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[音楽ビジネスの学校2020レポート:10]クールジャパンを牽引するアニソン!世界のJ-ファンをブーストしたランティスの功績

  「クールジャパン」という言葉はいささかカビが生えてしまって、必ずしもポジティブな印象ではないかもしれませんが、日本のポップカルチャーの熱狂的なファンが世界中にいることは事実です。そのことに日本の業界関係者の努力はありません。作品を見つけて、勝手に好きになってくれている人たちがたくさんいるのです、コンテンツ力が「クールジャパン」です。

 そんな中、ランティスの井上さんは、海外ファンに対して大きなエネルギーを払ってきた人です。アニソン好きのファンが見つかると、世界中どこにでもでかけて、ライブを行って、海外の日本ファンをブーストしてくれた大功労者です。講義の概要はこちらをご覧ください。

 井上さんはロックバンド「レイジー」のキーボーディストしてキャリアをスタートしています。ビジネスサイドに専念して、アニメの音楽レーベルランティスは、数々のヒット曲を生み出しています。音楽界全体のことを考えている方で、この日のお話でも、音楽業界やアニソンの価値についての言及がありました。自社とは関係ない(というかコンペティター)の『鬼滅の刃』とLisaの大ヒットを素晴らしいことだと称賛しているのが印象的でした。

 海外の日本ポップカルチャーのファンの「視線」は日本人とは全く違っていて参考になります。世界には、100を超える大規模なJカルチャーイベントがあります。メインイベントはほとんどの場合、コスプレコンセプトです。
 ドラゴンボールもワンピースも任天堂もビジュアル系バンドも初音ミクとボカロPの音楽も、外国人目線では全部「日本っぽい」カルチャーです。お弁当も交番も日本を感じさせるようです。
 日本のエンタメ関係者は、日本カルチャーに興味を持つ「外国人目線」を持ってみることは重要です。そうでなくても、日本人は微差に敏感で、細かな違いで判別する傾向があります。日本のコンテンツを海外に持っていく時は、もっと「ざっくりと」した外国人目線でプロデュースする必要があります。「プロダクトアウトからマーケットインへ」というのは顧客重視の商品開発を提唱するビジネス用語ですが、特に全てのエンタメは、ユーザーに決定を委ねる時代です。日本のポップカルチャーに興味を持ってくれた海外の人達に、しっかりよりそってビジネスしていくことの重要性を長年苦労されてきた井上さんのお話を伺いながら、改めて感じた日でした。ありがとうございました。

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