懐かしい感覚

ジムのプログラムに太極拳のクラスがあったので参加してみた。
名前は知っているものの、どういうものか想像できない。。
中国のやつ?型がある?ジャッキーチェン?

年々、初めてやることに対して抵抗が大きくなってきたのを自覚している。
昔は無鉄砲で、チャレンジャーだったんだけどなぁ。

最近は臆病になっている自分を少しでも変えようと、あえて初めての経験をすることを意識している。

その一つが太極拳だった。
なんかよく分からないけど、気になる。楽しそう。
そんな思いでえいっと飛び込んでみた。

周りはシニアの方が多かった。男女比は同じくらい。

まずはストレッチ、呼吸から。
太極拳のポーズをとりながら、ゆっくり動いていく。
大きく深呼吸していく。
見よう見まねでなんとか付いていく。

先生は必要最低限の言葉だけを発し、静かに動く。
それも見て、参加者も静かに動きを合わせる。

最後は無言で、全員で動いていく時間だった。
ヨガや他のプログラムでは音楽を使っているが、この太極拳の時間は音楽がなかった。
動いたときに床がキュッとこすれる音、フーという呼吸の音以外はなにもなかった。
不思議な静けさだった。
でも、心地良かった。
静寂の中、ふとある情景を思い出した。

1つ目は、大学生のときに図書館で過ごした時間。
ほとんど人もいなくて、誰からも干渉されない。
教室や食堂は賑やかだったけど、わたしには気疲れすることがあった。
図書館は、一人で心穏やかに過ごせる場所だった。
外から蝉の鳴き声が聞こえるだけで、静まり返った館内。
時々興味のない授業をサボって、図書館にかけこみ気になった本を読んでいたこともあった。

2つ目は、カナダで過ごした時間。
じめっとした日本の夏とは真逆の、カラッとしたカナダの夏。
異国で言葉もよく分からないけど、お金もあまりなかったけど、
あぁいいなぁという感覚。
いや、正確に言うといまその感覚を思い出そうとしたら、全く思い出せなかった。
言葉にできなかった。
また、思い出せたらいいな。

場所も時間もばらばらなんだけど、太極拳の静寂の動きの中で
二つの記憶が浮かび上がってきた。
不思議な感覚だった。
そのとき感じた感情が同じだったのだろうか。
懐かしくもあり、心地良くもあった。

もう大学時代にも、カナダの暮らしにも戻れないけど、
気持ち良い時間をもっと見つけていこうと思った。
自分がリラックスできる時間を探していこう。

そんなことを思わせてくれた太極拳のクラスだった。
新しいことをやれば、新しい感情が出てくるのかな。

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