僕にとっての特等席
先日、新宿三丁目にある素敵なカフェに行ってきた。
前回行った時は満席で入ることができず、彼女がとても悔しそうに「次は絶対予約する!」と言っていたので、僕が予約をしておいた。
本当は当日まで秘密にしておきたかったけど、週末のデートはどこ行こうかという話をした時にあっさり予約していることを伝えてしまった。
彼女が喜んでくれたので結果オーライ。
当日の天気は晴天で、細田守監督の作品に出てきそうな雲がいくつもあった。
僕はその雲を「細田雲」と名付けている。
天気は快晴だが、とにかく暑い。
フライパンの上を歩いてるかと思うくらい暑く、強い風が吹いていた。
彼女は前髪にATフィールドを展開していた。
女の子にとって前髪は第二の心臓らしい。
僕は風を気にせず歩いていたら、玉子の握り寿司のような髪型になった。
以前も行ったことがあるので、Googleマップに頼らずにお店に到着。
お店の名前は『カフェ ウォール(cafe WALL)』
予約していることを伝え、消毒をしてから店内に入る。
店員さんが、端っこの席に案内してくれた。
「端っこの席っていいよね!特等席感もあるし!」と彼女は喜んでいた。
僕はチーズケーキとアイスコーヒーを注文することにした。
彼女はスイーツ界の三種の神器のようなメニューを召喚した。
左からメンバー紹介をさせてくれ。
上に乗ったキュートなフルーツが愛らしい「スコーン」‼︎
中に入っているのがオレンジだか、ミカンだか忘れちまった「ロールケーキ」‼︎
そしてセンターはこいつ。
「おれの財宝か?欲しけりゃくれてやるぜ! 探してみろ この世の全てをそこに置いてきた」
「”海賊王”ゴール・D・パフェ」‼︎
「これをずっと食べたかったの!!」
彼女は海賊がお宝を発見した時のように目を輝かせ、とても喜んでいた。
僕が注文したチーズケーキはとにかく絶品だった。
しっとりとした食感と程よい甘み。
食感や味のアクセントとしてナッツ、生クリーム、、練乳、ジャムと食べることで最後まで飽きずに食べることができた。
チーズケーキとコーヒーはいつでも相性抜群。
彼女にチーズケーキを一口あげると、美味しそうに食べていた。
「コーヒーも飲んでみる?」と訊いてみると、彼女は渋い顔をしながら小さくうなずいた。
コーヒーを一口飲むと、赤ちゃんが初めてレモンをかじった時のような愛らしい表情をしていた。
「リクも食べる?メロンめっちゃ美味しいよ!」
そう言って彼女は3種のスイーツを一口ずつくれた。
メロンを丸くくり抜いたやつは二つしか乗っていない。
それは、『雪見だいふく』のだいふくを一つあげることに等しい。
あんなに食べたがっていた物を躊躇(ちゅうちょ)することなく一口くれるなんて。
これが「愛」なのかもしれない。
僕はスイーツと愛をしっかり噛み締めた。
チーズケーキが美味しすぎてあっという間に食べ終わった。
僕はコーヒーを飲みながら、彼女が美味しそうに食べている様子を見守ることにした。
カーテンの隙間から白い光が差し込み、彼女の横顔を照らす。
僕の特等席は端っこの席ではなかった。
彼女が美味しそうに食べている様子を見つめることができるこの場所。
『ひとり』ではなく『ふたり』だからこそ生まれるこの場所。
この場所こそが僕にとっての特等席。
🍰あとがき🍰
最後まで読んでいただきありがとうございます!
僕が注文したチーズケーキはこんな感じです🧀
色んなお店でチーズケーキを食べたことがあるけど、上位に入るくらい美味しかったです!
このお店は基本混んでいるので、予約をして行くことをお勧めします!
読んでいただきありがとうございました。