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鹿印帳とともに ~2021シーズンアウェイ参戦記~

J1リーグも最終節を終え、2021シーズンは幕を閉じた。調べてみたら、今シーズンはリーグだけでも8試合、カップ戦を含めると12試合のアウェイゲームに参戦していた。ビジター席が設置されなかった試合も多かった中、北は北海道から南は大分まで、今シーズンもたくさん楽しんだものだ。

アウェイの楽しみといえば、試合はもちろんのこと、ご当地グルメと観光である。試合のチケットを取るよりも先に、地図アプリや乗換案内、観光情報サイトで調べまくって、ここは行く、ここは今回は無理、なんて考えながら、だんだんとスケジュールが決まっていく。その作業はなかなか頭を悩ませるが、妄想が膨らむ楽しい時間でもある。

今シーズンは、アウェイ遠征のときの行き先の一つであり、欠かさずしていたことがあった。

オフィシャルグッズとして発売された鹿印帳に、アウェイ遠征で訪れた地のいわゆる"勝負の神様"を祀る神社で必勝祈願をして御朱印を戴くこと。アウェイ遠征のプランを考えるときはまず神社を調べるところから始まった。

シーズンが終わり、まっさらだった鹿印帳はすべてのページが埋まった。ほとんどがホームゲームのたびに発売された鹿印紙だが、4分の1くらいは日本各地の地名が並んでいる。アウェイをともに旅したわたしの鹿印帳は、思い出とともにたくさんの神様が集まった最強の1冊になった。

J1リーグ第5節 アウェイ福岡戦

福岡では、筑前国一之宮筥崎宮(福岡県福岡市)へ。日本三大八幡の一つであり、開運勝利の神と言われている。インターネットで「福岡 勝負の神様」と検索すれば、間違いなく一番に出てくる。それは行かない選択肢はない。

福岡空港から地下鉄で乗り換え1回、片道約20~30分で最寄り駅まで到着できるので、当日入りしても少しの時間があれば立ち寄ることができるのもおすすめ。博多駅からでも片道15分くらいで着く。筥崎宮は地下鉄箱崎宮前駅もしくはJR箱崎駅が最寄りだが、表参道のなかほどに出口がある地下鉄箱崎宮前駅を利用するのが便利。

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今シーズン、最初のアウェイ遠征で、テンション上がりまくりだったのに、結果はかつて鹿島に在籍した金森選手に決められ(しかも「鹿島でそんなん決めたことないやろ!」って感じのナイスゴール・・・)、完全に意気消沈した。

J1リーグ第9節 アウェイ札幌戦

まだ冬の名残感じる札幌では、豊平神社(北海道札幌市豊平区)へ。地下鉄東豊線の豊平公園から歩いて10分くらいのところにあるので、札幌ドームへ向かう途中で参拝することができる。

札幌市内では、市内中心部、市電西8丁目駅近くの三吉神社が勝負の神として知られるが、あえてこの豊平神社にしたのは理由がある。札幌ドームに行く途中で立ち寄れるということもあるが、御祭神となっている上毛野田道命は「死してもなお敵を大蛇になって倒した」と言われる武神であると説明されていたからだ。

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この時点で、鹿島アントラーズはリーグ戦では2勝1分4敗。食らいついてでも勝ってくれよ!という願いを込めた。だが残念なことに、この試合をもって監督解任となってしまった。

そんな悔しくて悲しい思いをするとはつゆ知らず、わたしは能天気に北海道に乗り込んでいたのだった。

J1リーグ第10節 アウェイ徳島戦

7シーズンぶりにJ1年に昇格した徳島との対戦では、阿波国一之宮大麻比古神社(徳島県阿波市)へ。サポ歴の浅いわたしには、初の徳島遠征となった。

スタジアムのある鳴門市からキックオフまでに間に合うようなアクセスのよい神社は見当たらなかったことと、監督交代後の初戦は何よりも試合に全力集中しようと、試合後にこれから残りのシーズンがうまくいくよう祈願することにした。大麻比古神社は、方除け、厄除けに御利益がある。「負け」という憑き物はここでおさらば!

