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ブロックチェーン技術が革命的に変える音楽流通。著作権の螺旋的発展を呼ぶ?

 リンキン・パークは、MusicVideoをアニメ会社ゴンゾと作ったり、日系人がボーカリストで、日本とも縁が深いアーティストですが、ビジネスやデジタル活用で先駆的な取り組みを行うことで有名です。
 日本のスタートアップBeatroboの新サービスPLUGAIRも一番最初に採用してくれましたね。(CEOの浅枝君を始め、創業メンバーも優秀だったので、iPhoneからイヤフォンジャックが無くならなければ、少なくとも2年位猶予があれば、世界的なサービスになれるチャンスがあったのにと残念です。)

デジタルデータに真贋の概念を持ち込む

 今回のNFT(Non-fungible token)でのオークションもまさに最先端、近未来的な試みです。ブロックチェーン技術を使った、スマートコントラクトの一種という理解で良いのでしょう。簡単に真贋を担保できるノンファンジブルトークンを作品と紐付けることで、「マスター原盤」の所有権を転売可能な形で販売するという、骨董品や美術作品を売るように音楽を(アートワークとセットで)流通させる試みです。
 僕が面白いなと思うのでは、著作権流通の先祖返り的な側面があることでです。デジタル化が進んで、コピーが簡単に作れるようになり、複製権型の著作権ビジネスは形骸化しています。クラウド上にコンテンツを置いて、あそこへのアクセス権をコントロールというのがデジタル化したコンテンツ流通では主流のビジネスモデルになっています。(その場合、月額定額課金が適切なマネタイズということで、サブスクリプション型が広まっている訳です。)
 今回の取引は、デジタルデータに、マスター(ないし本物)という概念の価値を付けて販売しているという意味で画期的です。シルクスクリーン作品のアーティストプルーフ(AP)に似ていますね。大量に刷る前の、アーティスト自身が制作した作品の価値が上がるようなイメージでしょうか?アーティスト自身の保証書付きの作品販売ですね。
 音楽は、ファイルを再生すれば同じ体験ができるし、マスターデータの再生には価値があるのかという疑問を浮かびますが、骨董品の室町時代の本物の茶器と、それを模して最近作った作品の違いみたいなことかもしれませんね。素人目には見た目変らないけれど、「本物の良さがある」という価値観もあるし、鑑定士という職業があります。作品を作ったアーティストが、「これがマスター。その所有権を譲る」ということに価値を感じるファンは居るだろうし、高値で売買される実績が出れば、投資目的で買う人もでてくる、、、ということなのでしょう。これまでに誰がいつ持ったのか、何回再生されたのかなどのコンテンツの使用情報も同時に知ることができます。(そのデータに価値があると感じるようになるかもしれません。)

社会は螺旋状に発展する

 新しいテクノロジーが起きると社会に揺り戻しのような変化が起き、それは、戻っているようで、一つ高い層にいるということを「螺旋状の発展」と田坂広志さんは表現していました。相対取引が市場化したのが、インターネットによってオークションが復活しているのが例です。
 ブロックチェーンによって、無効になった方法論が戻ってくるのはまさに「螺旋状の変化」だなと思いました。

BC活用には、発想の構造転換が必要

 いずてにしても、ブロックチェーンの活用は、「頭の体操」的にニュートラルにならないと従来の感覚では捉えられない現象ですね。

 ブロックチェーンの、分散自立型の仕組みは、これまでに無い概念なので、よくわからないことは複数の書籍を読んでみることをオススメします。ブロックチェーン技術の発展、普及はインターネットに勝るとも劣らない変化を社会と産業にもたらすと言われています。

 スマートコントラクトは従来の契約の概念を超えていますし、DAOというのは会社や仕事という概念を変えるものです。エンターテインメントのビジネス構造を、クリエイター自身が主導権を握る変化をもたらすので、まずは、しっかりチェックしておきたいですね。


モチベーションあがります(^_-)