今から知っておきたい~共働きで子育てしやすい街の「子育て支援」とは?
子どもが生まれたら「共働きで子育てしやすい街に住みたい」と考える人も多いのではないでしょうか。
近年共働きのファミリーの増加に伴い、自治体は子育て支援にますます力を入れています。
共働きファミリーが子育てしやすい街を見分けるポイントの一つとして、自治体の「子育て支援」に注目して紹介します。
「いずれは共働きで子育てしたい」と考えている人は、早めに知っておいても損はありませんので、ぜひお読みください。
共働き世代は増加傾向
厚生労働省が公表する「共働き等世帯数の年次推移」によると、2021年の共働き世帯数はおよそ1,247万世帯で、過去40年間で一番の世帯数でした。
また、子育てをしながら働いている母親の割合は75%を超え、共働きで子育てをしている家庭が大半を占めているのが現状です。
共働きで子育てしやすい街ランキング
「共働きで子育てしやすい街」の一つの目安として、まずはこちらのランキングを紹介します。
2022年版「共働き子育てしやすい街ランキング」総合編
1位 豊島区(東京都) 83点
2位 松戸市(千葉県) 81点
3位 豊橋市(愛知県) 80点
4位 羽村市(東京都) 79点
5位 宇都宮市(栃木県)78点
6位 奈良市(奈良県) 74点
6位 四日市市(三重県)74点
8位 板橋区(東京都) 73点
9位 葛飾区(東京都) 72点
9位 北九州市(福岡県)72点
9位 堺市(大阪府) 72点
(引用)日経xwoman・日本経済新聞社
共働き夫婦が出産・子育てしやすいかという観点から、45の評価項目において採点し、合計得点(100点満点)で総合ランキングを作成しています。
今回、豊橋市(3位)、奈良市・四日市市(6位)といった地方都市も多くランクインしたことからも分かる通り、首都圏だけにとどまらず、子育て支援に力を入れる自治体が増えています。
共働きファミリーにとっての「子育て支援」、見分ける3つのポイントとは?
共働きファミリーは、自治体の「子育て支援」のどんな点に注目すればよいのでしょうか?次の3つのポイントを紹介します。
1.就学前の保育環境
まず第一に、就学前の子どもの保育環境に注目しましょう。希望する保育園に入りやすいかが、共働きで子育てしやすい街を選ぶ上での最初のポイントです。
当然、預けられればどこでもよいわけではなく、保育方針が合うか、送り迎えがしやすい場所にあるか、延長保育などに対応してくれるか、費用がいくらかかるかなどは重要なポイントです。
自治体のウェブサイトで、保育園の数や所在地、年齢別の待機児童数など、事前に確認できることは調べておくとよいでしょう。
2.就学後の学童保育
共働きファミリーは、小学校入学後の学童保育についても考えておくと安心です。
学童保育に入所を希望していても利用できなかった児童数(待機児童数)は、2022年に全国で15,000人以上にものぼり、希望者が全員入所できるわけではないのが現状です。
子どもが小学校に入学すると、いわゆる「小1の壁」に直面します。小学校は下校時間が早く、夏休み・冬休みも長いため、保育園に通っていたときよりも働きづらくなり、仕事を諦めざるを得ないことがあります。
希望すれば全員入れるのか、何時まで預かってくれるのか、費用はどれくらい掛かるのかなど、事前に確認するとよいでしょう。地域によっては、民間の学童保育所を利用する人も多いので、公立・民間合わせて早めにリサーチしましょう。
3.医療費助成
保育環境と並んで重要なのが、子どもの医療費助成です。
子どもは大人よりも病気にかかりやすく、小さいうちは頻繁に病院へ行ったり、夜間や救急で受診したりすることもあります。
すべての自治体で医療費助成をおこなっていますが、対象となる年齢が異なっていたり、所得制限があったり、自己負担があったりと自治体によって細かな違いがあります。
医療費助成を比較するときには、「対象となる年齢」、「所得制限の有無」、「自己負担の有無」の3つのポイントを押さえておくとよいでしょう。
共働きで子育てしやすい街の一例を紹介
ここからは「共働きで子育てをしやすい街」の一例として、先ほどのランキングで1位の東京都豊島区をはじめ、独自の支援を行っている自治体をいくつか紹介します。