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結局、ここから10戦負けなしだった。

このちょうど1週間前、フェリーで札幌を目指したわたしは、なぜか寝台列車で徳島に乗り込んでいた。

後にも先にもこんな時間をかけて(お金もかけて)国内を移動した2週間は知らない。

J1リーグ第19節 アウェイ大分戦

朝イチの飛行機で乗り込んだ大分では、宇佐神宮(大分県宇佐市)へ。宇佐神宮は全国に4万社あまりある八幡さまの総本宮。大分県随一のパワースポットとしても知られている。

大分空港から、飛行機の到着時間に合わせ、宇佐神宮方面へ行くバスが出ている。宇佐神宮最寄りの宇佐八幡までの所要時間は約1時間。ナイトゲームなら朝早くの便を利用すれば、到着後に観光をしてもまだ余裕のあるスケジュールを組むことができる。参拝後はバスもしくはタクシーで宇佐駅に行き、JRで大分駅に向かう。

本殿は一之御殿、二之御殿、三之御殿とあり、参拝は一之御殿から順に「二拝四拍手一拝」でするとされる。一般的な「二拝二拍手一拝」のお作法とは異なる。また、上宮と下宮の両方を参拝するのが習わしといわれる。

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参拝を終え、参道で宇佐名物のネギ焼きを食べたり、宇佐土産の宇佐飴を買ったりしていたら、わたしの着ていた「KASHIMA CITY」のTシャツを見た店員さんに「佐賀の鹿島?」と聞かれた。わたしの中では「KASHIMA CITY」といえば反射的に"鹿嶋"で変換されるが、さすがにこのあたりでは"鹿島"なんだなと。「サッカー観戦なんです」と言うと、「あぁ、今日は試合だね!」とホームタウンから離れた土地でもちゃんと知られていた。

なお、試合については…。あ!唯一、3rdユニ着た!

天皇杯第3回戦 栃木SC戦

平日の栃木では、日光東照宮(栃木県日光市)へ。教科書にも載ってるこの神社を知らない人はいないだろう。

栃木SCのホームスタジアムであるカンセキスタジアムとちぎの最寄りの西川田や雀宮までは、東京から比較的アクセスがよい。宇都宮で餃子を食べて、宇都宮駅からバスで行けるという益子の鹿島神社でお参りして、スタジアムに乗り込むか!と考えていたはずが、東武鉄道株主優待券なるものが金券ショップで売られているのを見て、一瞬にして気が変わった。日光東照宮も勝運に御利益がある。ならば、と宇都宮を越え、北に向かった。

結局、スタジアムに行く前に、日光東照宮に行き、鬼怒川で日帰り温泉を楽しみ、栃木を満喫する1日となった。

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スタジアムに着くころは汗だくで、温泉に入ったことなんて意味がなかったくらいになっていたが。

J1リーグ第25節 アウェイ神戸戦

神戸では、二宮神社(兵庫県神戸市中央区)へ。三ノ宮から歩いて行ける距離にある。御祭神は正勝吾勝勝速日天之忍穂耳命といい、その意味は、「まさに勝つ、吾れは必ず勝ちて負けること無し、勝ち進む速さは日の昇るがごとし」。地元の人は「正勝(まさかつ)さん」と呼ぶらしい。なんだか強そうだな!と決まった。

繁華街からそんなに遠くもなく、商店街のはずれにあるのにとてもそんなことを感じさせないくらいひっそりとしていた。

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悲しいことに、「まさに勝つ」とは縁が遠かった試合だった。帰る前に入った洋食屋さんで頼んだ「牛カツ」を泣きながら食べた。試合を思い出して、なぜ、「牛(相手チームのマスコット)」「かつ(勝つ)」を選んでしまったのだろう、と。

