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radiko全局参加+月間900万ユーザー達成の意義とオープン化への期待


  FM徳島が参加して、遂に日本全国の民放ラジオ全99局が「radiko」に参加したというニュースです。創業メンバーの方にとっては、まずは目標達成と言えるでしょう。おめでとうございます!
 実は、radikoは、日本では数少ない、成功した音楽系ITサービスです。この「成功事例」から日本のエンタメ、メディア業界が学ぶことは多いと思います。

 元々は関西のラジオ局による実験から始まっています。僕が日本音楽制作社連盟(FMPJ)の理事時代から、ずっと注目、微力ながら応援してきたサービスで、月間リスナーが800万人というのも嬉しいニュースです。

 いわばラジオ局の番組がスマホのアプリで聞けるという「だけ」のサービスなのですが、着実に広がっていきました。当時は「ラジオはもうオワコンだ」という意見が一般的でしたが、駄目だったのは電波を通じて受信機で聴くという体験で、コンテンツとしてのラジオ番組の魅力自体はあったということが証明されましたね。もちろんビジネスモデルがこれまで通りで大丈夫かどうかというのは、また別の話ですが。

 音楽プロデューサーにとっては、音楽好きのスタッフが多いラジオ局は心強い仲間のような存在でした。ラジオ発のヒット曲も枚挙に暇がないほどあります。700万枚CDを売った宇多田ヒカルのヒットのキッカケがFM局だったのは有名な話です。

 「成功」の理由は、「難聴取地域への対策」といういわば大義名分があって、業界全体の課題として足並みを揃えて取り組めたことと、ユーザーに丁寧にコンテンツ(ラジオ番組)の価値を伝えたことの2つだと思います。
 但し、「成功」とカッコつきで書くのには理由があります。ラジオ番組にユーザーにとって価値があることが一定、証明でき、従来のラジオ業界が延命することができたということで、それ以上の価値を生み出せているかというと疑問です。Twitterなどで拡散して、任意の時点ポから聞き逃し再生できる「タイムフリーサービス」はユーザーにとって価値がありますが、エリア外をでも聞けるをウリにして有料にするモデルは、「規制業種」の発想で、ユーザーフレンドリーではありません。
 従来のラジオ事業を「延命」をするだけでは、バラ色の未来は描けません。今後は既存のラジオ局作成の(リニア型の)番組を流すだけでなく、オープンプラットフォーム型にしていくべきでしょう。様々な音声コンテンツを活かす試みが必要です。「ラジオ」そのものの価値を拡大的にUPDATEするサービスになって欲しいなと願っています。音声SNSプラットフォーム分野への期待は大きく、世界中で様々なスタートアップが新しいサービスに取り組んでいます。全局参加というハードルをクリアーした魅力的な日本の「勝ち組」プラットフォームであるradikoが、次のフェーズに進むことは日本のメディアコンテンツ業界に大きなプラスになるでしょう。期待しています!

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