子育て支援は自治体によって大きな違いがあります。申請しないと受給できないことも多いので、住みたい街の子育て支援について、申請できるものがないか事前に一通り確認するとよいでしょう。
「マイほいくえん」事業(東京都豊島区)
東京都豊島区は、平成25年には270名いた待機児童をわずか4年でゼロにし、令和2年度・令和3年度と2年連続待機児童ゼロを維持しています。
保育の「量」だけではなく、保育の「質」の向上を目指し、独自に「マイほいくえん」事業という支援を行っています。
「マイほいくえん」事業とは、妊娠中の人とそのパートナー、在宅で子育て中の人が、すべての区立保育園を身近な子育て拠点「マイほいくえん」として登録することで、様々な子育て支援が受けられる事業です。育児相談、園庭解放、離乳食講習会などの支援が受けられ、子育て世帯から高く評価されています。
(参考:としまSDGsアクション)
駅から保育園への送迎支援(千葉県流山市)
「母になるなら、流山市。」というキャッチコピーを聞いたことがある人もいるかもしれません。千葉県流山市は過去10年間で4万人以上人口が増えており、特に子育て世代(35~39歳)や4歳以下の子どもの数が増え、子育て世代からの支持を集めている自治体といえるでしょう。
保育園への送迎の負担を軽減するために、市内の主要駅と保育園をバスで送迎してくれる「送迎保育システム」や、子育て世帯に配慮したマンションを流山市が認定する「子育て応援マンション認定制度」があります。
都心からのアクセスもよく、仕事と子育ての両立のための支援が充実しています。
紙おむつ、おしりふき等を無料で配送(神奈川県厚木市)
神奈川県厚木市では、市内に住む0歳児がいる人を対象に、紙おむつ、おしりふき、赤ちゃん用ウェットティッシュの中から、1か月当たり4,500円相当を配送するサービスがあります。
第1子・第2子は、申請月の翌月から12か月間、第3子は申請月の翌月から2歳の誕生月まで、支給されます。
「月1万円」習い事・塾代を助成(大阪府大阪市)
大阪市では、市内に住む小学5年生〜中学3年生がいる世帯を対象に、月額1万円を上限として習い事の費用を助成しています。この助成を受けられるのは、世帯所得が一定未満の場合に限られます(例:扶養親族3人の場合は436万円)。
市から登録された事業者であれば、学習塾や家庭教師だけでなく、英会話、楽器演奏、プログラミング教室、野球、水泳なども対象です。
まとめ
「共働きで子育てしやすい街」といっても、「両親の近くで子育てをしたい」、「通勤に便利なところがよい」など、人によって子育てしやすいと感じるポイントは違うものです。
今回紹介した自治体の子育て支援は、あくまでも一つの選考材料であって、自分たちのライフスタイルに合わせて総合的な視点から「子育てしやすい街」を探してみるとよいでしょう。
■参考
厚生労働省 図表1-1-3 共働き等世帯数の年次推移
https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/21/backdata/02-01-01-03.html
共働き子育てしやすい街2022 総合編ベスト50
https://woman.nikkei.com/atcl/column/22/112200009/122300002/
厚生労働省 令和4年(2022 年) 放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の実施状況
https://www.mhlw.go.jp/content/11921000/001029590.pdf
としまSDGsアクション
https://www.toshima-sdgs.jp/action/index.php?c=action_view&pk=1678255836
千葉県流山市
https://www.city.nagareyama.chiba.jp/appeal/1003878/1003882.html
神奈川県厚木市
https://www.city.atsugi.kanagawa.jp/soshiki/kosodatekyufuka/1/5965.html
大阪市
https://www.city.osaka.lg.jp/kodomo/page/0000596583.html