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「音楽ビジネスとテクノロジーの現在地(NFTとAIと、、、)」TIMM2023セミナーレポート
経済産業省が主催する日本で唯一の公式な国際音楽見本市+カンファレンスイベント東京国際ミュージックマーケット(TIMM)は、今年20回目だったそうです。10年近く前から、セミナーを中心にご協力してきました。2018年には、浅田祐介、脇田敬と始めたTECHSというハッカソンを起点にしたライブイベントをTIMMの公式ショーケースにしていただいたこともある馴染みの深いイベントです。
今年は、テクノロジー×音楽をビジネスの視点から解説するセミナーをやってほしいというお題をいただいて、AIとNFTをテーマのセッションを企画しました。
今の音楽ビジネスの注目テクノロジーはNFTとAI
ストリーミングサービスが音楽生態系の幹となった欧米では、次の収益源としてNFTの活用がポイントになってきている。また、技術進化が激しいAI(人工知能)の音楽創作/制作との関係については、激しい議論が始まっている。2023年以降の音楽ビジネスにおいて避けて通れないNFTとAIについて、現状はどうなっているのか?どうすれば稼げるのか?懸念点はなんなのか?本セミナーでは、それらのリアルな現在地を明らかにする。
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概要はこんな流れでした。NFTの音楽マーケットdot-muraを率いる起業家伴幸祐さんと、実際にNFT作品をリリースしたRIS-707さんに登壇してもらって、当事者感覚のある意見を共有してもらいました。
前半のNFT部分の資料は伴くんのものです。わかりやすくまとまってます。抜粋して紹介します。
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まずは、NFTの現状を概観しました。用語確認とどんな領域で活用されているのかなどをおさえます。
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そして市場動向です。NFTを活用した商材は年平均18.5%で成長していますよ。音楽業界もやるべきですよね、という話です。
ブロックチェーン技術は、暗号資産との親和性が高いため、「ビットコイン長者」狙いのサービスも多く、それがときに、イカガワシサに繋がったり、期待しすぎて幻滅期が来たりしますが、大枠として成長領域であるというのは、知っておきたい重要なポイントですよね。
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音楽系でのNFTサービスを分類して示していました。アメリカのsound.xyzと、ここには出ていませんが、フランスのpianityが成功し始めているというのが僕の印象です。
アーティスト・音楽業界にとってのNFTの価値
音楽NFTの役割は、ファンとアーティストとの関係性を濃くすることです。同時に、楽曲の再生回数で分配されるストリーミングサービスだけでは、アーティストの収入は不十分になるので、そこを補完するユーザーダイレクトファイナンスの役割も期待されていますね。
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音楽業界にとってのポイントとしては、新しい市場を開く商材(商品フォーマット)であると同時に、ユーザーの可処分時間を奪い合うほかのコンテンツとの戦いの中での、体験の進化としての活用が重要との指摘は有益だなと思いました。
アーティストが語るNFTリリース体験談
この日、最も価値があったのはこの部分だと思います。実際にNFT作品をリリースしたアーティストRIS-707が、率直な感想と意見を吐露してくれていました。
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まずは、RIS-707さんが、何故、NFTを活用しようと思ったか?という問いかけから始まりました。
「新しい収益のカタチ」「新しいファンとの繋がり」「新しいマーケットの拡大」のためにNFTが有益ではないかと、活用をすることを考えていたそうです。
その中で、先行試聴+オリジナルアートワークという価値の置き方。そして、「数量・期間限定」によって「古参ファンの証明」をするというコンセプトがファンのニーズを生かしたNFTの活用法だと考えて、.muraでのリリースを選んだとのことでした。
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そして、2作品をリリースした結果を踏まえてのこの日のトークでした。
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素晴らしいと思ったのは、アーティストの立場で、上手くいったこと=成果だけではなく、失敗談も同時に披露し、課題を提示していたことです。その場で、.muraの伴CEOも、率直に至らなかった部分を語り、今後の改善策をディスカッションしていました。
アーティストとサービスを行う起業家が、公の場でこういう議論をするというのは、SXSWを始め、欧米ではよく見る光景ですが、日本で日本語で語られるのを見たのは僕は初めてでした。こういう積み重ねが、MusicTechのサービスを進化させていくし、アーティストのスキルも上がり、結果、市場を成長させていくことにつながるのです。
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RIS-707さんは、今回のリリースでの総括をしっかりされていました。これからのアーティストは、こういうセルフマネージメント感覚が本当に重要になっていると思います。とても的を得た総括だと思います。
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そして、この日の3人のディスカッションの結論めいたものはこちらのパネルでした。僕も.muraというサービスを立ち上げた者として、こういうところまで成長できるようにしっかりサポートしていきたいです。
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RIS-707の新リリースが.muraで行われています。この日のセッションで語られた反省が生かされたプロデュースになっていると思います。是非、サイトに行って、見て、聴いて、できれば買ってみてください!