ルヴァンカップラウンド8 1stレグ アウェイ名古屋戦

名古屋といえばここ、三種の神器の一つ、草薙の神剣を祀る熱田神宮(愛知県名古屋市熱田区)へ。名古屋駅から私鉄なら10分くらいで最寄り駅に着く、かなりアクセスのよい神社だ。

平日アウェイで午後休みで行ったため、いくらアクセスが良いといっても試合日はスタジアムへ到着することが最優先事項。名古屋で途中下車はせず、豊田を目指した。結果、2ndレグへの必勝を祈ることとなったのが悔しかった。

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なぜか「ホームは太鼓などの鳴り物OK、ビジターは手拍子だけ」という不平等なルールに、しばらくの間、結果以上に行き場のないやるせなさを引きずることとなった。本当に悔しかった。

天皇杯準々決勝アウェイ川崎戦

川崎ではないが、鶴岡八幡宮(神奈川県鎌倉市)へ。今シーズン行けた数少ない関東アウェイの一つ。勝負運に御利益があるということと、等々力陸上競技場最寄りの武蔵小杉まで電車1本で行けるということで、少し足を延ばして。鎌倉駅前に伸びる小町通りはすっかり人足が戻ってきていて、とても賑わっていた。

https://www.hachimangu.or.jp/

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関東アウェイのときは、近いがゆえにギリギリに家を出てしまい、そのままスタジアムへ直行ということが多いのだが、今回は違った。いつもと違った、のがいけなかったのかもしれない・・・。と思ってしまう、Jサポあるある。

でも、相変わらず、駅からスタジアムまではちゃんと迷ったんだが!

茨城県民の日

試合ではないが、茨城県民の日には、筑波山神社(茨城県つくば市)へ。カシマスタジアムに向かう電車の中から遠くに見える筑波山全体が筑波山神社のご神域。男体山と女体山の二峰を祀ることより、縁結びに御利益がある。

筑波山神社は麓にあるが、せっかくなのでと女体山頂、男体山頂を目指した。秋晴れの爽やかな日、紅葉も見ごろでとてもすがすがしい休日を過ごした。

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勝負の神じゃないのかって?いやいや、鹿島アントラーズさんは、そろそろ愛するタイトルさんと結ばれなければいけないですから。相思相愛なのに、何故!

J1リーグ第38節 アウェイ仙台戦

Jリーグ最終節の仙台では、秋保神社(宮城県仙台市太白区)へ。仙台で勝負の神といえば、ここは外せない。神社の境内を取り囲むように並ぶ幟旗には「勝負の神」の文字。さまざまな競技のチームやファンが奉納したものらしく、選手の名前もちらほら見ることができる。

住所こそ仙台市だが、たどり着くのはなかなか困難。とはいえ、時間さえちゃんと調べておけば、公共交通機関で行くことができる。仙台駅から秋保神社に行くバスもあるが、今回はJR仙山線で愛子駅まで行き、愛子駅から路線バスで向かった。参拝後、スタジアムへ行くのも逆のルートをたどり、秋保神社から路線バスで愛子駅へ向かい、JR仙山線・北仙台駅で仙台市営地下鉄に乗り換え、ちゃんとキックオフ1時間以上前にスタジアムに到着した。

東京から新幹線で約1時間半と、比較的アクセスのよい仙台。14時キックオフなのに、秋保神社に行こうと思ったがために、6時台の新幹線に乗ることとなったけれども。

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余談ではあるが、鹿島サポさんには、ぜひぜひ1日か15日に秋保神社を参拝してほしい。勝負の神様というだけでなく、鹿のイラストの御朱印がいただけるのだ。

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さいごに

シーズンも終わってしまい、すでに暇を持て余している。来シーズンも、ホームでもアウェイでも、たくさんのワクワクが待っているんだろう。待ち遠しい。

というか、書き終わった今気づいたけれど、鹿印帳とともに戦った試合の成績、3勝2分4敗だわ・・・。


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