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名前を呼ぶよ

 先日、SUPER BEAVERが新曲「名前を呼ぶよ」を先行配信をした。

 僕は、「東京卍リベンジャーズ」の予告でこの曲が流れた時から疾走感溢れるサウンドと、マイキー、ドラケン、武道の3人がバイクに乗って夜の高速道路を駆け抜けるシーンがバチッとハマっていて、配信されるのを心待ちにしていた。

「名前を呼ぶよ」配信以降、毎日この曲しか聴いていない。
 朝、自転車に乗って出かける時も頭の中で流れ、お昼ご飯を食べている時も、帰り道でも。
 お風呂に入っている時なんかは、お風呂場をライブ会場にして曲を流しながら一緒に歌う。
 
 この文章を書いている今も、聴いている。

 開始数秒後、ノイズ音が入る。
 武道が過去にタイムリープする時の効果音だろうか。それとも遊び心?
 「時を超える」という歌詞の時にもノイズ音が。
 やっぱりタイムリープの音のような気がする。

 「助けたい人にずっと助けられている」という歌詞は武道にピッタリな歌詞だと思う。
 作品の世界観にピッタリな歌詞と、誰の心にも響く歌詞を書ける柳沢さんは凄すぎる。


 以前、はっとりさん(マカロニえんぴつ)と柳沢さん(SUPER BEAVER)がラジオで対談をしていた。
 その時はっとりさんが、「証明」はアッパーな曲なのに泣ける、アッパーの曲で泣かせることができるのは凄いと柳沢さんに伝えていた。

 今回の「名前を呼ぶよ」もアッパーな曲なのに泣ける曲だと感じた。

 「苛立ち八つ当たり後悔したり 同時に手を叩き笑い合ったり それは平凡で取るに足らない日常でも 二度と同じ日々は辿れない 気が付いた時怖くなるくらいだ

 SUPER BEAVERの歌詞はストレートで心に響く。
 ストレートな歌詞なのに心に響くその理由は、”本質”を捉えているからだと思う。
 忙しない日常を過ごしていく中で見失ってしまった大切なことをSUPER BEAVERの歌詞が思い出させてくれる。

 「出会いが人生の全てだって思った」
「脈絡もなく伝えられる関係 それを大切と言わずに何と言う?」 
 「名前を呼ぶよ 名前を呼ぶよ あなたの意味を 僕らの意味を 名前を呼んでよ 逢いにいくよ 命の意味だ あなたが」

 この曲を聴いていると色んな人の顔と名前が浮かんでくる。
 家族、恋人、友人。

 名前は存在証明。
 名前は存在意義。
 大切な人の名前を呼びたいし、僕も大切な人から「陸」って呼ばれたい。
 名前を呼ばれるだけで生きている実感が持てる。

 小学生の頃、名前の由来を親に聞いてくるという誰かにとっては地獄の宿題があった。
 もちろん僕もそのひとり。
 お兄ちゃんの名前に「海」が付くから、僕は「陸」。
 この名前の由来が好きじゃなかった。
 そんな単純な理由かよ。雑すぎる。

 今は名前の由来なんか気にならない。
 むしろ、兄弟の証のような気がする。
 兄が「海」で僕が「陸」。
 名前で繋がっている。
 それに大切な人が「陸」って呼んでくれるだけで嬉しい気持ちになれる。
 だから僕も大切な人の名前を呼ぶ。
 何度も。何度だって。


読んでいただきありがとうございました。