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dot-muraのブログに詳細レポートがあります。
日本での音楽AI生成5サービスの紹介
後半は僕が情報集めて、日本の5つのAIサービスをまとめて紹介するミニレポートを行いました。
まずは、直近のニュースからAI×音楽に関するトピックスを拾って、導入としました。イギリスの音楽関係者のAIに関する提言(政府向けの希望)と、AIを全面的に活用した覆面アーティストのグラミー賞エントリーという旬のネタを僕なりの解説付きでご紹介しました。
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AI×音楽の現状は、賛否両論、不安も期待も爆発しているので、モデレーターとして、立場表明は最初にするべきかなと思いました。どこから話すか決めないとわかりづらいと思ったからです。TIMMというパブリックな場なので、あくまで私見と断りつつ、ポイント抽出したつもりです。
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もはや客観的な事実と言って良いとのは、パソコンで作業れる際のツールDAW(Digital Audio Workstation)は、AIのインターフェースのような存在になっているということです。
さて、自動作曲・音楽生成のサービスを3つ紹介しました。
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FIMMIGRAMヒットプロデューサー玉井健二(Ageha Springs)が、ヒットプロデューサーのノウハウを抽出した作曲AIエンジンによる楽曲生成サービス。
AMADEUS CODE嵐のディレクターとして活躍した井上純が、慶応大学院で学び直して、瞬時にメロディを生成するmusicTGAを構築。
SOUNDRAW 映像クリエイターのためのBGMというところにフォーカスしたインストゥルメンタル中心の音楽生成サービス。
日本人によるAI作曲サービスをご紹介した後に、歌声合成の技術も2つ紹介しました。
SynthesizerV今年、一流の作曲家たちを中心に注目された人の声と区別がつかない歌声合成ソフトです。開発者のカンルくんは米国留学中に僕と浅田祐介が企画したミュージシャンズハッカソンに参加して、このサービスの原型になるものを作っていました。個人的にも縁があります。人の声の生成として一つ技術的なブレイクスルーを感じさせてくれるものです。
VX-βヤマハによるボーカロイド次世代技術もベータ版が発表されています。こちらもリアルな歌声で、ライブでも使えるのが特徴です。まだ実売前の、RD段階ですが、ボーカロイド文化の拡張が期待できると思っています。
事前にアンケートにお答えいただいて、サービスごとの著作権スタンスや課題感などを伺っています。
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最後に、これまでの内容を踏まえて、ディスカッションと会場とのQ&Aを行いました。
音楽とテクノロジーの関係についてクロストーク
Theme1)音楽ビジネス=アーティストとユーザーのエンゲージメントのマネタイズと捉えた時に、テクノロジーの使い方はどのように考えられるのか?
Theme2)音楽表現にテクノロジーはどのような影響を与えるのか?
Theme3)新しいテクノロジーを取り入れていく際の懸念点は何か?
時間に限りはありましたが、こんなテーマで、プログラマー出身の起業家とセルフプロデュース力の高いアーティストとディスカッションできたのは、刺激的な体験でした。
ディスカッションの内容に興味のある方は、動画をチェックしてみてください。TIMM ONLINEのTOPページで「Visitor」ボタンをクリックし登録ページから必要事項を記入し登録をすると、動画を観ることができるようになっています。(登録受付期間:2023年12月25日(月)11:59 アーカイブ公開期間:2024年1月31日(水)18:00)
NFT音楽マーケット.muraもご注目ください!!
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モチベーションあがります(^_-)