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多面性を持つ名作『カセットテープ・ダイアリーズ』を音楽映画として観る

去年の7月にシネクイントで観ました。原題は「Blinded by the light」で、ブルーススプリングスティーンに影響を受けた在英二世パキスタン人が主人公という実話からの映画です。ラストシーンは泣きそうになるほど感動したのですが、noteに各タイミングを逸していたら、AmazonVideoで配信が始まっているようなので、激オススメしたいと思います。

実話からの映画化というのに驚きます。見どころの切り口がたくさんあるのですが、
・イギリスでアジアムスリム移民の差別も含んだ生活を描いた社会的な視点
・移民一世と二世の世代的な衝突と和解という親子の物語
・夢を追う若者の悩みと輝きという普遍的な青春映画
・国籍などを超えた音楽の持つパワーを感じる音楽映画

これらの要素を、実話ベースならではのリアリティで内包しています。

僕はもちろん4つ目の音楽映画としての「音楽の力」を感じさせてくれたことに一番感動しました。ブルーススプリングスティーンのメッセージや音楽スタイルは、僕から見ても若干古臭く、良い意味でも悪い意味でも汗臭い暑苦しい音楽ですが、アメリカの白人のまっすぐなロックが、イギリスで差別されているパキスタン人の若者の心を奪って、夢を与えていると、理屈っぽく考えると変な話なのですが、そういう枠組みを乗り越えてしまうのが、音楽の音楽の力ですね。「これがロケンロールやで」とエセ関西弁でつぶやきながら観てましたw

もう一つ楽しめるポイントがありました。
・インターネットがなかった時代の音楽の楽しみ方を懐かしむ(若い世代は知る)

情報があふれて、整理することが必要なデジタル時代なって久しいです。音楽もSpotifyやApple Musicがあれば、無尽蔵に聴くことができますし、様々な方法でリコメンドを受けることができます。しかし、数十年前では、音楽との出逢いはレアで、貴重なものでした。邦題のカセットテープダイヤリーズが宣伝的に適切かどうかは判断できませんが、カセットテープというメディアへの郷愁を込めた気持ちは理解できます。カセットテープがすり減るほど聴きこんだ高校生の頃を思い出せてくれる映画でもあります。

Amazon Videoで観られるようなので、是非、ご覧ください!

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