)目標を決める
 無料で少しやってみて、「やっぱりやりたい!」となったら、最初の目標を決めましょう。自分の曲をSoundCloudにアップしてみる、友達に歌ってもらう、プロのアーティストに楽曲提供できるまでやるぞ!、何でも良いのですが、目標によってやるべきことは違ってきます。同じプロでも、インストでCM音楽をやるのと歌ものコンペに出すのではアプローチが違います。

 僕がこの「初めてのDTM」というテーマでnoteを書くと言ったら、山口ゼミ3期生、Co-Writing Farmで頑張っている作曲家ペンギンズが作家目線で書いてました。何回かのシリーズで書くみたいですので、是非読んで下さい。

 あと、ここまで書いて気づきましたが、僕はDAW持っていません。よく知らずに僕を作曲家だと思っている人もいるようです。僕は音楽プロデューサーで、たまたま楽譜も読むしピアノも弾けますが、作編曲家ではありません。アーティストマネージメントという職業を長年やってきた経験で、作曲家育成をやっているのが「山口ゼミ」です。ちなみに相方の伊藤涼は、コーライティングを使ってソングライターとしての実績はたくさんありますが、やはりはDAWは持っていません。ディレクター経験で作曲家を育てています。なんだか意味がわからない??という人はこちらの対談をお読み下さい。マネージャーとディレクターによるソングライター育成プログラムだから「山口ゼミ」は成果が出たのだと、僕は思っています。

 DTMが普及して、音楽制作は自宅で安価でもやれるパーソナルな創作になりました。時代の必然ですし、僕はポジティブに捉えていますが、マイナス面もあります。一つは音楽制作が孤独な作業になってしまったことです。「山口ゼミ」は2013年に開講当時から、受講生同士が仲良くなる傾向が強くて驚きました。僕と伊藤涼がコーライティングを提唱しているのも理由の一つなのでしょうが、それ以上に仲間が見つかり、孤独から解消されることの喜びがあるように感じます。「山口ゼミ」には既に500人近い受講生が居ますが、緩やかなコミュニティを形成しています。卒業生の中でプロ作曲家集団Co-Writing farmも約150人のコミュニティです。
 プロ・アマ問わず、音楽家として活動していく時にいちばん大切なのは、人脈とそこから入る情報です。個人での作業だと、スキルを手に入れて、アップする方法を知るのが難しいので、仲間からの生の情報は本当に大切です。
 「山口ゼミ」は、プロの作曲家を目指すというベクトルだけは変えていませんが、パラレルキャリアの時代、プロの在り方も多種多様になりました。年齢職業住んでいるところなど本当に多種多様なコミュティです。本気で作曲やりたい人は飛び込んでみて下さい。

「音楽で生きていきたい人のために」〜「山口ゼミsince2013」2021年に向けて〜

Co-Writing Farmが気になる人は、こちらもチェックしてみて下さい。

こんなプレイリストも作って、新曲が出るたびに更新しているようです。

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モチベーションあがります(^_-)